見出し画像

旅をするわたし 京都・奈良 2021.12.29~31

ザ・ロイヤルパークホテル京都四条 泊

一日目。

こんな年の暮れに、京都へ、である。行ってきていいよと夫に言われたので行く。家にいるよりはずっといい。あとは夫と息子、男ふたりにがんばってもらう。夫は何でもできる人だから、心配はない。わたしは冬休みだ。

早い時間に家を出た。まだ暗いなか、キャリーケースを引いて駅までの道を歩く。朝焼けの空が広がっていく。仕事の人とか、年末だから朝帰りの人とか。7時前なのに、途中の横浜駅は混雑していた。新横浜に着くとさらに大混雑。朝ご飯にチャーハン弁当を買う。レジは行列。

帰省の人なのだろう。小さな子どもを連れた家族が多い。今年こそは孫の顔を親に見せてあげたい、とか親孝行の旅だろうか。

新幹線の指定席は満席とのこと。希望した時間はすべてうまっていて、この朝早い便がどうにかとれた。こんな状況で、とれてよかった。

途中、車内放送が「富士山がきれいに見えています」と教えてくれた。そんな放送がかかるのは初めてだ。あちこちでスマホのシャッター音が響く。それ以外は、とても静かな車内だった。小さな子どもも含まれる満席だとは思えないほど、静まりかえっている。感染症対策で、ムダ話しはしないことが身についているのだろうか。

画像1

関ヶ原のあたりから大雪で、徐行運転になる。京都には8分遅れで到着した。

画像2

今回のホテルは、四条の駅からすぐ。地下鉄の階段をのぼったら到着。オープンしてまだ数年らしい、きれいなホテル。コンパクトながら高級感のあるロビー。フロントで荷物を預けて、さっそく出かける。

地下鉄を乗り継いで、叡山電車で一乗寺へ。一乗寺あたりは、初めて歩く。行ってみたいと思いつつ、ちょっと街はずれのイメージがあって、後まわしになっていた。電車は何かコラボレーションかイベントか、デコレーション車両だった。若い人たちが記念撮影をしてる。江ノ電みたいな雰囲気の家すれすれの車窓を眺めて、一乗寺の駅を降りると、住宅街、というか下町っぽい商店街になっていた。その山側に、古寺がいくつかある。

金福寺、詩仙堂、八大神社、狸谷山不動院、圓光寺をまわった。どこも初めて訪れた。

住宅街のなかに、突然お寺の門がある。石段を少しのぼって金福寺の小さな門をくぐる。村山たか女ゆかりの寺だそうだ。枯山水の庭園にそって斜面をのぼると、芭蕉庵という茶室が復元されている。与謝蕪村が再興したそうだ。庵からは、京都の街が一望できた。

画像3

さらに住宅街を歩いて、詩仙堂へ。紅葉で有名な寺院で、名前だけはよく聞いていた。広い庭園。紅葉の名所でもあるらしい。狩野探幽作の中国漢晋唐宋時代の詩人三十六人の肖像画が名前の由来とか。

画像4

詩仙堂のおとなり、八大神社。境内では、年末年始の準備がすすむ。

画像5

坂道を登っていく。登り切ったところから、さらに石段が始まる。狸谷山不動院。たぬきの置物がいっぱい。階段の段数を教えてくれる看板が、次々と出てくる。階段の終点には、岩のなかの不動明王が待っていた。目力すごい。

画像6

山を降りて、また山沿いに北上。圓光寺は、家康ゆかりの寺で、学問所だったらしい。庭園がすばらしい。また高台に見晴台があった。どこでも高いところには、とりあえず登ってみる。お寺は高台がいい。っていうか、高いところが好きなんだな。

画像7

京都本で見た雲母漬のお店に寄る。古民家で、ちょっとアミューズメント性がある。小さなナスが白味噌で漬けられている。味見させてもらったら、おいしい。なかなかおいしい。いや、かなりおいしい。

画像8

ランチは一乗寺中谷で、白味噌のお雑煮とお赤飯のセット。そもそも、白味噌のお雑煮が食べたくてお店を調べてて、それが一乗寺だったから、ここを最初に巡ることにしたのだった。和菓子も洋菓子も人気のお店らしく、それほど広くない店内がいっぱいの人で埋まる。甘味も食べたかったけど、そんなに食べられないので食事だけにした。パフェとか、わらび餅もおいしそうだった。おみやげも少し買った。

画像9

駅へ戻って、さらに通り過ぎて、恵文社へ。有名な本屋さん。一度行ってみたかった。ドアが2つあると気付かず、雑貨のほうばかり見ていた。かわいい原稿用紙と、いちご泥棒のブックカバーと、この本屋さんが登場する一乗寺のミステリー本を買った。

画像10

ホテルへ戻ってチェックイン。部屋は3階だった。烏丸通り側。ツインのシングルユースなので、そこそこ広い。トイレとお風呂が別になってるのがいい。駅上というのと、お風呂で選んだ。となりのホテルの一階がスタバだったので、ほうじ茶フラペチーノを買ってきた。飲みながらしばし休む。足がかなり疲れてる。

画像11

夜は平安神宮のヨルモウデへ。びっくりするほどの行列。チケットの列と、入場の列と、二段階で並ぶ。でも並ぶ。急ぐ旅ではないし。一番ピークの時間に行ってしまったかも。入場の列に並んでいるあいだに、チケット購入の列は終わっていた。ライトアップとプロジェクションマッピング。以前、二条城で見たイベントの平安神宮版。規模は、二条城の半分くらいか。夜の神苑をまわる。小雨から雪がちらつきだした。急に冷えた。

画像12

バスで四条へ戻る。夕食は、そのへんのビルの地下に入ってみたら、おばんざいのお店があったので入ってみる。からあげのあんかけネギソース。素揚げの野菜もたっぷり。煮物の小鉢もあって、おなかいっぱい。

画像13

ホテルへ戻って確認したら、23000歩も歩いていた。やばい。

お風呂で足をよくもんで、ベッドでうとうとしながら、朝まで5時間やってるお笑い番組を見る。関西の番組、すごいわ。

二日目。

朝食はホテルで。進々堂のレストランが入っているというので、朝食付きプランにしておいた。メイン料理が選択できる。野菜スープにした。パンはクロワッサンとトーストがついていて、ほかにも次々もってきてくれる。くるみのパンもいただいた。甘いのも食べたかったけど、おなかいっぱい。

画像14

さて、今日は奈良へ行く。

地下鉄のホームで待っていたら、奈良行きの電車が来た。びっくり。ちゃんと調べてなかった。市営地下鉄が近鉄に乗り入れてるなんて知らなかった。ツイテル。

大和西大寺で乗り換えて、西ノ京へ。まずは駅からすぐの薬師寺。中学校の修学旅行以来だ。広い。どこもかしこも広い。空も広い。広いところに、大きな仏殿。大きな仏像。国宝だらけ。特別公開のものがたくさんあって、古いモノだけでなく、食堂の壁画とか新しいモノもとてもよかった。

画像15

少し歩いて、唐招提寺へ。一度行ってみたいと思っていた場所。森のなかにある、というか、唐招提寺そのものが大きな森みたいになってて、鳥がたくさん鳴いている。地面を見れば苔も美しい。御影堂は工事が終わってなくて見られなかった。有名な東山魁夷のふすま絵は、長野で公開中とのこと。

画像16

地図を見て気になっていた前方後円墳を探しに行く。日本の歴史で繰り返し習った前方後円墳。実物は初めて見た。畑のなかに、突如、大きな堀と山と森がある。巨大なのに、確かにカタチが前方後円墳だとわかる。鳥がたくさん鳴いている。人が立ち入れないサンクチュアリ。

画像17

尼ヶ辻から近鉄奈良へ。途中、平城京跡が見えた。広い。これだけの広さの場所をそのまま残せているのがすごい。

近鉄奈良駅から、工事中の興福寺を抜けて、奈良公園へ。期待通り、鹿いっぱい。子どもたちが鹿せんべいをあげているが、あげすぎなくらいあちこちで食べている。

画像18

ひたすら歩いて春日大社。正面でないところから入ってしまい、なんだか出口から入る、みたいな歩き方になってしまった。ここも初詣の準備中。かわいい白鹿のおみくじは中吉だった。なかなかよい。

画像19

戻って東大寺。冬休み中だけあって、ここは大混雑。入場するのに並ぶ。久しぶりの大仏は、やりすぎってくらい大きかった。大仏を見るのは3回目だったけれど、この大きさを忘れてる。

画像20

遅いランチを境内のお茶屋さんで。茶がゆ膳。しみる。なかなかおいしかった。

画像21

二月堂へ。また高いところへのぼる。奈良の街が見渡せた。奈良って、きれいなところだなー、ってしみじみ思った。

画像22

帰りは裏道を下った。静かで、時代がわからなくなるような土塀があったりして、いい時間だった。繰り返し、奈良はどこも広々していると思った。だから気持ちいいけれど、だからますます歩きすぎる。

近鉄で京都へ戻る。ずっと夕焼けがきれいだった。もう少しで京都駅というところで、東寺の五重塔も見えた。

京都駅の伊勢丹で買い物する。すごい混雑。みんな年末の買い物。お正月の準備か。夕食にだし巻きと鯖寿司を買う。だし巻きはその場で焼いていて、見ながら並ぶ。大徳寺の仕出し屋さんだった。地下鉄の入り口近くで、デザートにカヌレを買ったけれど、これがなかなかイマイチだった。カヌレで外れはめずらしい。ロマンの森カフェで買えばよかった。まぁ、失敗もよし。

ホテルに戻って、だし巻きと鯖寿司とカヌレを食べて、お風呂に入って、ぐったり疲れて眠る。が、午前2時頃、金縛りにあった。かなり強いの。若い男の子に添い寝されたような感覚。背中にぴったりついてる。なんでおばさんに添い寝?悪霊退散。成仏してくれ。

三日目。

今日もホテルで朝ご飯。メインはハムとスクランブルエッグをセレクト。しみじみおいしい。パンは追加せず。今日も甘いの食べそびれた。

荷物をキャリーサービスに預けて、外へ出たら雪。

バスで北野天満宮へ。雪、かなりふっている。2輪だけ早咲きの梅があった。年末のお参りの人がたくさん。そういえば大晦日だ。初詣の準備もすすんでいる。大きな絵馬に虎の絵。屋台が並ぶ。

画像23

さらに雪のなか、北野白梅町。嵐電に乗って、妙心寺へ。雪はいったんやんで、また降り出す。広い板張りの部屋があって、映画の撮影に使われているとの説明書きがあった。東慶寺が舞台の映画の撮影写真もあった。あれは妙心寺だったのか。法堂の雲龍図、迫力。

画像24

塔頭の退蔵院にも寄る。思ったより庭が広い。枯山水としだれ桜と池。しだれ桜が有名な木で、これに花が咲いたところを見てみたいと思った。また会いに来るよ。お抹茶とお菓子をいただく。雪を眺めながら、暖かいお座敷にて。

画像25

花園駅前からバスに乗って、四条へ戻る。八坂神社は、屋台がいっぱい。大晦日のおけらまいりの準備を見る。さらに知恩院へ。ゆく年くる年でおなじみの除夜の鐘の巨大な鐘を見る。たくさんの縄が結ばれて、大勢の僧侶が鐘をつく。縄がぐるぐる巻きになっていて、準備万端だった。

画像26

四条の地下のイノダコーヒで、ランチ。オムライスとアラビアの真珠でひといき。大丸で買い物。う巻きだし巻きを買う。おせちに入れよう。地下鉄で京都駅へ。荷物を受け取って、ホームへ。

画像27

新幹線に乗ったら、私の席に若い男女の外国人が座っていた。チケットを見せてもらったら、自由席。となりの車両だよ、ごめんねって教える。ああ、そのくらい英語で言えたのに、ふつうに日本語で言ってた。わかってもらったので、まぁいいか。滋賀県に入ると雪がさらにすごくなってて、帰りも徐行運転。このあたりは、たいへんなお正月になりそうな雪。

大晦日の夜の新横浜駅に到着。家へ急ぐ人々の大きな波に乗って、私も家路へ。

夫の作った年越しそばを食べる。紅白がはじまる。見たいところだけかいつまんで見ながら、おせちの準備。買ってあったものと、京都のおいしいものを詰める。大きなう巻きのだし巻きで、お重があっというまに埋まった。

画像28

お正月は自宅で。いや、本当はどこか別の場所ですごしたい。そのまま京都のお正月もよかったなー、と、次の旅を考える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?