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好意を抱かれることの煩わしさ

苦手だ、と思っていた異性に本心を悟られぬよう、愛想を振りまいていたら、いつの間にか好意を持たれてしまっている。
元々話の話題として人の悪口を好む人で、嫌われた場合のリスクを考えると怖くて、私は自分自身をさらけ出さず、ヘラヘラしてきた。
その結果、本心は悟らることなく、一方的に好かれてしまったらしい。

毎日つまらないLINEを送ってこられるのも、楽しくもないのに付き合いで一緒の時間と空間を過ごすのも、明らかに私のことが好きなのだと分かる瞬間があることも、正直うんざりしている。

私は他人からどう見られているかを気にする方で、自分自身に意識を集中されると苦痛を感じる。
しかも、相手は良くも悪くも人の言動に敏感なタイプの人。
職場の相手なので、余計神経を使う。

私自身に恋愛経験がない。
誰かに想われることは、喜びを感じるものだと思っていた。だけど今、私が感じるものは居心地の悪さだけ。
苦手な人種から好かれることがあるなんて、考えてもみなかった。

この経験を通して思ったことがある。
それは、これから先自分が誰かを好きになることがあっても、それが一方的なものだとしたら、相手に迷惑だと思われるかもしれないリスク。
そんなこと、考えてもみなかった。でも今実際、自分がそうだ。
他者への好意って、想う側でも想われる側でも、案外面倒くさい。

今の相手には、自分の中で創り上げた空想上の私だけに、そのまま片思いしていてほしい。
だって相手は、私の言葉にどこまで血肉が通っているか、見極めることもできないのだから。


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