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初めてづくしの春

新しい環境に飛び込んで約2週間。
徐々に空気感が分かってきたところだ。

過去に経験があるのは研究であって、教育や学校運営に携わるのは今回が初めて。未経験で転職したときと全く同じ感覚が毎日襲いかかってくる。

その一、試験監督のやり方を知らない。
その二、スピードを出して紙を数えられない。
その三、レポートの採点方法が分からない。
その四以降は省略。

大学教員は教職免許を取る必要がないため、初めて『先生』になる瞬間は就職後に訪れる。
仕方がないことも多い。一年間経験して初めて大学の様子がわかるのだから。
でもそんなの、こちらの都合であって学生の都合ではない。

今まで大学にそれなりに長くいた感覚を信じて、ただ真っ直ぐに学生と向き合う。経験値がない今の自分にできることなどそれしかない。
幸い、この一年間は来年以降に向けた勉強の年と位置づけて採用していただいた。
今年学ぶべきことをしっかり学びながら、無理せず焦らず地盤を作ることが大事なんだろう。

……まあ、分かっていても焦るのだけれど。
私の場合、三年間研究から離れていたために技術的なブランクも痛い。
たくさんのことを得られた三年間なので一切後悔はしていないし、この程度のブランクとトレードオフなのは納得なのだけれど。
それはそれとして、というやつだ。

誰かのアドバイスに従いすぎるのではなく、自分が今まで大学生を見てきた感覚を信じなさいと恩師に言われた。
手が届く範囲を自分がいいと思ったものに変えていく。
変化には時間が必要だから、どっしり構えて腹を決める必要がある。

そう言われてみれば、長期戦で仕事をするのも初めてだ。
初めてづくしの春。
そして、学生と話せてなんだかんだ楽しい春でもある。

読んでくれてありがとうございます。 我が家のお猫様4人のちゅーるに早変わりします。