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言葉の花束ーアキの詩集No.47


1.「春に舞い落ちる雪の花びら」


梅が咲き
桜のつぼみが膨れ
色づく時期に

しんしんと
空から舞い落ちる
雪の花びら

冬の間に
降りきれなかった
天上に咲く
雪の花々が
未だ空に残っていたのだろう

寒気に乗って
いざ行かんと地上へと
いっせいに舞い落ちてきた

だんだんと
春の色に染まってきていた風景に
再び白が重なる

若葉の黄緑色や
梅の薄紅色にも
雪の花びらが覆い

季節外れは
興ざめするものかと思いきや
とんでもない

むしろ
春と冬のコラボに
非常に感銘を受けている

ゆったりと舞い落ちる
雪の花びらは

私が手を差し出してしまえば
体温のせいで
溶けて消えてしまう

だから
空が晴れて
暖かな春の陽光に当てられてしまえば

降り積もった
雪の花びらは全て
消えていってしまう定めなのだ

その
雪の花びらの
繊細で儚げな様もまた
美しい

雪の花はおそらく
春に恋焦がれて
地上に落ちてきたのだろうか?

だとしたら
春に触れ
春の温もりを味わいながら消えていくことは
本望かも知れない



2.「ハナとハナ」


春は
ハナが綺麗で美しい

見るだけで
香りを嗅ぐだけで
うっとりとしてしまう

だから春が
好ましい

けれども
春は
花粉症のせいで
ハナがむずむず痒く
ずびずびと鼻水が出る

だから春が
鬱陶しい

一方のハナは
好ましく思われているのに

もう一方のハナは
花粉のせいで
酷い目に遭う

どちらも同じハナなのに
前者はポジティブで
後者はネガティブな印象がある

ハナとハナ
同じ読みなのに
どうしてこうも違うのだろうか?

上手く中和出来たら
良いのになあ



3.「心は目には見えないけれど」


心は目に見えない

けれど
自分たちの中に
きちんと存在している

心は
どんな形をしていて
どんな色をしているの?

それは
分からない

でも

その人の
言葉や態度
行動を通して

その人の
心がどういうものかが
何となく分かることがあるよね

どんな想いを込めて
その言葉を発し
その行為を行ったのか

くみ取ってみると
その人の人となりが見えてくる

不思議だよね

心は目に見えなくても

言葉や行為を通して
その人の心が
分かってしまうんだから

私の心は
どんな感じかな?

言葉や行為に
温もりや
柔らかさがあれば

誰かの心を
優しく包み込むことが
出来るかも知れない

心の傷や痛みも
目には見えない

見えないからこそ
放っておかれやすくて

いつまでも
傷跡が残ったままに
なりやすい

だから
私の言葉や行為によって
心の温もりを伝えることで

相手の心の傷を癒し
痛みを和らげられたら良いなと
私は思う



4.「休んで良いサイン」


力を抜いて良い
休んで良いサインが欲しい

常に
何かに取り組み
努力し続けるのは

楽しいけれど
次第に疲れが溜まってきて
嫌になる

暇があれば
何か楽しめることを探し
常に心を喜ばせようとするのも
正直辛い

何かに打ち込むのも
楽しむのも
エネルギーがいるから

エネルギーが枯渇している状態では
十分に出来ない

常に前向きに生きるなんて
無理な話だ

人生に浮き沈みはつきもので
良い感じに心が保てているときもあれば
そうで無いときもある

ある程度の
心の調整は必要だとしても

それにも
限界はある

ならば
無理して
整えなくても良いじゃないか

今までこなしていたこと
こだわっていたことを
手放す勇気も必要だ

そんなことをしなくても
自分は自分だよ

心が求めていることに
耳を傾けて

本当に必要なことを
自分にしてあげること

いつも通りに
出来なくて良い

習慣や
いつもこなしている作業は
あくまでも
出来たら良いよねという
目安だ

それを
越えなければならないハードルにしたら
自分が苦しくなる

そのハードルは
本当に必要かな?

大丈夫だよ
自分は良くやっている

自分に
休んで良いサインを出して良い

人生
なるようになるさ



5.「無条件の受容」


いつも
人に優しく
親切にしている私は
偉い!
凄いんだ!

とか

自分は
こんなに凄い仕事を
任されているから
凄く有能だ!

とか

自分を受け入れるのに
何らかの
条件をつけている人は
多い

実際
私もそうかもしれない

でもね

その条件が満たされなくなった時
どうやって
自分を受け入れるの?

私は
私であるからこそ
価値があると

無条件に
自分を肯定して
受け入れられると

何があっても
自分がぶれなくなるよ

それが出来るようになるには
色んな経験をして
色んな人と関わって

その経験や関わりで見える
自分の一面を
知っていくことが必要だ

中には
受け入れがたい一面も
あるかも知れないけれど

少しずつ
「こういう自分も
あって良いよね」と思えるように
心を整理していくと

自然に
自分を受け入れられるように
なっていく

もう一回言うよ

あなたは
あなたであるからこそ
価値がある

それに
何らかの条件なんて
必要ないんだよ



6.「おしゃれおじさん」


年を取っていても

体が不自由で
車椅子生活でも

ピシッと
スーツなどを着こなして
身だしなみを整えて
通所してくるご利用者様

私は
陰ながら
「おしゃれおじさん」と呼んでいます

いつも
格好良くて
素敵です

見かける度に
心の中で
旗振って
黄色い声ではしゃいでいます

私は
貴方の
ファンです

おそらく
若い頃から
関わる人への配慮を欠かすことなく

礼節を重んじて
身だしなみをきちんと
整えてきたのでしょう

その習慣を
年老いてからも
欠かさずに行っているのだろうなと
勝手に想像しています

会話したことは
ありませんが

外見だけでなく
中身も素敵な方なのだと
私は感じています

これからも
貴方のファンでいさせて下さいね



7.「雲のような生き方」


青空をキャンパスに
雲が描くものを
じっくり眺めてみる

こっちは
雲が
波のように
うねりを上げている

これは
大海原の光景だ

あっちは
ふわりとした雲が
大きく伸びて
お布団になっている

おそらく
天の神様が寝る
寝床を作っているんだね

そっちは
何を描いているかな?

考えるだけで
わくわくする

雲は自由奔放で
変幻自在だから

誰からも
自分の気持ちからも
縛られず

自分のなりたいものに
自由に
何にでもなれる

私も
雲のような
生き方がしたい

自分のなりたいものを
自由に体現したい

そのために
余計なレッテルや価値観を捨てて

その代わり
「自分は出来る」と
信じる勇気とパワーを
培っていきたい



8.「花が美しいのは」


至るところで
桜が満開に咲き乱れる頃

職場に咲く
この名も知らない
白い花も
一斉に咲き誇った

小さな蝶の
白い羽を
散りばめたような
可愛らしい花で

職員玄関の
庭先にあるこの花は
いつも私の心を
和ませてくれている

桜も素敵だけれど
この名も知らない花に
私はいっそう
胸をときめかせている

桜は
美しい花として有名だからこそ
つい
その先入観で見てしまうけれど

この花は
何の先入観も
代名詞もなく

ただ
そこにいるだけで
心を癒してくれる

率直に
心から美しいと
思わせてくれる花だ

もちろん
桜も魅力的だと思う

ところで
花はなぜ
美しいのだろう?

それは

人に見られたいから
美しくあろうと
しているというよりは

ただひたすらに
咲けるときに
咲きたいから

雑じり気のない
その一念が
花の魅力を引き立てるから

見る人の
心を掴むのだと思う

その想いは
桜も
この白い花も同じだろう

花は
自分がどのような名で
呼ばれているかは
知らない

桜だから
美しく咲くのだとか

そんなことは
関係なくて

花としての本分を
全うしようと
どの花も
懸命なだけだ

ただ
懸命に生きる姿が
美しいのだ



9.最後に


6.の詩について解説します。

私は老健の清掃のパートをしていますが
そのご利用者様で
いつも身だしなみがきちんとしていて素敵な紳士がいらっしゃいます。

年を取っても
身だしなみをきちんとしている人って
なかなかいないですし
それを心がけている人って
素敵だと私は思うのです。


今回はこのような詩集をお届けしました。

お読み下さりありがとうございます(^^)/

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