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言葉の花束ーアキの詩集No.83


1.「寒いね」

寒いね

今日は
その言葉が本当に
似つかわしい気候だ

顔を洗うため
蛇口をひねり
水を掬ったとき

あまりの冷たさに
思わず
ひゃっと声をあげてしまった

外に出れば
ひんやり凍える寒さ

天然の冷蔵庫で
冷やされる心地だ

道行く人々も
寒いねと言い合って
震えている

ますます
冬か深まっているようだ

寒さをしのぐのに
何が必要か?

暖房器具も
必需品だし

何よりも

寒いねと
言葉を交わし
談笑し合う

人との交流が
欲しくなる

1人で
寒いと呟くより

誰かと
寒いを共有する方が

うんと
心が温まる

そういった
心の温め合いが
欲しくなる季節だ


2.「大嫌いの裏の大好き」

あんたなんて
大嫌い

その言葉の裏に
隠れている

大好きに
あなたは気付いてくれるかしら?

いつも
憎まれ口しか
たたけない私を

そういう女だと
思っているんでしょうね

あなたの
気を引きたくて

つい
本音じゃない言葉を
あなたに放ってしまう

素直じゃない自分が
本当に嫌い

あなたを
傷つけてしまっているかしら?

あなたは
笑って許してくれるけど

内心
私の言葉で
あなたが傷ついていないか
不安になるの

そうなるくらいなら
自分の気持ちに素直になって

ちゃんと
あなたに
伝えられれば良いのに

あなたが
大好きだって


3.「私に出来る精一杯の愛」

お前が悪いなんて
誰が言ったの?

心が弱ると
心の中で浮かんでくる
その言葉

かつて
誰かに言われたのか?

それとも
自分がそう
思い込んでしまったのか?

抱え込んだ
数多の負の感情は

自分の心の中に
蓄積され

気が付いたら
飽和していた

トラウマの一つ一つを
思い出そうにも

既に
風化してしまって
上手く思い出せない

そもそも
私の無意識が
思い出すことを拒んでいると思う

心に溜まった
悲しみや苦しみ

掘り返すのは
辛いよね
痛いよね

だから
無理しなくて良い

これ以上
辛くならないよう
痛くならないように

みんな
ぎゅっと抱きしめて
受け止めるよ

包み込む
温かさを感じて
少しでも安心して欲しい

安心感が
少しでも
辛さ痛みを
和らげて
浄化してくれるはず

私はただ
抱きしめることしか出来ないけれど

私の出来る
精一杯の愛を
抱きしめることで伝えられるなら

いくらでも
抱きしめるよ


4.「今日の風は」

今日の風は

強い
けれど

ほんのり
温かくて
優しい

そして
ちょっと
干したての洗濯物のような
いい匂いがするんだ

明日からは
うんと寒くなるらしい

凍えるような寒さを
いきなり届けるのは可哀想

なんて
思った神様の
粋な計らいかしらね

この
心地よい風は

今日は
存分に気持ちよくなりなさい

そんな
温かなメッセージを
感じるよ


5.「人生は」

人生は
いかに気づき
いかに学ぶか

だけじゃなくて

いかに
人生を楽しみ
味わいつくしていくかも
大事だ

そうやって
自分を満たしていくことで

自分をしっかり保って
生きていくことが出来ると思う


6.「今日のために今日を生きる」

昨日の私は
今日の私ではない

明日の私も
また
別の私

私は
毎日
違った自分へと
更新されている

そんな感覚に
とらわれることがある

昨日
不調だったのに
なぜか今日
調子が良いということもあるし

また
逆のこともある

人生は
何が起こるか分からない

だからこそ
面白い

今日の自分は
今日しかない

だから
今日できることを
存分にやって
味わい尽くそう

そうやって
日々を悔いなく
過ごしていけば

それなりに
充実した日々が
過ごせるのではないだろうか?

また
毎日が新しい自分へと
更新されていくならば

過去に縛られ
今日を犠牲にする人生が
馬鹿らしく思えやしないか?

どうせ生きるならば
過去のためではなく
今日のために生きたい

未来のために投資するのは
構わないけれど

今が満たされていない状態で
未来を切り拓くなんて
出来やしないだろう

今日のために
今日を存分に生きる

そのために
一時一時に
想いを込めて
大切に生きていく

そんな生き方を
していきたい


7.「3匹目」

身を寄せ合って
丸くなっているところに

私は
「3匹目!」と言って
飛び込んで
顔を埋める

2匹は
拒まずに
そっと受け入れて

顔をなめてくれる

何と心地よい
ユートピア

この空間は
猫たちと私だけの
楽園だ


8.「無常」

動いていないように見えて

実は
動いているもの

空を漂う
雲の旅路

夜には閉じていても
朝が来れば
その花びらを開く草花

一瞥しただけでは
分からなくても

ようく
長い目で見てみれば
変化が分かる

人の成長だって

いつの間にか
子どもから大人になって

そして
老いていく

この世界にあるものは
それぞれの時間軸の中で
確実に変化していく

無常とは言うけれど

良いものも
悪いものも
全てひっくるめて

必要だから
起こること

雲が流れていくのも
花が昼間に咲くのも
人が成長していくのも

みんな
意味がある

その意味に気付けたら
自分の人生がいっそう
面白く感じるかもね


9.「詩を詠むのは」

声が出るから
鳥は鳴く

鳥は鳴くから
歌を知り

その美しさに気付いて
歌を楽しむ

それと
同じように

人は
言葉を知って

言葉によって
表現することや

人と人との
心が通い合うことの
面白さ
素晴らしさに気付いて

言葉を遣うことを
楽しむ

言葉を遣うことの
楽しさを知っているから

詩を
詠みたくなる

言葉で
紡がれる情景や
人の想い

無限大に広がる
言葉の宇宙

それを
味わい尽くしたい

だから私は
詩の世界に興じる











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