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言葉の花束ーアキの詩集No.3

1.「命とは何?」


この世界には
数多の命が溢れている

人や鳥獣
虫、草木花
目に見えない微生物など

有りとあらゆる
命らが
生きている

生き物の定義とは
何だろう?

それは
あまりにも幅広い

今さっき
殺した
小うるさいハエや
目障りなゴキブリも
命だし

自ら動くこともなく
摘まれても
踏みつけられても
声を上げない花だって
命だ

そう思い返してみると
自分がいかに
命を命と思わず
「もの」として見ているか

人以外の命を
人よりも
価値が低いと決めつけているか

その浅はかさを
思い知らされる

毎日食べている
食材は
もともとは命だった

他の命に支えられ
生かされている
それに感謝できていただろうか?

そこで
動いているものも

動いていないものも

目には見えていないものも

みんな

自分と同じ

命とは何?

命というくくりでは

全ての命が
あなたの兄弟であり
あなたの分身



2.「我が家の泥棒猫」


さぁ
今日の晩ご飯を作ろう!

サラダに
大根の豚バラ炒めに
ホッケの塩焼き

あっちをこしらえ
こっちをこしらえ
大忙し

魚が焼けた
お皿に盛り付けて
他のおかず作りに取りかかる

よし
できた!
と、ふとちゃぶ台を見てみると

あ!
やられた!
焼き魚をペロペロパクパク
堂々と食べている
うちの可愛い子の姿

この泥棒猫め!
魚を取り上げ
にゃあと鳴く子を叱りつける

隣の部屋に猫を移し
再び料理に取りかかり
またちゃぶ台を見ると

またやられた!
この泥棒猫!

この攻防戦を
何度繰り返したことか

何とも気の休まらない
晩ご飯の支度だった

教訓
肉や魚を調理するときは
猫をダイニングに絶対入れない

でも
隙を見て入ってくる
ずる賢い子

魚が
哀れな姿に
とほほ

あぁでも
美味しそうに盗み食いするところ
可愛いなぁ

なんて
つい許してしまいそうで
憎めない
本当に可愛い子



3.「スタートライン」


必ずOTとして
復職する

その一念で
努力し続けた甲斐あって
ついに
採用内定を獲得

目的を果たした

しかし
私はゴールにいるのではなく
スタートラインにいる

それは
OTとして働く中で
綴っていくストーリーの
出発点だ

私はかつて
この仕事は自分には不向きであると
挫折を繰り返す中で思い
その世界から逃げた

どうして駄目だったか?
自分の常識や経験不足
色々考えた

けれど
その答えはどれも曖昧で
結論は出ない

だからこそ
もう一回チャレンジしたい

どうして駄目だったか?
ではなく
どうすれば良かったか?

自分の中のマイナスを
上手くプラスに変えていけるよう
視点をシフトチェンジしたい

そして
他人との関わりの中で
色んな知識と経験を得たい

その喜びをかみしめて
自分という人間を
成長させていきたい

溢れてくる
様々な想いを胸に
私はスタートラインに立つ

そして歩み始める
私の人生というストーリーは
新章に突入するのだ



4.「愛情と愛着は違う」


兄はまた
何も告げずに
ふらりと行方をくらませた

どうせまた
例の先輩の家だろうけれど

家族の心配なんて
気にもしていない
いや
出来ないんだろうな

愛情がなんなのかも
分かっていないんだろうね

ペットの猫を溺愛し
「こいつらは俺が愛しくて仕方ないんだ」と
しきりに言っているけれど

本当は愛されたいんでしょ?
でも
愛し愛されることが
どういうことなのか分からない

だから
ゲームや本に逃避して
心の飢えや渇きを誤魔化している

大好きな猫を可愛がっているわりには
自分のしたいことを優先して
餌をあげようとしないし

ほら
今日みたいに
どこかへ行っていなくなる

それが物語っているよ
それが愛情ではなく
愛着だって

両者は何が違うのか?
それは
「責任」が持てるかどうかだ

愛情は
愛しいもののために
すべきことを果たす愛だ

一方、愛着は
好きではあっても
結局自分の都合が第一で
無責任で自分勝手な愛だ

前者は
相手のために責任を果たす

その根幹に
きちんとした愛
つまり
「思いやり」があり
それが原動力となっている

後者には
「思いやり」があったとしても
自分の「我」が表に出てしまっている

責任のある愛は
相手を支え、守り
相互にとって健全な関係をもたらす

無責任な愛は
その逆である

兄は愛し愛されることが何なのか
分かっていない

そんな兄に対し
それとなくラインで
「カボチャの炒め物が大量に残っているぞ」と
書いて送る私

兄に常識を説いたとしても通じないだろう

兄は居場所を求めている
だから
居場所となれる存在でなければ
言うことを聞いてはくれないだろう

無条件の愛なんて
私も分からない

それで何もかも救われるなんて
思っていない

私は親ではないから
教育は出来ない

私に出来ることは
居場所を作ることぐらいだろう



5.「「ない」ものは見えて「ある」ものは見えない」


自分に対しても
他人に対しても
そうだけれど

「できないこと」や
「ない」ことばかり
目について

「できること」や
「ある」ことは
なかなか見つけることが出来ない

どうしてだろう?

その人の中に
「ない」ものは見えて
「ある」ものが見えないなんて

矛盾しているよね

心のランプを灯して
よく目をこらしてみれば
見えるんじゃないかな?

暗くて見えないだけじゃないかな?

だから
何も「ない」ように見えている

光を照らしてみてよ
見方を変えてみてよ

そうすれば
見えてくるよ

その人の中に存在する
利点や可能性
ポジティブな面が



6.「幸せの青い鳥」


青い鳥を見つけたよ
木の枝にとまって
さえずっていたんだ

幸せを呼ぶと言われる
青い鳥

僕はすぐさま
罠を張って捕まえて
鳥かごの中に入れた

僕の側に置いて
大切に飼った

僕は幸せだ
だって君が側にいてくれるから

それなのに
どうして君はそんな顔をするの?

あまり元気に鳴かないね

あのきれいな歌声を
また聞かせておくれよ

どうしてこうなったんだろう?

こんなに愛情込めて
大切に育てているのに

幸せってなんだろうか?

そう考えたとき
僕は気がついた

そして
僕は鳥かごを空けて
君を外に離してあげた

君は空高く舞い上がり
甲高く鳴いていたね

嬉しそうに
声高らかに

僕は気付いたんだ
幸せは
誰か一人のためだけに
存在するものではない

自分が心地よいと感じていても
誰かを不幸せにするものであっては
いけないんだと



7.「アタック」


階段で
貴方とぶつかりそうになった
あの時

条件反射で
避けてしまったけれど

あのまま貴方と
ぶつかって

その拍子に
貴方に抱きしめられたら
良かったのにと

後になって
後悔したわ

せっかくのチャンスを
取り逃がすなんて

なんて
間抜けな私

ただでさえ
貴方と接する機会がなくて

いつも
側を通り過ぎたり
遠くで見つめたりすることしか
できないのに

貴方にアタックしたいわ

アタックして
私の気持ちを
貴方に届けたい



8.「日だまりのような彼」


彼の笑顔は
ぽかぽかと暖かな
日だまりのようで

私は
彼の笑顔を見る度
彼の笑い声を聞く度
ほっと心を和んでしまう

ひなたぼっこで
とろとろと溶けてくつろぐ
猫のように
癒やされてしまう

もっと彼に近づいて
できるだけ多く
彼の側にいたいな

日だまりの中にいたら
どんなに心地いいだろう

日だまりのような彼に
心底恋い焦がれる私

それと同時に
日だまりにつかることを
拒否する私もいる

なぜかというと
今までの人生で
受けてきた心の傷が
日だまりにつかると疼くから

彼はいつも笑っているけれど
それで何でも解決するの!
人の苦しみ痛みを
何だと思っているの?
馬鹿にしないで!

そんなことを叫ぶ
私がいる

日だまりのような彼に
癒やされることを望む私と
拒絶する私

癒やされたい私は
幸せになりたい

それに対し
拒絶する私は
幸せになりたくない

相反する
私の感情

でも
どちらの私も
同じことを思っている

私の心をここまで翻弄する
彼をもっと
知りたい

だから
側にいたい
愛したい


9.「言葉は心をつなぐ絆」


自分の気持ちを
言葉にして伝えていますか?

ありがとう
お疲れ様
大好きだよ
愛しているよ

誰かに向けた
その温かな想いを
きちんと言葉にしていますか?

相手は分かっているはずだからと
何も言わずに
ただやり過ごす

確かに心は通じ合っている
かもしれない

けれども
誰かの心なんて
察することはできても
はっきりとは分からない

だから
お互いの気持ちが
曖昧にしか捉えられない

そうすると
知らず知らずのうちに
心がすれ違うことがある

そうならないためにも
自分の気持ちを言葉にして
伝えようよ

簡単な言葉でいい
その一言が
相手に伝わることで

相手の心を支えることが出来るし
お互いの気持ちを確認し合うことが出来る

あなたの発する言葉が
誰かとあなたをつなぐ
絆となることを
私は祈ります



10.「票の価値」


いいねが欲しい

出来れば感想も欲しい

票が入れば
それだけ自分の価値が上がる気がして

ついついサイトを開いては
票をチェック

誰かに受け入れて欲しい
認めて欲しい

そんな承認欲求が
心を蝕む

そのままアクセル踏み続けると
エンスト起こすよ

分かっていても
なかなか止められない

悪く見れば
自己肯定感の低さ

良く見れば
向上心の強さ

最近ブログ始めたら
色んな人が見てくれた

嬉しい
でも
他の人と比べると
票が少ない?

とか
疲れるだけだから
その価値観!

ふと気付いた

あんまり票を入れられると
誰がくれたか曖昧になって

入れてくれた一人一人に
想いを馳せられなくなるよね

数だけの価値になったら
悲しいよね

誰かが気に入ってくれたのは
ありがたいし

気に入った理由は何か?
相手はどんな人か?
色々と想いを巡らす楽しみ

それが出来なくなるくらいなら
少しの票があればいいな



11.詩の解説


1.「命とは何」

命について考えた哲学的詩です。

2.「我が家の泥棒猫」

愛猫のシマ(生後9ヶ月、女の子)について書いた日常詩です。

ああ、マジで可愛い(親バカ)。

3.「スタートライン」

私は4月から作業療法士(OT)に復帰します。

その心境を綴った詩です。

4.「愛情と愛着は違う」

私の1つ上の兄(引きこもりニート)との日常の中で

愛について考えたことを綴った詩です。

5.「「ない」ものは見えて「ある」ものは見えない」

哲学的詩です。

6.「幸せの青い鳥」

童話チックに幸せとは何かを綴った詩です。

7.「アタック」、8「日だまりのような彼」

私は現在進行形で

職場(老健)のリハ科の理学療法士の彼に片思い中です。

ノンフィクションの恋愛詩です。

9.「言葉は心をつなぐ絆」

哲学的詩です。

10.「票の価値」

票の数を気にしがちな私の気持ちの整理のために書いた

哲学的詩です。


最後までお読み下さり

ありがとうございます!



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