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空想じゃなく現実になぁれと願う

「話には聞いてたけど、寒いなぁ!」

「そうだね。」

北海道に到着し、空港から一歩出ると、真っ先に冷気が私達を歓迎した。本州ではまだ秋なのに、もう雪が降りそうな気配がしている。

大学最後の年というのもあって、一度は演劇サークルの皆で旅行に行こうと計画し、今に至る。私に話し掛けてくれたのは同級生の住田君。去年舞台上では袖摺れの関係だったのに、公演が終わってから今日までただの友達のまま。

この旅行を機に告っちゃいなよ、同じサークル仲間の結衣が飛行機の中で私に言ったのを思い出して変に意識してしまう。

「寿司と味噌ラーメン食いたい! 奈々は?」

「えっ、えーと、お、お寿司…かな。」

「じゃあ昼は寿司行こーぜ!」

他愛のない会話でさえドキドキして。ニヤニヤ見守る結衣を睨んで。

「そういやさ、去年の舞台で結衣と俺が一緒に寿司食うシーンあったよな! 」

「えっ、あ、うん!」

「あん時のネタいくらだったっけ? よし、いくら食うぞ!」

些細な事でさえ、ぷちっと心が弾けてしまう。

今後の活動に使わせて頂きます。