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【詩】 微炭酸


尻込みする
過去を横目に
通り過ぎる時間に
飛び乗る

どこに行くかは
わからない
だがどこかへは
必ず向かう

過去を生きるのを止め
今を生きることを誓い
未来へと流れていく

歯を食いしばって
変えた流れは
いつしか消えてしまった

どこからともなく
誘う海の香り
小さく開いた
この手のひらに
君からの便りはなく
古の文字が
僕を慰める

このまま
波の中に紛れ込んで
いつしかの港へ
流れつくのか

輝く水面に
僕はただ挨拶をする
あの頃と同じように

やがて夜が来る



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