ネジムラ89 / アニメ映画ライター
【映画レビュー】地下世界の摩訶不思議アドベンチャー!掘り出し物中国アニメ映画『兵馬俑の城』の感想
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【映画レビュー】地下世界の摩訶不思議アドベンチャー!掘り出し物中国アニメ映画『兵馬俑の城』の感想

ネジムラ89 / アニメ映画ライター

すンごく素敵な映画に出会いました。

『兵馬俑の城』のざっくりとした感想

電影祭の関西上陸企画で上映された『兵馬俑の城』を観てきました。

兵馬俑の城(原題:俑之城)
制作年:2021年 / 制作国:中国
华强方特製作 / 111分
監督:林永長

http://dianying.jp/den_ei_sai/film/F_1xx411c7Xn

兵馬俑の戦士や青銅で出来た動物が住む地下世界を舞台に、雑兵である主人公の孟元が将軍を目指して強力な獣退治に挑んでいくという物語。2021年の夏に劇場公開を果たし興収約7000万元のそこそこのヒットを果たした映画です。

全国上映というわけにはいかないのが残念ですが、今回東京・大阪で開催中の電影祭で上映が実施されるということで、一部地域のみで鑑賞可能です。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

好きだー!

と叫びたくなる程度にはお気に入りの映画だったのでうsね。

話の筋こそ王道のファンタジーアクションなれど、アジア風のルックスや、異様なほどのスケールの大きさ、出てくる珍獣の数々が新鮮で見応えあり。そしてベッタベタすぎるラブシーンが一周回って新鮮で「好きー」ってなる。あれこれ要素を交えながら、よくぞ一本にまとめましたよ、これ。

2Dアニメの『羅小黒戦記』とは手法も違うし、フォトリアル寄りの『白蛇・縁起』に比べるとこちらの造形はもっとポップ。それらの中国アニメ映画とはまた違った中国のアニメーション映画界の一勢力の実力を知ることができる体験にもなっています。


ざっくりではなく、もっと詳しい感想を書いていきます。


さすが『熊出没』の方特!仕上がりはとてもリッチ!

本作を製作した华强方特(FANTAWILD)は多くのアニメーション作品を世に送り出している制作会社。

https://www.fantawild.com/business-comic.shtml

中でも特に有名なのが2010年に彗星の如く現れてたちまち国民的アニメとなった『熊出没』。このシリーズが大ヒットとなり、劇場版が8作品も作られた上に、明らかに3DCGのレベルも上がって来ていました。

そんな中で『熊出没』で得た技術も注ぎ込んで、华强方特が満を持して繰り出したオリジナル長編映画がこの『兵馬俑の城』です。

ギャグアニメでここまでやるのかよっていうぐらいに最近の『熊出没』の3DCG技術の仕上がりが凄まじかったものを、直球でアクションファンタジーの制作に用いたのだから、そりゃあすごいものが出てくる!

見たことないスケールの景色が立て続けに出てくるわ、アクションもよく動く。日本版ビジュアルこそ簡素な印象を受けるかもしれないですが、映画を観てみると意外とリッチなのですよ、この映画

しかも、なかなか国の規制的にバイオレンス描写に厳しい中国映画ですが、本作はあくまでも“兵馬俑”たちが主人公。

顔面破壊とかされても粉々に砕けるだけなので、激しいアクションをしても大丈夫という発想で、なかなかに攻めた表現もしている映画となっています。そういう意味でも、貴重なアニメーション映画ですよ『兵馬俑の城』は。

絶景もアクションもしっかり上質!一見の価値あり

私はこれを恋愛映画の棚に入れたい

ロードムービーであり、アクション物でもあり……と表現しながら、私はこの映画を“恋愛映画”の棚に入れたいのですよ。

今はこんなベタベタな表現しないだろってぐらいの展開で、主人公のユアンとヒロインのユーが惹かれ合っていくのだけど、ここまでベタだともはや新鮮に感じられて愛しさが溢れてくる。

最初はいがみ合っていた二人が師弟関係になっていたり、対立したり、最後には……とその展開を追っていくと、ホントこの映画はこの二人の物語だったんだな、としみじみと本作の旅路が味わいを増していきます。

ちょっとズレた感覚なのは自覚してるけど“恋愛映画”棚に入れたいよ

いろんな映画の片鱗がにじみ出ている……

そして“新鮮で見応え有り”というのは間違いないんだけど、既存の映画作品が、時折かなり粗めの切り方で鍋に放り込まれてるのもまたこの映画の味。

特にこの映画のレシピには、明らかに『クルードさんちのはじめての冒険』が下地として濃い目に含まれています。地下世界の造形はかなり寄せているし、ユアンが追いかける獣のモデルは明らかに『クルードさんちのはじめての冒険』に出てくるチャンキーなのが形状や動きからわかります。

『クルードさんち〜』って中国で大ヒットしているので、ヒット作をしっかり踏襲している映画でもあります。

その他にも『モンスター・ハント』の妖怪とか、『トレマーズ』のグラボイドよろしくモンゴリアン・デスワームといった材料も、結構そのまま放り込まれているので、そのあたりも「刻めよ!」と言いながら楽しく観れます。

作品の随所でどこかで観たことある意匠がサブリミナル的に現れる。

まとめ

●景色も美しければ、アクションでも魅せてくれる上質作品!
●恋愛映画としても楽しめて「好きー!」
●たまに結構元ネタがはっきり分かる程度に参考映画の気配がある。

そんな感じで、いろんな思うことが溢れてくるような素敵映画となっていますよ、『兵馬俑の城』

全日上映ではないのが寂しいのですが本日5月27日(金)から電影祭にて隔日上映が実施されます。日・火・木が『兵馬俑の城』。土・月・水が中国のTVアニメ発劇場版No.1シリーズ『熊出没』の第7弾目が東京・グランドシネマサンシャイン池袋と大阪・シネマート心斎橋にて上映されます。

どちらも一見の価値アリの映画なのでオススメしますよ。


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ネジムラ89 / アニメ映画ライター
アニメ映画ライターとして各種メディアで執筆中。国内外問わずアニメ映画を中心とした有益情報を多くの人に提供できるよう努めて参ります。 缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナーも務めています。お仕事のご依頼お気軽にどうぞ→連絡先:nejimura@gmail.com