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【映画レビュー】20周年目の初アニメ化『怪盗クイーンはサーカスがお好き』の感想!

試写で鑑賞させていただいた作品。

『怪盗クイーンはサーカスがお好き』のざっくりとした感想

『怪盗クイーンはサーカスがお好き』を観ました。

怪盗クイーンはサーカスがお好き
制作年:2022年 / 制作国:日本
イーストフィッシュスタジオ制作
監督:傳沙織

https://eiga.com/movie/95382/

2002年に登場した児童向け小説「怪盗クイーン」シリーズが、初のOVA化。
世界中を巡る怪盗クイーンが、謎のサーカス団に獲物を横取りされたことをきっかけに対決することになります。クイーン役として元宝塚歌劇団の大和悠河氏を起用。監督を今作が初監督となる傳沙織氏が担当しています。

本作を観た感想をざっくり一言で言うと……

びっくりしました。

いろんな意味での驚きが詰まっている作品でした。

ちゃんと詳しい感想を書いていきます。

こんな児童文学作品があったのか!

まず、そもそもの話なのですが、私は恐れ多くも原作を知らなかったのです。少女漫画系列の作品かと勝手に思っていたのですが、まさか児童向け小説が原作とはびっくりしました。それを知れたという点でも大きい。

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21世紀以降にこんな直球な怪盗物語が、児童文学界で生まれていたとは!
……なんてことをツイートしたら「詳しくないなら言及しなくてもいいのに」的な反応もあったので、多分もっと怪盗物って充実しているのかもしれないのですが、怪盗キッドぐらいが私の中のメジャー怪盗物ぐらいの感覚なので、個人的にはすごく新鮮な感覚でした。

『若おかみは小学生!』がスマッシュヒットしたり、『らくだい魔女』が映画化を控えていたりと、児童文学作品の映画界におけるジャンル化の波を感じますね。『かいけつゾロリ』なんかもこのジャンルに含まれていく感じになっちゃうのかな。

直球な“怪盗物”というだけでも、なんだかすごく新鮮。

観客もしっかり考えさせる楽しい映画

本作を直球と感じさせるのが、観客をしっかり試す要素が設けられているところ。
果たしてこの中で怪盗クイーンはどれでしょう?
そもそも怪盗クイーンはどうやってサーカスに勝つのでしょう?

といった、話を追っていくと自然に観客がいろいろ推理をさせる展開を見せてくれて、しかもしっかり意外な答えを見せて騙してくれる感じが、
「あぁ、怪盗物を観てるー!」
という充足感を与えてくれました。

こういう楽しさを感じられるのは怪盗物ならでは。
“してやられた”を味わいたいのですよ。

(C)はやみねかおる・K2商会・講談社/「怪盗クイーン」製作委員会

催眠とかはちょっとズルすぎるけど、それ自体は手がかりとして序盤で提示しているのでリアリティラインがそこなのか、と把握できたのも、手堅かったです。

しかもvsサーカスという異色対決で終わらないのがまたニクい。
まさか、戦時中の国が絡んでくるようなドラマティックな展開が待っている社会派展開になるとは思っていなかったので、背筋がピンと張りますよね。戦争がより身近になった2022年というこの年に公開されたのも、ある意味“持って”ます。

ちゃんと「してやられた」を味わえたので良かった!

怪盗クイーンというキャラクターの魅力!

時代に沿っているといえば怪盗クイーンというキャラクターが良いですね!
てっきり美形の男性だと思っていたのですが、年齢不詳・性別不詳のキャラクターだと知ってビックリ。男だ女だと叫ばれがちな時代に、自然にニュートラルなキャラクターが主人公として登場する感じは、良かったです。

(C)はやみねかおる・K2商会・講談社/「怪盗クイーン」製作委員会

キレ者だけど、ユーモアもあって、やってることは警察に追われることだけど、やってることは良いこと……この義賊感が良いですよね。

そしてこのクイーン役を務める元宝塚の大和悠河さんがハマり役!
今回が声優初挑戦とは思わないぐらい、上手くて自然に楽しめました。

ちなみに大和悠河さんにはインタビューさせていただく機会をいただけまして、いろんなお話を聞けました(↓)。

なかなか複数人でのアフレコがしにくい時期での制作でしたが、怪盗陣営の皆さんは合同でアフレコできたようで、いい雰囲気もいい仕事に一役買ってるかもしれませんね。

怪盗クイーンってキャラクター自体もいいよね

まとめ

●直球怪盗物のアニメーション映画ってなんだか新鮮
●楽しませようという工夫に富んでいて良き!
●怪盗クイーンというキャラクター自体が見事

という感じで、児童文学作品相応ではあるとは思いますが、手堅い良さが溢れている作品でした。このままシリーズ化したり、TVアニメ化とかしてくれてもいいと思ったのですが、もう動いてたりするのかな?


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