【映画レビュー】ネタバレありで『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』の感想!
ネタバレが怖くて初日鑑賞して来ました系映画。
『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』のざっくりとした感想
『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』を観てきました。
世界的人気作品「ドラゴンボール」の新作を原作者の鳥山明先生脚本・キャラクターデザインで新作長編が登場。『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018)に続く物語として、今回は壊滅させられたはずの悪の組織「レッドリボン軍」の意志を継ぐ者たちが謎の刺客を悟飯たちに送り込みます。
本来は、4月22日(金)上映予定でしたが、東映アニメーションの不正アクセス事件によって延期となっています。
監督は『映画くまのがっこう』シリーズや、前作『ドラゴンボール超 ブロリー』の3Dパートの制作に参加した児玉徹郎氏。
観てきた感想をざっくり一言で言うと……
軽い気持ちで楽しめる佳作
東アニのセルルック3DCGは今こんなこと出来ます、撮影効果ではこんなこと出来ます、というPRも担うような“今の”ドラゴンボール。
内容は置きの回感はあるものの新キャラの好感度も高くてヨシ。
早々に明かされるけど予告では明かしてない隠し玉があるのも嬉しいところです。一方でそのサプライズ部分に不満もあったりします。
以下、ネタバレ有りでざっくりじゃなく踏み込んだ感想を書いていきます。
まさかのドラゴンボール×3DCGアニメーション
今回のドラゴンボール、やはり注目はほぼ3DCGアニメーションとなった点。これまでは一部パートに3DCGを使う程度だったのですが、今作ではその大半が3DCGとなりました。
3DCGといっても、セルルック3DCGアニメーションなので、見た目は2Dなのが特徴。さすがに「わからない」レベルではないですし、違和感がゼロだったと言えば嘘になるのですが、それでも他の作品では観ない仕上がりの映画になっていて目から鱗でした。
今回の映画の肝はやっぱりこのルックなのでしょう。
その証拠に、今回の映画の監督を務めるのは、児玉徹郎監督。
『くまのがっこう』シリーズなどで監督を経ていますが、今回経歴として注目は『アイカツ』シリーズや『プリキュア』シリーズのEDアニメーションなどで活躍していた点。
児玉監督は等身の高い人型のキャラクターをこれまでもぐりぐり動かしてきたわけですが、この技術がダンスシーン以外にも導入されたらすごいものができるのでは……と思っていたわけですが、満を持して作られた映画がこの『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』なのでしょう。
ダンスはできるのでしょうけど、戦闘シーン……しかもドラゴンボールみたいな激しい格闘シーンもできるのかな?と思いきや、むしろ日常シーンよりも戦闘シーンの方が映像的な緩急が極端なおかげか違和感はなし。思った以上に戦闘シーンにハマってました。
しかも、雨を降らせたり、崩壊する瓦礫の上で戦ったり、モノレールの上で対峙したりと、バトルシーンごとにしっかりシチュエーションを差別化していくのも堅実。工夫に富んでいて見事です。
キャラクター選出の置きにきた感
もう一点、今回の映画のポイントとなっていて忘れてはいけないのが、今回の主役が悟飯とピッコロのタッグとなっている点。
最後の締めに魔貫光殺砲を持ってきてくれるところとか「それ最高!」って声が漏れるぐらい、ゴリゴリに悟飯とピッコロの師弟愛を描いてくれてました。好きですよ、そういうの。
いつもと違う視点・物語が楽しめるのは嬉しかった一方で、視点も基本はピッコロ寄りだったりと、どこか番外編感が抜けないのは、もったいなくもあったり。やっぱり、悟空やベジータが戦っている方が、華があるように感じられるのかも。
悟空やベジータも一応登場はするのですが、今回はほとんど脇役状態でした。初報の悟空の映像(↓)はなんだったんだってぐらいの、本編での悟空のぞんざいな扱いには、ある意味びっくりです。
レッドリボン軍の再来だったり、人造人間に対するスポットの当て方とか、宇宙以上のスケールで物語で展開している今だと、どうもスケールダウンの感じがあるんですよね。前作の『ブロリー』がすごい迫力だった分、余計その見劣りを強く感じます。
ちょっとガッカリなアイツの話
一番、残念だったのが、サプライズとして登場したセルマックス。
人造人間ネタだし、予告で出てきてた映像からも、セルが出てくるんじゃないの……?と言う期待はしていただけに、ドンピシャでセルが出てきてくれたのは嬉しかった一方で、そのキャラクター性はただのデカイ蝉ゴリラ。
よりによってその見た目も第2形態がメインで、不気味で怖い第1形態やスリムでかっこいい最終形態を一切使わないのはなんでなの!?とビックリですよ。
第2形態(↓)
セルの恐ろしさって、相手を吸収してしまうところだと思っているのですが、なんとその能力は継承されていない!セルっぽさを踏襲しているのは最後に自爆というか破裂するところぐらいでしょうか。
これだったらセルじゃなくても良かったというか、この程度のキャラクター性だったら、セルのカードを切るべきじゃなかったんじゃないの?と思ってしまうぐらい、陳腐な存在でした。なんかバイオブロリーみたい。
嬉しいサプライズだったのは間違いないのですが、思ったよりこのプレゼント遊べないな、というガッカリ感のあるセルマックスでした。
まとめ
というわけで手放しで褒めるような感じではないですが、挑戦性があって、ドラゴンボールという題材でまだこんな新鮮な印象を出せることに驚かされる佳作回でした。
本当の勝負は今後作るであろうオールスター大集合回を作った時ですかね。まだまだ作る気満々な感じだったので、2020年代もきっと東映アニメーションはドラゴンボールを擦り続けるのでしょう。
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