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ねじまつり(仮)

※2008年に「ねじの日」に合わせて「ねじまつり(仮)」を開催した際に投稿した開催趣旨の転載再掲です。

「ねじまつり(仮)趣旨」
元々草加市には数多くの木ねじメーカーがありました。農家の方々が、1台の手持の機械で農耕期が過ぎるとねじを作る、という程度の「メーカー」も含めますと、国内の半数近くの木ねじメーカーが草加に存在していたようです。しかしながら、木ねじの需要の減少や海外からの安い製品の流入により、今では市内での木ねじメーカーは皆無となり、他のねじのメーカーにしましても数社しか残っておらず、小学校の社会科の副読本にも載っている「草加のねじづくり」ですが、実際には市内ではほとんど作られていないのが現状です。

そんな中、近年ブームになっています「ロボットバトル」に使用されている人型ロボットに、(有)浅井製作所製の「低頭ねじ」が数多く使用され、ロボットビルダーの方々に好評を得ているということから、平成19年度「草加モノづくりブランド」に「小型ヒューマノイドロボット仕様低頭ネジ」として認定を受けました。また、ステンレス製のねじを使い高い溶接技術にて作られている(有)田島製作所製の「ねじろぼちゃん」も、同じく19年度の草加モノづくりブランドの認定製品です。

主人公の女の子の家が「ねじうこうば」という設定の映画「ガール・スパークス」(石井裕也監督)は「シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション(CO2) 第3回フィルム・エキシビション」の企画制作部門にて「技術賞」等を受賞し、浅井製作所が撮影に全面協力したことから実現しました、映画内の「リアルなねじ製造の風景」の映像が、国内外の映画祭にて上映された際にも高い評価を得ています。

「ねじこうば」を営んでいる、とある家族の日常をえがいた小説「夜間飛行」(川上健一さん著、小説宝石2007年6月号掲載)は浅井製作所をモデルにて執筆された作品ですし、写真集「東京町工場」(雷鳥社)にも、ものづくりのこうばの風景の一つとしてねじづくりの現場が掲載されています。

ねじ業界に携わる人向けの規格書のたぐいではなく、一般の人にもねじの事がわかるようにと書かれたねじの本「絵とき ねじの基礎のきそ」や、ねじのみに特化した図鑑「ねじ図鑑」等は好調な売れ行きを見せ、前出の「ねじろぼちゃん」やねじをアクセントにしたステンレス製の指輪(ねじ工房製)は、楽天市場内のショップでも売られ好評を得ていますし、同じくねじを模ったコスチュームキューピー「ねじキューピー」(三和鋲螺様で取り扱い)などは、テレビや新聞紙上でも多く取り上げられている人気製品です。

以上のように、草加市の「ねじ」や「ねじづくり」が、「工業製品」や「機械部品」という位置づけ以外の場所でも取り上げられ、一般の方々の目にとまる機会も増えつつある事から、実際に取り上げられたものをご覧いただく事で、あらためて「草加のねじ」と言うものを再認識していただければと「ねじまつり(仮)」を開催する次第です。
「ねじは大切なんだよ」と言っていただける事も、最近は確かに多くなりました。しかしながら、重要な箇所に使われている複雑な形状や特殊な材質の「ねじ」が大切なのは当たり前の事。そうではなく1本あたり何十銭の工賃で作られている「どこにでもある普通のねじ」にしましても、重要なのは同じ事なんだという事をご理解いただければと思っております。

追記。一企業が行っているうちはまだ(仮)で、業界あげて開催されるようになった時には(仮)を外す時、だという認識です。

トップの画像並びにポップは「第2回ねじまつり(仮)in 月箱」の時のものです。

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