【60融合GS】構築変遷
こんにちは、ねいつ(@Neiz_YGO )と申します。
今回、自分が長いこと使っている【60融合GS】の構築変遷をまとめてみました。
自分のNeuronスクショの履歴を漁ってた時、昔の自分のデッキを見て「構築甘いな~」であったり「こんなカード採用してたな~」であったり面白い振り返りができたため、それを共有したく、執筆に至りました。
ひとつのデッキを複数年単位でカスタマイズし続け一定の結果を出す経過がまとめられることは中々ないので、珍しい読み味になっているかと思います。
是非当時の環境や新規カードをふりかえるような感じで一読いただけると幸いです。
さて、【60融合GS】はいまでこそ烙印系の一つのアーキタイプとして成立していますが、実は元をたどれば【60召喚シャドール】から派生したデッキです。
そのため、【60召喚シャドール】から派生したタイミング(具体的にはティアラメンツ登場)を契機として、それぞれの弾ごとに構築がどう変わっていったかをまとめていきます。
2022/4以前
オーソドックスな【60召喚シャドール】に《救いの架け橋》ギミックをぶち込んだ形になっています。
先攻では《ルーク》+《メルカバ―》を構えることを目的として、返しに《ガーキマ》《アクセスコード》をぶつけてキルを狙うデッキ思想でした。
《架け橋》により光属性と《アレイスター》を供給できるため、上記盤面の再現率はそこそこ高かった気がします。
《アナコンダ》禁止前なので、展開が止められた後も《マジカライズフュージョン》による《ミドラーシュ》の着地が択でした。
当時高かったなぁ…
2022/4 (ティアラメンツ実装、アナコンダ禁止)
皆さんご存じの通り、このタイミングで【ティアラメンツ】【スプライト】が実装されました。当初【ティアラメンツ】があまり注目されていない中、僕自身も《芝刈り》の弾として優秀だなー、《ミドラーシュ》の横に《スタペリア》が立つなーくらいにしか思っていませんでした。
当時友人が「ティアラメンツ +《烙印の気炎》強くね?」と言っていましたが全然興味が湧かず聞き流していた思い出があります。
《エメラルドタートル》でなく《ルビーカーバンクル》のほうが採用されているあたり構築の浅さが垣間見えます。
《アナコンダ》の禁止により、展開が止められたからとりあえず《マジカライズ》で《ミドラーシュ》着地!と言えなくなったのは悲しかったです。
2022/6 (イシズ実装)
初期【ティアラメンツ】の最盛期であり、そのメタの側面から、イシズモンスターが《ムドラ》まで採用されています。
《影依融合》で《ケルドウ》《ムドラ》を落とすのが強かったためか《シェキナーガ》が採用されていることからも墓地メタが強い環境であったことがうかがえます。
当時の自分は実装されたばかりの《クロックワークナイト》に夢を見ており、《副葬》で落としてシャドールモンスター(ゲニウス)を供給できるし素引きで貼っても《ミドラーシュ》を守れて強い!と思っていたようです。メタビの才能があるかもしれない。
《レイノハート》との召喚権の被りから《アレイスター》の枚数が減ってきているのが哀愁を誘います。
サイドカード今見るとめちゃくちゃ浅いですね…
2022/7 (カルテシア実装)
ついにこの後デッキの核となる《カルテシア》が実装され、シャドール界隈が大いに盛り上がっていたことは記憶に新しいです。
《気炎》+イシズorティアラメンツで強い動きができ、かなりオシャレでした。特にイシズを落とす際は自然と《ネフィリム》に触れるため、シャドールである意味がある!!とよく主張していた記憶があります。
《カルテシア》+シャドールで《ネフィリム》が立つことから、かかわりのある烙印ギミックを採用しました。召喚権かぶり、およびEX枠圧迫のあおりを受ける形で《アレイスター》が採用外となっています。悲しい。
余談ですが、《カルテシア》のプリシクを自引きしてしまった結果、このデッキのレアリティ上げが止まらなくなりました。カードピカピカおじさん/Zero。
この辺りから遊戯王のモチベが爆上がりし、大規模非公認(所謂CS)に高頻度で参加するようになっていきます。
2022/10 (グランギニョル実装)
世はまさに大【ティアラメンツ】時代ですが、ここでも【60融合GS】に革命が起きます。
《赫焉竜グランギニョル》はこのデッキが求めていたラストピースでした。
①着地により《アプカローネ》を落とせる
→先手では《影依の偽典》
後手では《影依融合》になれる
②《融合派兵》で《カルテシア》が選択肢になった
③《カルテシア》でほぼすべての採用モンスターを融合できるようになった
(=無効系妨害に対して強くなった)
④《気炎》対応の魔法使い族
《ドラグーン》の禁止により、《気炎》の対応種族として
ぽっかり空いていた魔法使い族の枠をきれいに埋めてくれました。
そのうえ墓地効果まであるのが至れり尽くせりです。
⑤《ミドラーシュ》を守れる《クエリティス》を緩い条件でリクルートできる
等々、自分のために刷られたカードであるような気すらしていました。
《キトカロス》着地時効果に対して相手が打った《ヴェーラー》《泡影》に対して《カルテシア》の融合効果をチェーンし《グランギニョル》につなっげるときにしか接種できない栄養素がありました。
リンクモンスターに頼らずとも十分な展開力を得ることができるようになり、EXを紫一色で染め、晴れて【60融合GS】を名乗れるようになりました。(実際そう名乗り始めたのもこの辺だった気がします)
《グランギニョル》実装当初の構築がこちらです。
ここから、【烙印】ギミックの勉強や採用カードおよび枚数の選定等、カスタマイズを続けて環境終盤には以下のような形になりました。
今の形にかなり近く、この期間で自分のデッキに対する理解を深め、構築論を確立できたと思っています。
#サイドカードはまだまだ選定が甘いですが。。。
この時は、《烙印融合》がいまだ準制限であったこと、《キトカロス》と《グランギニョル》が共存した唯一の環境であったことから、【60融合GS】がデッキとして一番強かった時代の一つです。
実際に何度かCS入賞させていただいています。
2023/1 (キトカロス禁止、クエム/真炎竜実装)
この時の制限改訂は忘れもしません。
2022/12/12(日)の夜、僕はいつも行っている一風堂で友達に「《シェイレーン》プリシク3枚買ったし制限は勘弁してほしいな~w」とLINEのやり取りをしていました。
いざ21時、Twitter上の制限改訂ツイートのサムネが《キトカロス》で一抹の不安を覚えながらクリック…つながった!
「目の前が真っ暗になる」という経験を初めてしました。
《シェイレーン》制限どころか《キトカロス》禁止、《烙印融合》制限、《副葬》準制限と、このデッキのキーカードをことごとく潰す規制でした。
その時食べていた一風堂が完食できたのか、記憶がありません。
現実逃避から、【蟲惑魔】や【P.U.N.K.60GS】などに逃げながらもこのデッキから完全に離れることができず、茹だった頭で考えたリペアプランがこちらです。
《陰の光》と合わせる形で《アレイスター》を再雇用。
《アレイスター》に《陰の光》→《カルテシア》
《アルベル》に《陰の光》→《心眼の女神》
と、召喚権を使った後に別ギミックのカードをリクルートでき、机上では面白いカードだ…!
といった感じに意気揚々とCSに持ち込みました。
結果は2-3。
《陰の光》デメリットのバトルフェイズスキップがあまりにも重く、後手で全く機能しないことが仇となりました。(あたりまえ体操)
上記の結果から《陰の光》には早々に見切りをつけ、《キトカロス》なしの既存構築で戦っていくことを余儀なくされます。
ここで1月発売のパック(CYAC)にて、《真炎竜アルビオン》《導きの聖女クエム》《赫聖の妖騎士》が実装されました。
特に《クエム》がリソース面で非常に優秀/《グランギニョル》《烙印開幕》の効果の択になれる!と即決1枚採用としています。
この時点では《ナイトメア》ロックを決める発想に至っていないため《真炎竜》《赫聖の妖騎士》を活用する方策は特にありませんでした。
さらに、枚数の減った《烙印融合》へのアクセスを増やすため、《サロニール》及び《黒衣竜》を採用しています。これらに関しては、今ではなぜここに至るまで採用に踏み切っていなかったのか不思議なほど必須枠と化しています。
ちなみに、ここで実装されていた《融合複製》を見逃していなければなー、と後悔しています。
10ヶ月以上遅れて《うらら》ケアになるじゃん!ということに気付き、デッキパワーが1段階上がるのですがそれはまた後述…
翻って環境では《エクスピュアリィ・ノアール》が猛威を振るっていたことから、対策の必要性に迫られていました。
このとき、対策札としては汎用の《深淵の宣告者》《閉ザサレシ世界ノ冥神》のほかに、以下を検討していました。
《カルテシア》《クエム》が出しやすい☆4チューナーであることから、《破壊蛮竜》をシンクロ召喚し、《アルバス》《黒衣竜》と相手のモンスターすべてを合わせて《レナトゥス》にしてしまうプランです。
当然ながら必要な枚数があまりにも多く、初見殺し以上の破壊力もなかったため一瞬でボツになりました。一度【ダイノルフィア】の最大盤面を壊滅させたのだけ評価できます。
2023/4(6月にヘルホーンド実装)
4月パックではついに烙印新規が途切れてしまい、寂しい思いをしました。
後々考えることになるギミックとして【キマイラ】系統が登場しましたが、これは後述します。
さて、環境に話を戻すと依然として【ピュアリィ】への対策に苦心する中、ある方のツイートが目に留まりました。
以後幾度ともなくお世話になる「クソプラン商人」ことかをぽっぽ(@chaos_jar )さんとの邂逅の瞬間です。
ここから着想し、《ゲニウス》で動きを封じながら《Bloo-D》の着地まで何とかならないかなぁと意見を募集しました。
様々な意見をいただいたうえで、捕食ギミックが非常に有望であるという結論に至りました。
とっかかりは《Bloo-D》でしたが、《ゲニウス》で動きを封じているのであれば《スターヴヴェノム》で戦闘破壊しに行くのも択であるため、結果として捕食ギミックのみのコンパクトなパッケージになり、それが《影依融合》から(つまるところ《カルテシア》から)再現性のある動きとして担保できる非常に効果的なプランとなりました。
以上の知見を踏まえてカスタマイズしたデッキが以下です。
依然として先攻プランは《影依の偽典》頼りですが、後攻プランの《影依融合》が非常に強力になっています。
特に戦績が振るわなかった対【ピュアリィ】でも、幾度となくプランが機能してくれました。
また、《失烙印》の強さに気が付いたのもこの辺りです。
2023/1から《烙印融合》へのアクセス手段兼誘発として《サロニール》は採用していましたが、4枚目以降の《サロニール》として、《ルベリオン》の採用を検討し始めていました。
ただし、《ルベリオン》を採用する際には、烙印永続魔法罠のどれかを採用しないとメリットを享受しきれているとは言えません。
【P.U.N.K.60GS】を握った経験から真っ先に思い至ったのは《復烙印》でしたが、このデッキではそこまで除外/ビーステッドを多用しないため、ボツとなりました。
そうなると次に使われていたのは《烙印の獣》であり、これは後手まくりの手数にも先攻の妨害にも数えられるため一見良さそうに思えました。
しかし素引きの際のあまりのゴミっぷりから採用を断念。60でこれなので40烙印の皆様に至っては日々どれほどのストレスを感じてらっしゃるのか…
3つ目に検討したのが《失烙印》です。
融合デッキであることから相性は良さそうに見えましたが、結局素引きゴミだろうなぁ、と思いながら一旦採用としてみました。
結果、《失烙印》はこのデッキにどハマりしました。
《アルベル》1枚初動から《ルベリオン》を噛ませた時に貼り、かつ追加の融合手段があれば莫大なアドバンテージを稼いでくれます。
後手では貼るだけで相手に除去を強要でき、除去されない場合は相手の妨害手段を大きく制限できました。
この型で悲願だったCS優勝を達成でき、更にモチベが上がっていきました。
この時点でのデッキ解説はこんな感じです。
採用カードの役割等、簡単に説明しています。
さて、2023/6発売のアニクロにて、面白い融合モンスターが実装されました。
きっかけはいつものごとく友人(@nobunobuwowo )とのラインから
詳しくは別記事で紹介しているため割愛しますが、もともとサイド後プランの里ミドラが決まった試合で負けたことがほぼなかったため積極的に採用し、サイド後先攻での捲り札をほぼシャットアウトできるようになりました。
更に余談ですが、この時期に英語版に目覚め、デッキパーツのほとんどを英語版でそろえてしまいました。
《ミラジェイド》にスターライトレアが存在すると知らなければこんなことにはならなかったのに…
2023/7
ここでのリミットレギュレーションでは《フェンリル》が禁止に、《天底》が完全解除されました。
眼の上のたんこぶだった【クシャトリラ】が実質機能不全に陥ったことで、このデッキの立ち位置は相対的に向上しています。
また、《天底》の完全解除に伴い、これまでプランとして考えてこなかった《ナイトメア》ロックと明確に向き合うこととなりました。
《ナイトメア》ロックについても別記事で言及しているため詳細は割愛しますが、《天底》1枚初動で相手にほぼ何もさせないロックを成立させられるのは流石に魅力的でした。しかも、このデッキにおいての《天底》は最高の《G》の止まりどころにもなり得ます。
これらの発想から、メインデッキに《マクシムス》《ナイトメア》というゴミ札を受け入れ、大会に持ち込むに至りました。
これまでの、そしてこれからのプランでも然りですが、新しいプランを大会に持ち込むのは勇気がいるものです。特にこのデッキは先駆者がほぼおらず、何が正しいのかの道しるべがありません。
更に、《ナイトメア》ロックは、このデッキの根幹であった「ルークミドラで相手を制圧したい」という思想を破壊するプランであるとすら感じていたため、採用はかなり迷った思い出があります。
結果的にはルークミドラと共存することとなり、継続的に採用を続けるプランに落ち着きましたが、「デッキのコンセプトを壊しかねない選択をする」という経験は自分のデッキビルドにとって間違いなく大きなものになったと感じています。
さて、【ピュアリィ】へのプランを固めた話は先述しましたが、ここで環境的に分布を増やしていた【神碑】への対策を考える必要がありました。
サイド後先攻では《ヘルホーンド》プランによって完封できるものの、3本目のET/EDでどうしても《ムニン》にしてやられてしまう…
《副葬》ギミックの派生から《トリヴィカルマ》→《ハートビーツ》も考えましたが、短期決戦であるET/EDで永続や《泉》を1枚ぽっちはがしたところで大勢が決まるものではなく、決め手に欠ける印象でした。
ギミック内でET/EDに強いカードを勘案したところ、《マスカレイド》が結論となりました。
【神碑】使いはET/EDで1撃や2撃受け入れたうえで、《ムニン》で回復して勝利することを狙う印象がありました。ライフはリソース。
そのゲームプランを《マスカレイド》着地によって完全に狂わせることができ、勝率向上に大きく寄与したと感じています。
【神碑】対策も踏まえて、この環境の終盤は以下のような形となりました。
サイドカードの選定基準もほぼ言語化できており、引いて強いカードを入れるよりもギミック単位で戦い方を切り替える、が基本的な思想として確立しつつあります。
2023/10
ここまで、《三戦の号》は非常に悩ましいカードでした。
後手ではほぼ《隣の芝刈り》と同一視でき非常に強力なカードである反面、先手での役割にあまりにも乏しいためです。
先手で《三戦の号》から伏せるカードの候補としてここまで上がってきたのは以下です。
《無限泡影》…丸いが、単体であまりにも弱い
《烙印凶鳴》…《ミドラーシュ》との相性は無類だが、融合に成功している前提
《分かつ烙印》…特に《ナイトメア》ロックを採用して以降はキーカードだが、融合モンスターがいる前提
《赫ける王の烙印》…先手札として最強クラスだが、《アルバス》融合がいる前提
となっており、弱いor融合前提であるところが懸念点でした。
特にこのデッキが一番食らいたくない誘発が《烙印融合》への《うらら》であるのにもかかわらず、そのシチュエーションで伏せても効力を発揮しないことが多いカードを採用するのも違うなぁと感じていました。
その中で、【烙印】有識者のぜっけい(@sa_zetsuei )さんがCSで使用されていた《融合複製》が当該シチュエーションでほぼ完全な《うらら》ケアになることに気づき、10か月前の己の浅はかさが身に染みることとなりました。
ということでその翌日、メインに《三戦の号》《融合複製》を採用した型でCSに出場し、その中でも《三戦の号》が大活躍してまさかの優勝を成し遂げることができました。
この日を皮切りに、デッキパワーは一段階上がったと言って差し支えないと思います。
この時に出した、ギミック/プランをまとめたnoteは以下です。(適宜加筆してます!)よろしければご一読ください。
2024/1 (アギド/ケルベク禁止)
制限改訂では《アギド》《ケルベク》が禁止となり、このデッキのサブエンジンを失う形となりました。毎年1月になにか失ってんなこいつな。
環境では【炎王スネークアイ】がTier1となり環境を席巻し始めていました。
それに対して《エリアル》が刺さりそうだなーメイン採用するかぁとボーッとアキバのカドショ巡りを画策していた矢先、1通のディスコード通知が鳴ります。
この世すべての【炎スネ】を滅ぼした《カオス・ネフティス》が、産声を上げた瞬間でした。
こちらもプラン単位で別途解説しているため詳細な説明は割愛しますが、こいつにアクセスできた瞬間【炎王】はギミックが否定される、と書いてあります。
このカードのおかげでこの期の対【炎王スネークアイ】はマッチ勝率85%、最後には8連続スト勝ちすることができました。CS優勝や店舗予選の早期勝ち抜けにも大きく寄与してくれたと思っています。
こいつの活躍を報告する度草生やしてくれたかをぽさんありがとう。
さて、2024/1で実装された《幻惑の見習い魔術師》ですが、
これは完全に【キマイラ】の新規であり、疑似的な一枚初動という役割を持っていました。
融合召喚を扱う【キマイラ】は【60融合GS】のギミックとしても有望でしたが、初動の少なさとG受けの観点からこれまで忌避していました。
しかし、《幻惑の見習い魔術師》とコスト1枚から《スプリガンズ・キット》のサーチと《幻獣魔王バフォメット》の着地までいくことに気づき、前向きに検討していくことにしました。
《幻獣魔王バフォメット》は獣族/悪魔族/幻想魔族を落とせるため、
以下がギミックとして噛み合いそうでした。
《鉄獣戦線キット》…《メルクーリエ》を落としてビステの餌にできる
《影依の炎核 ヴォイド》…シャドールネームであり、ワンチャンス作れる
《超魔神イド》…《ナイトメア》の代替となる
《原罪のディアベルゼ》…《墓穴》をケアできる
これら採用検討の結果から、【キマイラ】側の1枚初動+《アルバス》or《カルテシア》or《沼地》orビーステッドを持っている、という比較的緩い条件で前盤面を形成しながら《烙印融合》にアクセスできる、ということがわかり、《アルベル》が持っていた役割を【キマイラ】側のギミックに任せるようなイメージでデッキを作成していきました。
《白の烙印》は展開次第で楽にアクセスしながら盤面を伸ばせる札です。
また、《烙印融合》側からも《ガゼル》素材の《リンドブルム》を作ることでキマイラ側のギミックにサイクルできるのはこのデッキのおしゃれなポイントでした。
反面、メインギミックを2種類に増やしたことで事故率が上がり、誘発受けが悪くなっているのもまた事実です。それでも試してみないことには始まらない!とCSに持ち込んでみました。
結果は1-3。
《陰の光》採用型に続き、痛い目を見ることになりました。
噛み合いの側面もあったと考えているため、こちらの型も継続して考え続けてはいます。革命的な新規が来たら擦りはじめるかもしれません。幻想魔族気炎対応しろ
話をもとの型の【60融合GS】に戻すと、《ファントム・オブ・ユベル》の登場は、このデッキに搭載しうるギミック選択肢の増加を意味していました。
《ナイトメア・スローン》からスタートすることで天敵である《灰流うらら》を食らわずに《烙印融合》を通しに行けます。
懸念点は《G》に非常に弱いことであるため、《天底》との選択になりそうだな、というのが僕の評価でした。
とて、実際に回してみないことには使用感はわかりません。
一方で、《ファントムユベル》発売日の翌日はYACSであり、十分な調整ができていない状況でした。公認で試すわけにもいかず、調整しようにも仕事が忙しい…
であればリモートしか択がないな、ということで友人のムラキ(@MURAKI2000 )を召喚。
調整の結果、《G》に弱いという欠点は変わらずあるものの全体としての使用感は悪くなく、搭載してYACSに出ることを決定。
結果は5-1でベスト6と上々でした。
余談ですがこのあたりから【天盃龍】メタとして《軒轅の相剣師》をサイド採用しています。
いつものごとくクソプラン商人様のツイートより着想を得ています。
【天盃龍】に《アトラクター》を投げられた場合に《リンドブルム》《軒轅》と構えることでライフを守るプランです。
《神炎竜》→《ミドラーシュ》でも耐えはするものの、《無限泡影》で完全に無力化されてしまうことからこちらのプラン採用に至りました。
《軒轅》は対【天盃龍】を抜きにしても、
・《ミドラーシュ》を守れる
・《クエム》が破壊されてしまった後の数少ない蘇生手段
であることから、メイン採用すら視野に入るカードでもあります。
そして、この頃にHIGH-RESOLUTION ARTWORK SERIESのカルテシアが届き、あまりの美しさに語彙を失いました。
カードが取り外せそうであれば3つ購入が必要となり命の危険がありましたが、しっかりと接着してくださっていたおかげで観賞用のみで済みました。KONAMIさん本当にありがとう。
2024/4
4月パックにて【白き森】が登場し、このデッキにおいては《アステーリャ》がかなり有望な新規であると結論づきました。
コストは重いものの、《カルテシア》《クエム》に触れるモンスターということで、このデッキにおいても使い道があるのでは、とワクワクしながら考察をしてみました。
まず、《神炎竜》のコストに反応する、というところから着想し、《烙印融合》からスタートした場合に《カルテシア》に触れる札であるという立ち位置を見つけることができました。
考察を深くしていく中で、《黒衣竜》のコストとしてデッキから落とした場合にも《アステーリャ》の墓地効果が反応することに気づき、
それならばと既存の召喚権と競合するかどうかを考えてみました。
このデッキで召喚権を使用するのはおおむね《カルテシア》《アルベル》の2択です。
最初に、カルテシアの考察。
《グランギニョル》によって《黒衣竜》にアクセス可能であるため、
そこから《アステーリャ》→《クエム》とつなげれば《烙印融合》を拾うことができます。
次は《アルベル》の考察。
普通に《アルベル》→《烙印融合》とした場合、展開に《アステーリャ》を絡めることができないと判断し、《気炎》サーチからどうつなげられるかを考えました。
結果、問題なく《烙印融合》にアクセスでき、その後のリソースも伸びています。
これは《気炎》+《アステーリャ》のあわせもちでもほぼ同じことができることを意味しており、展開パーツとしてはかなり良い立ち位置であると言えます。
更に、《白の聖女エクレシア》もリクルート対応していることから、疑似的に《アルバスの落胤》になることすらできます。
《クエム》からもほぼ同じことができるので《白の聖女エクレシア》を採用する理由としては少し弱いですが、覚えておいてもよさそうです。
ただし、冒頭で述べた通りコストの重さはやはり気がかりです。
これを軽減するためのサブギミックは大まかに2通り考えられました。
既存ギミックの中ですが、以下です。
・副葬架け橋ギミック
・パッチワークギミック
どちらも魔法を手札に呼び込みつつ、手札の質を担保してくれるギミックです。
直近の大会がYCSJであったことから、後攻にも強くなるパッチワークギミックもかなり有望だったのですが、ギミック単位での好み(および後述する《光と闇の竜王》との相性)から副葬架け橋ギミックを採用しています。
同じく4月パックで登場した《光と闇の竜王》も、このデッキにおいて採用圏内のカードです。
融合素材として
闇…《烙印竜》《黒衣竜》《レナトゥス》
光…《神炎竜》《獣ルベリオン》
をターゲットでき、特に《黒衣竜》の存在から、《赫の烙印》《白の烙印》双方で出しやすいのはかなり評価できます。
また、上述の副葬架け橋ギミックで引っ張ってくる《レインボードラゴン》は光側の素材になれることから、《烙印劇城》とともに引っ張ってくることで融合条件を満たしやすくなります。
デッキにおいての役割は、
罠ビートに当たった場合に《赫の烙印》で出す制圧札、といったところです。
これらの新規を取り入れ、シングル戦であることも踏まえてYCSJの構築は以下のように固まりました。
終わった後で見返すと《マスカレイド》の不採用がめちゃくちゃ気になりますが、それ以外はいいレシピになったと思います。
YCSJでは以下の成績で、時限に泣かされた側面もありつつも悪くない結果ではあったと思っています。
構築の雑感は↓のような感じでした。
このフィードバックを受け、マッチ戦での構築は以下のように変更しています。
《ヴァレルロード・F・ドラゴン》に関しては、他の方やMDで【60融合GS】を握っている方が何人か試していたこと、また《アステーリャ》に合わせて《黒衣竜》を最大枚数採用するようになったことから試しで採用してみましたが、ミッドレンジゲームで器用に動けるモンスターであり、個人的にも評価が高そうなので継続採用となる見込みです。
この頃から、《竜の渓谷》《ヘルカイトプテラ》をメインに採用、サイドプランであった《ヘルホーンドザウルス》をエクストラにスライド、《烙印断罪》の2枚目を採用しています。
以下の思考プロセスで採用を決定しました。
①《アステーリャ》の影響により《黒衣竜》を墓地に送る行為の価値が大きくなったため、準初動であり《アステーリャ》のコストにもなる《竜の渓谷》を採用
②《黄金櫃》《融合派兵》の選択肢であり、《竜の渓谷》に自然に触ることができる《ヘルカイトプテラ》《ヘルホーンドザウルス》を採用
③《竜の渓谷》が残っていれば次ターンのリソースが確立されることから《烙印断罪》の2枚目を採用
結果として継戦能力がかなり上がり、また《白の烙印》の採用によってリソース管理がかなり楽になりました。
Vジャンプ付録として登場した《精霊コロゾ》は、待望のリンク召喚を可能にする融合モンスターであり、インスタントに《烙印竜アルビオン》を墓地に送ることができるようになりました。
特に《烙印融合》ほぼ1枚で展開する場合に、
《烙印融合》→《烙印竜》融合(《アルバス》+《カルテシア》)
《烙印竜》効果→《グランギニョル》融合(光or闇+《カルテシア》)
《コロゾ》特殊召喚(《烙印竜》+《グランギニョル》)
とすることで、《分かつ》+《ナイトメア》、もしくは《赫の烙印》+《影依の偽典》を構えることにつながります。
その上、持っている効果で、戦闘破壊から《ミドラーシュ》を守ることができ、Exの枠をひとつ割く価値は充分にあると言えます。
更に、6月のANIMATION CHRONICLEにて登場した《死霊公爵》は、【キマイラ軸60融合GS】に革命をもたらしました。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので是非ご一読いただければと思います。
結論、【キマイラ】ギミックから綺麗に【烙印】ギミックへとサイクルできるようになったことから、デッキ全体としての一貫性、安定性がかなり増したと評価しています。
こちらの構築で、初陣ながらCSベスト4を達成できました。
後手捲りに課題はあるものの、綺麗なデッキに仕上げることができたと自負しています。
2024/7
7月半ばに日本選手権があったため、環境に合わせ、デッキの構築をかなり練り挑みました。
7月弾前の構築の最終形です。
その経過と結果に関してはこちらのnoteにまとめておりますので、よければご一読ください。
こちらの構築でベスト32を勝ち取ることができ、上々の戦果だったと思っています。
さて、7月の新弾「RAGE OF THE ABYSS」で登場した【アザミナ】は罪宝ストーリーの新規融合テーマであり、一見【60融合GS】としても組み込みやすいように見えます。
ただし、使いたいモンスターは軒並みレベル6であり、《カルテシア》が素材になるのにも関わらず《カルテシア》の効果で融合できないという自己矛盾を抱えており、使い回しがいいとはとても言えませんでした。
#既存の融合手段でアザミナ融合モンスターを出せるのは《融合》《烙印竜》《神炎竜》のみ
そのため、《ディアベルスター》を実質的な《墓穴の指名者》として扱う、という観点での採用しか考えられないな、というのが初見での結論でした。
しかし罪宝関連のカードとしてどうしても烙印に絡められる選択肢が欲しくなってしまい、まず目をつけたのが《罪宝の囁き》です。
《ディアベルスター》《カルテシア》と持っている場合は、
①《ディアベルスター》SS、効果で《罪宝の囁き》をセット
②《カルテシア》通常召喚
③《カルテシア》効果で融合、《グランギニョル》融合召喚
④《グランギニョル》着地時効果で《烙印竜》墓地送り
⑤《烙印竜》墓地効果で《分かつ烙印》をセット
⑥相手ターンに《囁き》で《グランギニョル》を戻して《カルテシア》SS
⑦《カルテシア》効果で融合、《グランギニョル》融合召喚
⑧《グランギニョル》着地時効果で《ナイトメア》墓地送り
⑨《分かつ》効果で《ナイトメア》を相手場にSS
の手順で《ナイトメア》ロックを成立できます。
これは《ナイトメア》ロックに行く場合は1手数ですが、最初のターンに《影依の偽典》を構えに行く場合はもう1妨害賄える可能性がある(《カオス・ネフティス》とか)ことから、そちらの可能性も模索しています。
更に、罪宝の動きからどうにか《烙印融合》にたどり着けないかと模索し続けた結果、《原罪宝》のリクルート先として白羽の矢が立ったのがこいつです。
《フォンリー》をうまく破壊できれば《ビブリスプ》を墓地に送ることができ、そこから《オフリス》→《ダーリング》→《烙印融合》とアクセス可能です。
ただし肝心の破壊手段がなかなか思いつきませんでした。
罪宝からアクセスできるカードを模索する日々の中で、環境デッキの端っこに目を向けたところ、《炎王獣キリン》の存在から、炎王経由で《フォンリー》を破壊することを勘案し始めました。
最終的に、1週間かけて以下のルートに辿り着くことができました。
ただし、この動きをするために炎王、捕食関連のパーツも組み込む必要があり、あまりのゴミの多さと誘発受けの悪さからそこまでの採用は保留しています。
《ルシエラーゴ》経由で《罪宝の囁き》にアクセスしつつ《シルヴィア》を立てるルートがあることから、現状のレシピは以下としています。
また、ルート策定の結果、キマイラ軸における罪宝ギミックの追加は【烙印】⇄【キマイラ】のサイクルが太くなることを意味していました。
《ルシエラーゴ》が《カルテシア》と《ミラーソード》を素材として《烙印竜》の融合効果により出すことができ、更に《罪宝の囁き》のサーチまで行えることから、相互のサイクルを担ってくれます。
これに目をつけ、《ディアベルスター》とともに【罪宝】のギミックをキマイラ軸に取り込んだ形がこちらです。
特に大きいのが《カルテシア》に召喚権を割いた上でキマイラギミックにアクセスしつつ、最終盤面に《ミドラーシュ》を置くことができるようになった点です。
9月中旬の"白の物語"で実装される新規カード《白の枢機竜》は、このデッキの継戦力上昇につながる選択肢となりました。
このデッキの弱点は、テーマ混合ゆえの、ミッドレンジゲームになった際の息切れの速さでした。しかし、中盤戦でティアラメンツモンスター(もしくは《神炎竜》)を用いてこいつを融合召喚するだけで好きなリソース(おもにエクストラデッキ)を回復しながら戦い続けることが可能となります。
また、融合素材の重さに見合う攻撃力および全体攻撃効果をしているため、これまで打点がネックで突破できなかった相手の盤面を崩す助けにもなり、エクストラデッキの選択肢として覚えておきたい存在です。
実装発表後3分間はあまりのエモさに放心状態でしたが、4分めに素材の真の意味に気づき死ぬほどテンションが上がってました。
《白の枢機竜》および(せっかくなので)絵違い4種を採用したレシピは以下です。
2024/10(ドラグーン釈放)
ここでの制限改訂内容は融合GSにとって非常に優しいものになりました。
デッキそのものに影響を与える緩和は以下の3点です。
《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》【禁止→制限】
《封印の黄金櫃》【制限→準制限】
《烙印開幕》【制限→準制限】
魔法カード2種は単純に初動が太くなることを、《ドラグーン》の緩和はデッキとして戦う選択肢の増加を意味しています。
第一に、《烙印融合》から《心眼の女神》もしくは《ブラック・マジシャン》を絡めることで単純に《ドラグーン》を出力することが可能です。
第二に、《表裏一体》を用いて《グランギニョル》を《ドラグーン》に変換することで、その後に打つ《烙印融合》への《うらら》をケアすることができるほか、打たれがちな《グランギニョル》への《無限泡影》《ヴェーラー》をも同時にケアすることができます。
ただし、《表裏一体》はあくまで上振れ札であり、《カルテシア》《グランギニョル》にアクセスできない場合は事故札相当であることは留意しておかなくてはなりません。そのため採用枚数は(《ドラグーン》を採用する場合であっても)0-3枚のどれもが取りうる択です。
以上を踏まえて、レシピは以下のようになりました。
環境的には完全に逆風で、【ライゼオル】が立ててくる《深淵に潜む者》がクリティカルになる他、ほぼ全てのデッキでサイドインしている《次元障壁》に抗う術がほぼありません。前者に対抗するために《禁じられた一滴》《エクシーズ・オーバーディレイ》をサイド採用せざるを得ず(《ノーデン》が生きててくれたら《超融合》でよかった)、ギミックでまくるという方針が歪んでしまっています。また、後者の内《三戦の号》→《次元障壁》が完全な負け択になってしまうことから、サイド後の誘発は《増殖するG》ですら抜けうる事態になってしまいました。
ただし、やはりと言うべきか《ドラグーン》は非常に強く、《深淵に潜む者》を着地された後でも唯一ゲームすることが可能なカードです。破壊バーン効果を使うためにも《ブラック・マジシャン》は是非採用したいところです。
《ブラック・マジシャン》は《烙印融合》で落とす他にも《グランギニョル》《融合派兵》でアクセス可能です。特に《グランギニョル》は《深淵》下でほぼ仕事ができなくなるため、有用な選択肢として覚えておくべきです。
10月の新弾では、【アザミナ】の新カード《白き森の聖徒リゼット》が収録され、主にキマイラ軸における新たな選択肢になってくれました。
自己特殊召喚ができるため召喚権渋滞の原因にならず、既存の採用カードでは主に《グランギニョル》と合わせて《シルヴィア》《ルシエラーゴ》になってくれます。
また、《白き森のリゼット》が罪宝ギミックの初動になった点も見逃せません。
《白き森のリゼット》+魔法罠から《シルヴィア》《ルシエラーゴ》になれますが、このデッキにおいては《リゼット》→《アステーリャ》→《カルテシア》につながることから烙印ギミックの準初動にもなれることを意味しています。
これらが偉く、《リゼット》およびそのコストにもサーチ札にもなる《白き森のいいつたえ》を最大枚数採用することとしました。
これらを踏まえて、キマイラ軸のレシピは以下のようになりました。
また、《聖徒リゼット》により展開も伸び、《烙印融合》初動の展開は以下のようになっています。
おわりに
つらつらと書いていたら12000文字15000文字になってしまいました。
ここ2年間の自分の遊戯王人生そのものを綴った形となり少々恥ずかしいですが、もし面白い、役立つと思ってくださったら是非いいね、拡散、コメント等いただけると大変励みになります。
記事執筆自体は2024/5ですが、カードプールの増加や新プランの発見に伴い都度加筆していく予定です。
質問等あればこの記事のコメントでも、質問箱でも受け付けておりますので気軽にお願いします!
ではまた。
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