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日本人は弁当、中国人は火鍋

 中国人は自分たちを形容する時に、よく火鍋を用います。さまざまな個性を持つ人が火鍋の中に入り、みんな仲良く和気あいあいとやっている、といったニュアンスで。

 ただ、本当にさまざまな味の食材を一緒くたにすれば、お互いに殺し合うはずです。そうなることを防ぐため、まず真っ赤っ赤な火鍋スープで食材の持ち味を殺し、スープに馴染ませてしまいます。あの紅いスープの中では、どんな食材も麻辣な味しかしなくなります。それでいて美味しいのです。

 紅いスープで食べても美味しくない、もしくはどうしても馴染まないという一部の食材もあります。これらの食材のためには、写真の「鸳鸯锅」のように、小さなスペースが設けられています。トマトやトウガン、魚肉団子などのあっさりした、沿岸部の人が好みそうなものが多いです。

 もうお気づきのことかと思いますが、食材とは中国人のこと、紅いスープとは中国共産党のこと、「鸳鸯锅」とは「一国二制度」のことを指しています。

 さて、日本人を形容するには、弁当が最も適切だと考えています。小さな料理が細かく分けられ、味を殺し合わないよう細心の注意が払われています。バラバラに見えますが、これらの料理は「ご飯と食べてうまい」「ご飯に合う」という共通の原則を守らなければなりません。

 ただ私の中では、何がこのご飯に当たるのか、未だに判然としません。漠然たる社会の雰囲気か、誰かが決めたあいまいな常識か、正義といういかがわしい概念か、国益か政府か、それとも天皇か。「大義名分」と言えば、そのすべてに当てはまるでしょうか。日本の歴史を、もう少し勉強する必要があるかもしれません。ではまた。

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