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【フランス語学習】情熱に勝る上達の術はない(はず)

こんにちは。

私は2018年夏に、フランスに渡って来ました。
9月からの大学院入学が決まっていたので、学生ビザ(まずは期限1年)での入国です。

今日は、そこに至るまでのフランス語学習歴を書こうと思います。

出会いは社会人になってから

私がフランス語を勉強しようと決めたのは、社会人になってからです。
2012年に人生初の海外旅行でフランスに来て、知らない世界に肌で触れる楽しさ、発見の喜びを知りました。
同じ年の秋に、縁あって二度目のフランス旅行をし、パリの街を思い思いに歩きました。突飛なことですが、「これは、住みたい。ここに住むだろう」という気持ちが、湧いて来たと言うよりは、ほとんど降って来ました。
そして、「フランス語をマスターする」という決意とともに、帰国後すぐに語学学校の門を叩きました。それが出来る環境にあったことは幸運だったと思います。

ちなみに、ですが、私は中高、大学と外国語の学習自体は好きでしたが、実用できるレベルまで極めたものはなく、例えば英語はTOEICの自己最高点が700で、たぶん、英語圏でない国を旅行した時に何とか意思が伝えられるくらいです。
また、日本語(国語)は好きで、読書量は多く自分で書くこともしてきましたが、母国語の能力が外国語の上達にどれほど影響するのかは、研究されているかたや専門のかたに伺ってみたいことです。

ゼロから修士課程合格までの上達過程

フランス語を学ばれているかたには説明不要の内容ですが、レベルはDELF・DALFという「フランス国民教育省により交付される、無期限に有効な公式の資格」に基づいて記しています。6段階(A1・A2・B1・B2、C1・C2)あって、だいたいフランスの大学への正規留学ではB2が、大学院ではC1が求められることが多いです。

・2012年秋 語学学校にて学習開始。入門クラスでabcから
・2013年春~ 初級(A1)
・2014年春~ 中級(A2)
・2015年夏 パリの私立語学学校に超短期留学(B1)。夏季休暇と有休を利用して、一週間のみ
・2015年秋~ 中級(B1)
・2016年初春~ 上級(B2)
・2016年秋 DELF B2取得
・2017年春~ 上級(B2、C1)
・2017年秋 DALF C1取得
・2018年春 フランスの国立大学院・修士課程出願、合格

ゼロから始めて、修士課程に合格するレベルに到達するまでに5年半かかったことになります。大したスピードではありませんが、フランスとは一切関係のない仕事をフルタイムでしながらの学習者、私にとってはこれが最速でした。

学習方法は「楽しくガリ勉」

どのレベルの段階で何をした、という詳細を一つひとつ挙げていくと長くなりますし、そもそもあまり覚えていないこともあって、ここでは全期間を通して心掛けたこと、譲らなかったことをまとめておこうと思います。

1. フランス語でフランス語を学ぶ

まず、語学学校では全レベルにおいてフランス人の先生による、日本語を介さない講座を受けました。そこで使用されるテキストも、現地の語学学校で使われるフランス語のみで書かれたものです。
もちろん辞書は、仏和・和仏辞典を使わざるを得ませんが、ネイティブの先生に教わって出来る限りフランス語で理解する、ということを自分に強いました。

2. フランス語以外の外国語を封印する

一点目に加えて、 仕事以外の時間は可能な限りモードをフランス語にするよう努めました。授業や宿題以外でも、テレビやラジオ、音楽、映画、本、見るもの聞くもの読むもの全てをフランス語にして、英語はじめ他の外国語が入ってこないようにしました。
「複数の外国語を同時に学ぶと相乗効果が発生する」と聞いたこともあるのですが、私は頭の中が混乱する気がしたので強制シャットダウンしました。

日本で、また働きながらの勉強でしたから、どうしたって限界はありますが「フランス語漬け」を目指しました。始業前にカフェに寄ったり、休憩時間や電車の中で動詞の活用や単語をひたすら書いたり、ただ根性だけが備わったマシンのようになって、習ったことを確実に身に付けることを積み重ねました。

3. 求め過ぎない、急ぎ過ぎない

語学を勉強していると、「早く上達させたい、先に行きたい」という気持ちが強くなることがあると思います。私も学び始めた当初から、フランス語で本が読める日を、会話できる日を、ものが書けるようになる日を、ずっとずっと待っていました。でも、はやる気持ちを抑えて、身の丈に合っていないものに手を出してみるのでなく今のレベルで学ぶことが着実に自分のものになるように、復習を徹底することを意識しました。

番外 : 語学習得自体が目的ではなかったのが、良かったかも

私の場合は、フランス語が学校の教科であったわけでも、仕事で必要だったわけでもなく、「フランス語が出来ると役に立つ」と言われたこともなく、ただ自分が身に付けたくて学んでいました。理由が「好きだ」というだけだったことが、かえって良かったかもとも思います。

フランス語と出会う前から、フランス文学や映画は好きだったし、赤ワインやチーズにもパッションを感じていたので、そうした「好き」が一体となって、学習意欲を高めてくれたと感じます。
勉強だけでなく何でもそうかもしれませんが、辛いことを継続するのは難しいと思うから。


そんなわけで、情熱に勝る上達の術はない(はず)。

語学力に焦点を当てた今回の記事は、長くなりましたがもしお読みくださったかたがいらっしゃれば。ありがとうございます。