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1年間ニュースをまとめ続けたペンギンによる、2023年スタートアップニュースまとめ

あけましておめでとうございます🎍
世界No.1の偉大なプライバシーテックカンパニーを目指すAcompany広報のはまだ🐧です。

さて今回は、毎年恒例のスタートアップ1年間のニュースまとめをしていきます。

2023年の1年間で一体どのようなニュースがスタートアップ界隈で注目を集めたのか、振り返りにご一読ください。

※この記事は、はまだ🐧個人の独断と偏見によるものです。
※あくまでもスタートアップニュースまとめは事実を淡々とまとめたものであり、個人的な感想を極力省いています。

▼2022年バージョンはこちら

💡この記事の目的
- この1年間の激動トピックをニュースと共に振り返る

総括

  1. 生成AIを使用したプロダクトアップデートから市場形成まで

  2. 信託SOとは結局何だったのか

  3. クックパッドの大規模人員整理

  4. 大規模スタートアップ交流会の復活

  5. デットファイナンスが”一般化”した

  6. シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻

2023年のビックニュースは

2023年はどのような年だったでしょうか。毎年恒例の日経MJヒット商品番付によると、東の横綱は「生成AI(人工知能)」、西の横綱は「大谷翔平&ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」でした。
生成AIは2023年殿堂入りしたといっても過言ではないですね。2024年1月現在でも見ない日はありません。

ではスタートアップのトレンドはどうだったでしょうか。筆者独断と偏見でまとめると、6つです。

  1. 生成AIを使用したプロダクトアップデートから市場形成まで

  2. 信託SOとは結局何だったのか

  3. クックパッドの大規模人員整理

  4. 大規模スタートアップ交流会の復活

  5. デットファイナンスが”一般化”した

  6. シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻

①生成AIを使用したプロダクトアップデートから市場形成まで

2023年は生成AIの年だったといっても過言ではありません。生成AIとは「コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術」。ChatGPTなどツールも数多く生まれ、スタートアップに関連する人であれば、使わない日はないでしょう(使わないといけないの方が正しいかも)。

💡生成AIとは
コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術です。これまで人間が実施していた「考える」や「計画する」をAIが実行し、アイディアやコンテンツを生み出す

https://www.softbank.jp/biz/solutions/generative-ai/

では実際、生成AIに注目が集まってから今までどのような動きがあったのか見ていきましょう。

自社サービスに生成AIの組み入れを発表

当時よく見かけたという点でまず取り上げたいのは、自社サービスへの組み入れでしょうか。PRTIMESで検索すると、今では数多くヒットします。

そのほか、生成AI自体を研究し、プロダクトに活かすため事業部を立ち上げる動きも見られました。
例えば(いつも筆頭にあがりがちの)LayerXは、代表取締役CTOの松本氏を中心に、LLM Labsを立ち上げを発表。その後11月には事業部に昇格しました

福利厚生で生成AIツールを従業員へ無償提供

生成AIをどう日常業務に使い、効率化を目指すか。
スタートアップでは基本人が足りません。そのためか、組織への生成AIの受け入れがかなり迅速だったと記憶しています。
その象徴だったのが、生成ALの無償提供リリース。目立っていたのはGaudiyとミライブ。生成AI自体は無償で利用できるものの、GPT-4や新機能を使用できる「ChatGPT Plus」へ課金しないと、本質的に生成AIのすごさを体感できない。が、月額20ドルかかる…。下記2リリースはこの月額利用料を補助するというものでした。

”おもしろ枠”はMVVの作成

個人的に面白いなあと思ったのは、ChatGPTで50の企業のミッション、ビジョン、バリューをつくり、百科事典としてまとめたnote。
「ChatGPTは、ミッション・ビジョン・バリューもつくれるのだろうか?」という問いに応えるべく、トヨタのMVVやNewsPicksのMVVを作成しており、「おおこれはすごい」と当時浅い感想を抱いたことを記憶しています。
AIでクリエイティビティをすることが当たり前になった象徴ともいえるnoteでした。

と、生成AIたった一つで企業がさまざまな方向へ動いたことがお分かりになるかなと思います。今では、生成AIを使うこと自体が、このスタートアップ業界では当たり前になっています。

②信託SOとは結局何だったのか

国税庁の見解(税率約55%)

いままでなんとなく存在を認知していた「SO(ストックオプション)」。このSOが一気に注目を集める出来事が5月、ありました。

トリガーとなったのは5月26日の日本経済新聞の記事。その後、29日には「国税庁と経済産業省によるスタートアップの経営者や支援者のためのストックオプション税制説明会」が開かれました。

💡SO(ストックオプション)とは
将来の企業価値向上に応じたインセンティブかつ報酬として発行会社の役職員に対して、無償で発行される新株予約権(コールオプション)

https://soas.co.jp/20220130-2/

5月当時、SOに関する各有識者のコメントやnoteまとめが大量にXに溢れました。

その後、国税庁の見解(税率約55%)により、2017年9月に上場したPKSHA Technologyは、2023年9月期第3四半期決算で14億6600万円の特損を計上すると発表。上場後スタートアップへマイナスの影響が出ました。

副業人材もSO付与可能に

SOに関しては、規制緩和の動きも出てきました。
スタートアップの組織の特性である外部人材が副業として事業に関わることを踏まえ、正社員ではなくてもSOを付与できるようになりそうです。日本経済新聞の「ストックオプションの税優遇、年3600万円に上限引き上げ」によれば、政府・与党が、国内の税制適格ストックオプション(SO)に対して、未上場時の権利行使における「保管委託要件撤廃」、年間行使価格上限を1200万→3600万に引き上げ、社外人材への付与要件の緩和の3点を盛り込んだとのこと。これは、令和6年度税制改正大綱にも盛り込まれました。

今まで日本ではあまり議論されることがなかったSOが日の目を浴びたとも言えます。SmartHRの創業者であり、Nstockの代表を務める宮田氏を筆頭に、今日本でも市民権を獲得し始めたSO。スタートアップに関わる人ならば、少しは理解しておくべきトピックかもしれません。

SOの勉強になるNstockのブログ👇

(このテキストを書いていてSO理解浅いなと実感したので勉強します。。)

③クックパッドの大規模人員整理

日本を代表するメガベンチャーの1つ、クックパッド。同社の大規模人員整理のニュースは、スタートアップ業界に激震を走らせました。

このニュースは6月、クックパッドが発表した「人員削減の合理化及び営業損失の計上に関するお知らせ」。その中で、日本・海外で110人の退職勧奨・解雇を行ったとしました。同社は2023年、2月3月に希望退職者を募集し、約120人が4月までに退職していた状況での大規模人員整理となりました。

この発表以後、X(Twitter)がクックパッド一色へ。デザイナーやエンジニアを中心にXでの転職活動が行われました。

ちなみに、クックパッドに関しては、2012-16年まで代表を務めた穐田誉輝氏の半生をまとめた『ユーザーファースト  穐田誉輝とくふうカンパニー  食べログ、クックパッドを育てた男』が上梓され、再度注目を集めました。

④大規模スタートアップ交流会の復活

スタートアップに関連する大規模イベントを、この2023年はよくXで見るようになりました。
今まで”界隈のイベント感が強かった”IVSは招待制からチケット制に変更し、10,000人以上が来場。

日本経済新聞でも記事になるほど、注目されるイベントとなりました。

そのほか、大規模バーベキューだったり、職種ごとのリアル大規模イベント開催だったりと、まさにコロナ明けを象徴するイベントが各地でリアルで開催されている様子を伺うことができました。

一方でオンラインイベントも残っていることから、ここは並走していくのかなと思ったりそうでなかったり。2024年はより大規模イベントが加速するかもしれません。

⑤デットファイナンスが”一般化”した

ユニークな資金調達を行い、かつ巨額なものであればあるほど、スタートアップ界隈での注目度は上がります。
そういった点で見ていくと、CADDiのシリーズC118億円京都フュージョニアリングシリーズC105億円、そしてLayerXシリーズA102億円は「やはりすごいな」という感想を抱かざるを得ません。

一方で、2023年は従来スタートアップでよく見たエクイティファイナンス以外の資金調達方法もよくリリースで見るようになりました。例えば10Xのデットファイナンス15億円調達タイミーの130億円の調達などです。特にタイミーはデットファイナンスによる調達を2022年に引き続き行なっていることで注目を浴びました。特に2023年の130億円は、「借り入れ金利1%未満、無担保・無保証」でのコミットメントライン契約での調達ということもあり、スタートアップでありながら低金利での借り入れを実現したとメディアで高い評価を受けていました。

💡デットファイナンスとエクイティファイナンス
デットファイナンス:金融機関や投資家からお金を借り入れることで資金を調達する
エクイティファイナンス:株式を発行することで資金を調達する

https://j-net21.smrj.go.jp/qa/financial/Q0531.html

⑥シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻

シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻したのも、2023年でした。米国に進出するとなった場合、まず拠点設立候補で出てくるシリコンバレー。この場所の中核的地位を確立していた銀行の破綻ともあり、日本国内でもマイナスの波紋が広がったと記憶しています。

まとめ

2023年は、よりスタートアップが”一般化”した年だったのでは(とスタートアップバイアスがかかりつつも)と思える1年間でした。
日本経済新聞をはじめマスメディアでの取り上げ加速や、大企業からの人材の流入、そもそもスタートアップが企業としてのインパクトを増大させるなど、いろんなトピックがあったように思えます。

すでに年が明けた2024年は、スタートアップにとっていったいどのような年になるのか。
いちスタートアップの広報と、こそこそとスタートアップニュースをまとめるライターの二足草鞋を履くペンギン🐧としてウォッチしていきたいなと思います。

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2023年何があったのかをざっくり振り返り、2024年に真似できるところは真似していきましょ👇

ではでは🖐️

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