Photo by waraineko ワンナイト 14 寝癖 2021年6月11日 11:26 まるでどうでもいいとでもいうように、白いベッドに押し倒されてもなお、俺の顔を真っ直ぐに見つめる。いや、俺を見ているようでその奥の何かを見ているようだ。焦点の定まらない目に吸い込まれていくように、俺はそっと唇を近付けた。嫌がる素振りはない、けれど決して喜んでいるようにも見えない。彼女の真意をはかり損ねたまま短いキスをした。「私の気持ちなんてどうでもいいじゃない」俺の心を見透かしたように彼女がぽつりとそう言ってから、細い指が俺のネクタイを外した。 ダウンロード copy #毎日note #小説 #短編小説 #掌編小説 14 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート