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ドライヤーの音

ベッドに寝転びながら隣で長く伸びた髪を乾かす彼女を見る。

ショートヘアが好きな彼女に一度でいいから伸ばして欲しいと頼んだのは、この冷めた気持ちを信じたくなかったから。

マンネリという都合の良い言葉のせいにしてしまえば、乗り越えられるような気がしたから。

「なあ、別れようか?」

伸びた髪に投げ掛ける。

彼女がドライヤーのスイッチを切ると静寂が二人を包んだ。

「ん? 何か言った?」

「なんでもない」

「そう」

再びドライヤーの音がうるさく響いた。



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