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オンラインゲーム上の回線弱者に対する誹謗中傷への考察

はじめに

昨今は、自殺者も出たことから、インターネットで誹謗中傷に関してよく世間で騒がれています。自分も直近趣味のスマブラ界隈でちょっとした誹謗中傷があったので、その件を踏まえて、話そうかと思います。「ヒトはいじめをやめられない」という本を以前読んだことがあり、考え方の参考になるので、興味がある人は是非読んでほしいです。

集団利得を高めるための脳機能

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まず人間は社会性を持つ生き物であり、生存戦略上、集団を作ることで集団の利得を向上し、個人に還元していきます。そのような集団全体の利得を考えた時に、もっとも脅威になるものは何かというと、内部から集団を破壊してしまう人とされています。そのような人を、本書では、「フリーライダー」と呼ばれていて、要するに協力体制を取らない人間のことです。

例えば、学生時代に合唱コンクールで金賞を取りたいとクラスが一致団結しているときに、1人だけ全く歌わないもしくは音程が極度に離れているなど生徒がいた場合、どのように感じられるでしょうか?内心は、「あーこの人がいなかったらいいのになぁ」などと思ってしまうのが人間なのではないでしょうか。

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このような、集団からの排除機能こそが、いじめの本質であると主張されているのが、本書になります。

そして、集団に対する思いを強く持つ人ほど、対象となった人物に対する制裁行動(サンクション)は強くなる傾向にあると解説されています。例えば、本気で先ほどの例の場合、本気で金賞を取りたい強く思えば思うほど、全く協力してくれない人に対して強い苛立ちを覚えてたりします。

実体験:ネット回線が悪いと叩かれる


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直近、自分が受けた誹謗中傷の例としては、スマブラのオンラインプレイにおいて回線が悪い状態で参加していたことによるラグの発生が、対戦相手のストレスを生成する構造になっていたこともあり、「オンラインプレイをする場合は、回線が良くないと、全スマブラーが快適にプレイできないので、回線がよくない人は悪だ」という価値観を持つ人から、「こいつガイジ、死ね」といった表現での誹謗中傷がありました。

表現に問題があることは、一旦さておき、この場合、まず、自分がフリーライダーとして、要は、回線の良い環境でプレイをするといった協力体制がとれていなかったことが問題の一つとしてあります。その結果、スマブラという一つのコミュニティをより快適に楽しめるものにしたいという、「向社会性」、要は、もっとコミュニティをよくしたいという思いから、過度な制裁行動として、誹謗中傷が生まれたわけです。つまり、ここでは、自分がフリーライダーであり、相手が過度な制裁行動を行ったと捉えられます。

そう考えると、どちらかが一方的に悪いというわけではないことも、理解しやすくなります。このように、その人なりの正義があるが故に、それを逸脱した行為又は状況があった場合、それが悪だと相対的に続けて攻撃の対象となるのは、自然な行為であり、日常生活の至る所で起きることなので、今後、何か人間関係上で問題が起こった時に、自分が、フリーライダーになっていないか?または、過度な制裁行動をしていまっていないか?を、振り返るきっかけになればと思います。

まとめ

ということで、いじめや誹謗中傷がなくならない理由に対する、一つの解釈として、人間の生存戦略上身についた、集団からの排除機能という認識と、フリーライダーの存在、及び、実体験に基づく制裁行動の例について紹介しました。わりと、本の紹介みたいになりましたが、日常生活で人間関係上問題が起きた時に、振り返る参考になればと思います。

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