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茨城県教員採用試験を終えて #3

こんにちは。大変ご無沙汰しております。ねぎとろです。
最後の更新が教育実習前だったのですが、実習のことはまたあとでにして。

8月20日(土)、21日(日)の日程で、茨城県教員採用試験の2次試験があり、これで今年度の茨城県教員採用試験の全日程が終了しました。
この投稿では、来年度以降試験を受ける方に向けて、(また私の備忘録として)今年度の茨城県教員採用試験の内容と所感を残しておきたいと思います。

他県の体験記はこちらから↓

(2022.11.8追記)2次試験の追試験が終了しましたので、小論文と模擬授業について内容を追記しました。

1次試験

1次試験は6月26日(日)に実施されました。
科目は「教職専門」(30分)と、「専門教科」(90分)で、どちらもマークシート式での実施。教職専門は20問で100点、専門教科は300点満点で、私が受けた高校数学は30問の出題でした。

教職専門

全ての校種・職種で同一問題で、大問は3つ。教育心理・教育史からの出題はありませんでした。
第1問は教育法規から、条文の穴埋め問題。10問すべてが別の法令から出題されており、また単純計算で5割の配点があることから、教育法規の重要性がうかがえます。
第2問は教育時事。今年は2021年1月の中教審答申「令和の日本型学校教育」からの出題でした。小問数は8つで、こちらもかなり大きな配点があります。うち6問は総論の穴埋め、残り2問は「小中学校の特別支援学級」についてと、GIGAスクール構想についてが出題されました。
第3問はローカル問題。2022年4月に策定された「令和4年度 学校教育指導方針」からの出題です。このうち「学校教育推進の柱」「学校段階間を円滑に接続する教育活動の推進」から1問ずつの出題でした。

感覚としては、選択肢があったこともあり、難しすぎはしなかったと感じています。教育法規は、範囲が広く覚えづらいため、繰り返しの学習が必要だと感じます。茨城県の受験を考える際は、教職専門の半分は教育法規ですから、特に力を入れて取り組みたいものです。
また、教育時事についてもアンテナを張り巡らせておきましょう。特に新学習指導要領の考え方や、それに関する中教審答申に触れておくことは、2次試験を見据えた対策にもつながります。
茨城県では、ローカル問題の比重は重くないですが、こちらもよく読んでおくことで、自治体の理解につながります。自治体を理解しておくと、やはり2次試験につながります。(2次試験については後述します)

専門教科(高校数学)

大問6つ、小問は30あります。とにかく問題量が多いですね。
私の場合ですが、対策を兼ねて、直前の金土で特に問題量が多いといわれた今年(2022)の共通テストを解きました。さすがにこの共通テストよりは時間的余裕はありました(笑)

第1問は「高等学校学習指導要領」(解説含む)から5問。数学全体の目標、数学Ⅲの目標、数学Ⅰの「内容の取扱い」、「数学的活動」について、数学における言語活動について、から出題されました。かなり幅広く出題されていた印象です(福島は数学全体の目標と育成を目指す資質・能力のみ、栃木は専門教科での学習指導要領の出題がありませんでした)。

第2問以降は、高校数学の内容から幅広く出題されました。大問ごとに分野別に…とか、科目ごとに…なんてことはなく、「数と式」「関数」「図形」「データの活用」からごちゃまぜ。しいて言うなら、第5問が統計、確率、データの分析と、「データの活用」の分野でまとまっていたくらい。第6問では、大学数学の内容が1問出題されることが恒例なようで、今年は3次正方行列の行列式が出ました(過去には、変数分離型の微分方程式や、固有値・固有ベクトルなども出題されていたようです)。

"8割取れれば"ともいわれる教員採用試験。8割とは言わずとも、200点(67%)は目標にしたいものです。記述式の試験とは異なり、三振かホームランですから、計算にも注意を払いましょう。難易度的にも教科書の節末・章末問題~共通テストレベルなので、他県で記述式の試験がある場合は記述式の対策に力を入れつつ、教採過去問や共通テスト・センター試験の過去問も使いながら、マーク式への対策も行うといいかもしれません。(書いていて思いましたが、大学入試みたいですね…笑)

1次試験合格発表

今年の発表は7月20日(水)、1次試験から24日後、2次試験の1か月前でした。発表から2次試験まで時間があると、自治体の対策に使える時間も長くなりますね。
さて、わざわざ合格発表を項目立てたのには理由があります。それは、茨城県では、1次試験を通過すると、「自己アピール文」と「自己申告書」を、事前に提出する必要があるからです。

それぞれの用紙は1次試験の結果通知書とともに郵送されてきます。「自己アピール文」は、自分の長所、教諭としての適性等を、600字以上800字以内で書くというもの。題名をつける欄まで用意されています。
「自己申告書」については、「教員としての素養」、「社会人としての素養」など、11ある評価項目ごとに4段階で評価するもの。このうち3つは、ICT活用に関する評価項目でした。また、自己申告書の用紙下部には、自己アピール文の要約を記入する欄があります。
この2点については、指定された期日までに郵送で送らなければなりません。今年は8月12日(金)の午後5時が期限で、普通郵便で送ろうとすると遅くとも9日(火)の夕方までに差し出す必要がありました(11日が祝日であり、届くのに中2日かかるため。平日であれば中1日で届きますが、土日祝を挟む場合は注意が必要です)。

2次試験

2次試験は、8月19日(金)~21日(日)にかけて実施されました。19日は中高受験者のうち、実技教科の実技試験と、英語の口述試験のみ。20日は小論文と集団討論、21日は個人面接が行われました。なお、中学校受験者は個人面接も20日に行われています。

小論文

校種で統一の課題に取り組みます。高校と特支は90分200点、それ以外は60分160点です。

高校教諭の小論文は、例年課題文が提示され、それに関連して小論文を展開していくスタイル。今年もその傾向は維持されました。
今年は、2つの文章が提示され(出典は同一)、それぞれに1か所ずつ下線が引かれていました。そして、その2つに関連する、あなたが取り組みたい実践を書きなさい、というもの。
下線の内容は「学校で学んだことが実社会で役立つということを生徒が認識する必要がある」「各教科における探究的な学びの増量」の2つ。文章全体が、福島県広野町にあるふたば未来学園高校の総合探究の取り組みについて書かれたもので、「生きる力」、「探究的な学び」などを中心に据えて書くのがいいのかなと。

集団討論

1グループ10名以内で、50分で行われます。配点は各校種120点。
時間帯が3つに分けられ、私は最終3番目の組でした。そのため、小論文終了(10:10)から集団討論の集合(13:35)まで3時間暇を持て余すことに。幸い高校の受験会場は水戸駅に近く、水戸駅でス○バに行ったり、昼食をとったりすることができました。
流れとしては、

  • 入室

  • 本人確認(写真照合)

  • 順番に自己紹介・アイスブレイク(面接官にもよるかもしれませんが、私の部屋では同じグループで集団討論を行う受験者に応援メッセージをお願いしますと言われました)

  • お題の発表

  • 3分間で構想

  • 1人1回挙手制で発表(各人1分程度)

  • 自由に討論(約30分)

という感じです。構想の発表までで約20分を要したため、主要の討論は残り時間で、といった形ですが、多少の前後はあれど変わらないのではないかと思います。
お題ですが、用紙を見るに時間帯ごとに異なるお題が課せられているものと思われます。私たちのお題はこちら。

茨城県に初の県域放送のテレビ局が開局することになりました。このテレビ局では、平日1日に朝夕2回、各15分の情報番組を編成することになり、その企画案を募集しています。企画案を提案してください。

※お題の用紙は回収されているため、文章を完全に復元はできていません。
お題の趣旨はこんな感じでした。

教員採用試験の集団討論あるあるなのか、結論を出すことはせず、そのため結論を発表する時間もありません。また、役割が振られるわけでもないので、受験者同士が自由な形式で討論します。
お題についてですが、前提として茨城県にはいわゆる民放のローカル局が関東では唯一存在しない県であり、2022年現在開局予定はありません。"架空"の設定ではありますが、県内の魅力を県内向けに発信するような企画を考えようという趣旨のお題だったと感じます。

個人面接

個人面接は、面接官3人、時間は約20分でした。配点は最も大きい240点。
前日の小論文の試験終了後に日程が掲示され、自分が何時に面接かを知ることができます。私は10時からという、早すぎず遅すぎずラッキー(?)でした。
面接の流れとしては、

  • 入室

  • 本人確認(受験番号・氏名等を口述、写真照合)

  • 志望理由と自己アピールを、事前提出の書類に沿いながら3分以内で

    • 志望理由・自己アピールに関する追質問

  • 模擬授業(構想含めて5分以内)

    • 模擬授業に関して追質問

  • その他の質問

  • 終了・退室

という感じです。なお、模擬授業があるのは高校のみで、それ以外は場面指導があるようです。
以下、質問内容をできるだけ時系列順に残したいと思います。

  • 教科、受験番号、氏名

  • 志望理由と自己アピールを、事前提出の書類に沿いながら3分以内で

  • 自己アピール文、自己申告書について

    • 「対人関係力」、「ICTを活用した授業」の自己評価の理由

    • 自己アピール文で「~~な教育をしたい」とあったが、具体的にどうするか

  • 模擬授業(構想を含めて5分以内)

    • テーマ:「数学界に功績を遺した偉人を1人挙げ、生徒に授業しなさい。」

  • 模擬授業に関する追質問

    • 今の模擬授業で意識したことは何か

    • 実際に教壇に立ったとき、どのようなことに気を付けるか

    • 学生さんだと思うが、教壇に1人で立つにあたって心配なことは

    • 「算数・数学が嫌い」という生徒が増えているが、その要因は何だと考えるか、またそのような生徒に対してどのような手立てを行うか

  • その他の質問

    • コンプライアンス遵守についてどう考えるか

    • 生徒とコミュニケーションをとるときに心がけていることは

    • 茨城県を志望した理由は

    • 採用は県下一円での採用となるが、大丈夫か

終わりに ―2次試験直後の今、思うこと

いかがだったでしょうか。2023年以降に受験される方の参考になれば幸いです。

さて、実は、2次試験に向けて何か特別な対策をしたかと言われると、しないまま当日を迎えてしまいました。
集団討論については、福島の2次試験では実施されないこと、配点が低いこと、実際に練習する機会がないこと、などが理由です。ほぼ言い訳ですね。ただ、その分YouTubeやSNSなどで勉強をしていました。
面接については、実は教育実習の直前まで一般企業の就活をしており、最終面接まで行ったのに落とされた―という経験もしています。そのときの経験から、聞かれそうな質問に対する回答をふわっと用意していき、練習はしませんでした。実際教採でも無駄に緊張せずできました。(もちろん、一般企業の1次面接なんかはガチガチでしたけど汗)
回答をガチガチに用意、暗記して臨む人もいるかもしれませんが、あまりおすすめしません。どこかで間違えたり、ツッコミを入れられたときに受身が取れなくなるからです。あくまで自分の言葉で、自分の考えや思いを伝えられるように練習すべきだと、一般企業の面接で学んだことが生きたかなとは思います。
小論文ですが、これは1次試験のパートでも書きましたが、教育に関する最新の動向に注意することに力を入れました。小論文のテーマが最も時事性を取り込みやすいものだと感じていたからです。最新の動向について知り、自分なりに意見をまとめると同時に、SNSで発信されている先輩の先生方の教育全体に対する考え方(特に生徒指導に関するもの)を学んでいました。ただ、さすがに福島の試験の前には練習します…。

本命の福島県の1次合格発表を前に、勢いだけで5,000字書いていました。実は明日発表があると同時に、怠慢で延期していた3回目のワクチン接種を受けるため、明日23日~24日にかけてダウンしている可能性があります…。できるだけ早く、教育実習での学びや気づきに関してまとめたいと思いますので、その際はまたぜひお付き合いください。
(2022/09/14追記)先にも書きましたが、福島県も無事1次試験を通過し、先日2次試験を受験してきました。その体験記も書きたいと思います。

Monday, 2022/08/22
追記 Wednesday, 2022/09/14

カバー画像について: 水戸駅北口を西側バス乗り場付近から臨む。2022年8月20日夜、iPhoneで撮影。

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