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Encourage #5 「相関」

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。

初冬の朝、東の空に雲がざわついている。その雲から自分の人生はどのように見えるだろう?

彼これ今まで色んな人々を垣間見てきたが、我慢してるという自覚がないまま限界を超えて耐えている方々が、どうもその病気になりやすい傾向にある。
優しさだったり、自分に妥協しなかったり、ストレスに耐えてしまって孤立する。そのような方が多い。

それで眠れなく奇妙な物や影、人の動きを幻覚として見る。或いは声や音、話し声の間に耐えがたい謗りを受け幻聴に恐怖する。その現象が頭から離れずひどくなり現実と区別がつかなくなって妄想が止まらず脳の暴走が始まる。

眠れない人たちもこの症状に悩まされる。脳の休息がままならないからである。脳のダメージによって日常における過度の心配や症状が良くならないという所からの将来の焦り、ご家族の期待が絶望に変わるショック。

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この時にこそまさに真価を問われている。患者さんとその周りの人たち医療に携わる人々の力が必要になってくる。もし家族や周りの人たちが病気を発症していると先に気付いたら近くの精神科や心療内科がだいたい同じ所で診てもらえるのでそこまで導いて欲しい。

それは患者さん自身や周りの人々、医療に携わる人々に症状を発症した時にすばやい治療をするためである。放っておいたら命に係わる事態になりかねない。命を守るためである。果てしない長く続く戦いである。両親や兄弟、姉妹にとって患者さんを看取るまで終わらない。そのために医療に携わる人々と交互に補完しながら休む間をはさみつつ末長く上手に付き合う方法を模索しながら探してもらいたい。

どうすれば良くなるのか?それで毎日を観察するという訳である。観察することによって患者さん自身に症状が現れると少し様子が変わる。それで医療に携わる人々や人たちに「あれ、ちょっとおかしいかな・・・。」とすこしでもはやく気付いてもらうのが狙いだ。

患者さんの心のケアをするためにもぜひ、デイケアに来ていただきたい。
そして、それは医療に携わる人々にとって様子を窺う機会でもあるので、見てもらって欲しい。

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お互いの努力がないと良くならないだろう。だが、無理をすることもない。
焦らず患者さん自身の裁量で家族や周りの人たちに伝えたら良い。
この症状は本人以外に全く分からないために理解されない所にある。
自分も後で分かったことだが、患者さん同士だと意外なほどに共通する症状があるので、早く当事者同士で参加するデイケアをお薦めしたい。

当事者同士の話を聴くと、だいたい、どの人も似たような症状を訴える人が多いように思う。ちなみに幻聴の話し方や謗りの受け方、人の多い所が苦手など言葉が違うだけでその他はあまりにも同じ所が多い。
そういった観点から患者さん自身の物の見方が拡がる可能性が高いと思われる。
そのことによって息苦しさを少しでも取り除いて頂けると自分としても嬉しい。
一人でいるよりも、同じ患者さんの話を聴くことによって気分転換してもらい日頃の憂さを晴らして欲しい。

そのことによって日常生活にハリが出て症状がだんだん安定してゆく。
そしてある程度回復が認められると社会復帰する手段を示される。そうなるとデイケアは卒業することになる。しかし拒んだり先延ばししたりすることもできる。

社会復帰するにはデイケアでしばらく通わないと行けない。患者さんにもよるがだいたい半年から数年くらいで休みなく通えているのかがポイントだ。
だからといって無理して通うことは避けたい。無理なく通えること、休む時も連絡を入れる事などの約束事を守っていくのが最終的には近道となる。

その実績が医療に携わる人々の判断材料となり具体的に行動が導かれる。


【今回の執筆担当者】
コズミ/40代男性。統合失調症。若くして発症し、入退院を繰り返しながらもエッセイやお笑いなど発表。趣味は宇宙を勉強すること。



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