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「専門家」にも、責任が発生する場合はあるけれど

「素人は黙っとれ」、あるいは「専門家に従え」論というのは、一部SNS等ではたいへん好まれる理屈の一つである。もちろん、このような見解を述べる人たちにも、それなりに筋の通った「正義」の観念が背景にあり、それに基づいて多くの場合には「善意」で主張がなされているということを、私は疑わない。ただ、そのように「黙れ」「従え」といい続けることで、他者の自由を現実に制限することを試みてきた人たちが、同時に「専門家には責任を負わせるな」とも主張した場合には、その言説が全体として正当化されるかどうかということが、問題とされることになるだろう。


 こうしたことは以前からずっと考えていたのだが、ここで改めて取り上げる気になったのは、上掲記事にふれられている、はむっちさんとのツイキャス対談がきっかけである。この問題にご感心のある方々は、はむっちさんによる関連記事も、参照されてみるとよいだろう。

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