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“1回の体験が心に残る”体の弱い小学生の社会的経験の少なさについて

生まれつき心臓病の次男は、体力面・感染リスク等で、多くの子どもが幼少期や学童期に体験するさまざまなこと経験する機会が限られてしまいます。

病弱児の「体験の少なさ」問題について考えていること


「なるべく、いろんなことを、1回体験する。」

※「季節を変えて何度も」「長時間」「最後まで」「深く」は求めない。
※深く掘り下げたいものが出てきたら、その時に実現方法を考える
※タイミングは体調と気候を見て、“今だ!”と思ったら迷わず行く

<我が家の方針>

1回でも体験したことがあるのと、1回もないのでは、子どもの気持ちの持ちようや、心に残る印象、後で勉強で学んだ時の理解の仕方がずいぶん違うと思ったからです。

子どもの成長や学びの深さという観点で、自然体験や生活体験、創作体験、(中学生以降は)職場体験やボランティア活動など、とても大切です。

それだけでなく、病弱児の心の発達に、「みんながやっていることを、自分も、やってみること」は重要だと思います。

たとえば、子どもたちが大好きなディズニーランド。
東京近郊だと、一度は行ったことがある子が多いと思います。
友達との会話でディズニーの話題が出たとき。
たとえ、短時間でも、一度行ったことがあれば、
「あ、俺も、行ったことあるー」と言える。

顔がわからない写真がこれしかなかった。蒸気船マークトウェイン号
顔がわからない写真がこれしかなかった、パート2。
イースターのディズニーランド。お花がかわいい。

大人になってしまえば、ディズニーランドに10000回行こうが、0回だろうが、どっちでもいいことです。が、子どもは違う気がする。

たとえ別の理由でディズニーランドに行ってないとしても、“俺は、病気だからディズニーに行けないんだ”と落ち込んでしまったりします。

小学生の時に体験できたらいいなと思うことリスト

次男が小学校に入学したころに、作ったリストです。
短時間でのコンパクトな経験が多いですが、ひととおり経験できました。

やりたいなと思っていることで、体験したことがないのは、
動物園、飛行機、外国体験、USJ、姫路城、離島などです。そのうち。

まずは学校生活

・学校に行って同級生と授業を受ける
・放課後、友達と遊ぶ
・宿題をする
・図工、音楽、体育、書道など、自宅ではやりづらい専科の活動を体験する
・運動会や学芸会、遠足、クラブ活動などの行事に参加

自然体験

・海・・・「海はくさい」「砂でサンダルが汚れてやだ」など悲しい発言連発で、30分で撤収。でも、波の引き寄せる力はとても強いことを体感。

千葉の海に立ち向かう次男


・山・・・山登りはできないので、ロープウェイで山頂まで行きました


リフトで山頂まで行けます
リフトを降りて車山山頂まで数分歩く

・虫捕り
・キャンプと焚き火
・生き物を飼う・・・カブトムシ、魚を飼いました(パパが。)
・植物を育てる・・・いろいろ育てました(私が。)

生活体験

・バス、電車、モノレール、新幹線など公共の乗り物に乗る
・図書館、児童館、美術館、水族館、都立公園など公共の施設を利用する
・宿泊体験・・・家族旅行と幼稚園のキャンプ合宿
   (今年は、林間学校があるけど、どうしようかな)
・お正月の凧揚げ、七夕、ハロウィン、クリスマスなど季節の行事
・楽器を弾く
・調理・・・次男はお料理が好きで、よくやってくれます・片づけや掃除、買い物などのお手伝いはポイント制にすればやります

創作体験

・工作やお絵かき
・プログラミングや動画作成

遊び・レジャー

・スポーツ・・・野球と卓球、プロ野球観戦(東京ドームは冷暖房完備でありがたい!)
・映画館で映画を見る

・花火大会・・・一度は連れて行きたいが、人混みの中歩いたり、席取り、立って見るなど無理。
なので、席を予約できる花火大会に行きました。
私自身、有料席を予約して花火大会に行くのは初めてでしたが、海に面した席で大迫力で花火を楽しめました!

・地元の盆踊り大会
・プール
・雪遊び

手が寒くてすぐ退散


・ディズニーランド(今度、USJに行ってみたい!と言ってます)
・外食(8割ラーメン1割バーミヤン)私はイタリアンに行きたい!


横浜赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットに行ったあとで、気づいたこと

次男が小1のとき、“クリスマスイルミネーションを一度は家族で見に行きたい!!”と思いたち、
横浜赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットに行きました。
昨年も開催されたようです。

それぞれのお店の屋根には飾りが光っています
すごく賑わってました。人、人、人!(2017年です)
ビール🍺、ソーセージ、ポテトを屋台で食べました、美味しかった!!
マーケットを進むと一番奥にクリスマスツリー。その先は海です。

屋台で食事をし、土産物屋さんをウロウロ見回り、クリスマスツリー前で記念撮影しましたが、どこも行列してたので、時間が掛かりました。
その間に、次男の手足がどんどん冷えていき、、
翌日高熱を出すことに。

「あんな寒い日に、あんな人混みに行かなきゃよかった」
と私は後悔しました。

ですが、冬休み明けの図工の授業での次男はこんな絵を描いていたのです。

小1の図工の授業の絵。お題は「冬休みに思い出に残っているのは」

高熱で大変だったことは忘れてしまい、次男の心にはキレイなクリスマスイルミネーションを見た楽しい思い出だけが残っていたのです。

この絵を見て、
“クリスマスマーケットに行ってよかったなぁ”と思いました。

あのとき、クリスマスマーケットで買ったスノーボール。
長男はお土産物を選ぶのが大好き。
クリスマスの時期に飾るたびに、赤レンガ倉庫を思い出します。

参考文献

幼いころから慢性疾患をもつ子どもは、社会的な経験が少ないことがある。例えば、感染のリスクを避けるため公共の施設や交通機関の利用、大きなイベントへの参加、あるいは集団行動・宿泊を伴う行事等への参加、そして遊びの経験も同世代の子どもに比べて少ない場合がある。(中略)
病気による直接経験の機会を逃しがちな子どもは、対人関係やコミュニケーションの問題、また自己表現の問題を抱える可能性を指摘されている。(中略)直接経験の機会が限られている病気の子どもに、保育や教育の現場では様々な工夫や配慮により直接的・間接的な経験ができるよう日々の実践が行われている。

『病弱児の教育テキスト』(日本育療学会)第5章1⑶経験不足からくる不安 一部抜粋

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