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世界は自動的だ! 〜全てはキミの思い込みなんだよ④


森羅万象まるっと全ては プログラム されている。

キミが何かを為さなくても、世の中勝手に、自動的に、放置プレイで最初に決定されたことわりに従って動く。それはまるでレールの上を走る電車のようにね。

人間の躰にもこの「放置プレイ」システムが組み込まれている。
いったい誰が組み込んだものかは知らない。もしも神様が実在するなら、それをやらかしたのは神だろうが、そいつはきっと底意地の悪い悪魔なのかもしれない。

キミは 「ホメオスタシス」 を知っているか?

雪景色の北海道へ到着した列車。
暖房の効いた車内で薄着をしていたキミは颯爽と車外へと降りた。凍てつく北風が肌を刺す。吐く息さえも凍り付く突然の環境変化に背を丸め、両腕で自らの躰を抱きしめると、肌を擦って摩擦熱で体温をあげようとするだろう。

さて、この一連の行為。
はたして、キミはいちいち考えながら行うだろうか。そうではないよね。自ら考える前に前屈みになって風の抵抗を少しでも減らし、両腕をクロス字にして体温で表面の皮膚を寒波から守ろうとする。
いわゆる「本能」と呼ばれるものだ。

人間は本能的に自己防衛をおこなう。一例としてあげたのが上記だ。
人間は自らの臓器を守るため体温を一定に保とうとする性質がある。体温が4℃上がるか下がるかで体調が変わり行動に制限を促す。これは躰が変化に抵抗しているからだ。

これを生体恒常性を維持する本能的機能「ホメオスタシス」という。

このホメオスタシスは、精神面から動的行動へと影響を与える。
いつもの喫茶店にふらりと立ち寄れば、特に意識していなければ、自然といつもと同じ席に座るだろう。

あるいはゴミ屋敷に住む人が、テレビの取材などに「このままがいい」と言うのは強がりでは無く本心だ。環境が変わってしまうことへの抵抗なのだ。
役所や周囲の住人が無理矢理掃除をして綺麗な部屋にした途端、気分が落ち着かなくなる。結局、ゴミ屋敷の住人は再びゴミを集めてきて元の状態に戻してしまう。変化を嫌うホメオスタシスが「ゴミ屋敷が通常の状態」と認識しているためだ。

もちろん逆に「モノが多いと落ち着かない」主婦が、旦那の大切にしているガンプラを捨てたがるのも、これまでの自分の生活にガンプラがなかった──幼少期からモノの少ない簡素な部屋で育ってきたから棚に並べられたガンプラをホメオスタシスが処分すべしと判断するためだ。

同じ生活を長く経験した大人ほど「新しいことをはじめるのが億劫」「新しい環境を嫌う」傾向にあるのは、全てホメオスタシスが原因だ。
この環境で危険を感じなかったとホメオスタシスが学習してしまうと「この言動・生活スタイルに危険はない」として、それを「パターン」化する。逆に、これまで無かったモノが入り込んでくること(上記『ガンプラ捨てたい主婦』例)に危機感を覚える。
そしてパターン通りに行動しようとする。
この生活を続けていれば安心だとホメオスタシスが認識してしまうからだ。

高層ビルで作業をする「とび」も、深夜の高速道路をひた走る「トラック運転手」も、一定量の練習で技能を身につけたあとは「このルールさえ守っていれば安全」とホメオスタシスが認識するから、その見返り(高額な給料など)を求めて退職しても同じ職種に再就職するケースが多いわけだ。

自衛隊や警察の退職者が、警備会社のなかでも特に危険と隣り合わせの施設警備など防犯要員部署(一号警備)に多いのも同じ理由だ。

人間は色々あってその会社を離れ、一旦は別種の職種についても、結局は同じような仕事に戻る。そして、勢いで畑違いの仕事にいた頃に比べて「ああ、やっぱり俺にはこの仕事があっているな」と落ち着く。

つまり、このホメオスタシスが変化することを嫌って「なかなか自分の夢を果たせない」障害になっているのだ。

だから僕は何度でも言う、「ホメオスタシスを騙せ!」と

つまりは、これこそが「思想は現実化する」の正体だ。
願えば叶う、という「引き寄せ」の極意は、既にプログラムされ自動化した自らの生活スタイルや環境を一度破壊することだ。
前々回の②で米国海兵隊の教育「一旦、入隊者のプライドを破壊する。その後に、再構築する」を紹介したが、まさにこれだ。

我が国の自衛隊でも普通の高校や大学を卒業してきた、普通の日本人青年を5ヶ月の特別訓練にぶち込むことで、ホメオスタシスが形成してきた学習に「NO」を突きつける。隔離された閉鎖的な施設内で起床から就寝まで新しいルーティンを与えられ、運動から食事に至るまで徹底管理された生活のなかホメオスタシスが徐々に変化して「そうか、おれは軍人だった。よーし、総理大臣が激励してくれるほどの精鋭の戦士になるぞ!」と目標へ向かって自然と努力するようになる。否、目標に向かって努力しないと気持ち悪い精神構造になるのだ。
目標を達成できない自分が想像出来ない。だっておれは既に精鋭なのだから。

自衛隊の教官は叱ってばかりの鬼のイメージがあるかもしれない。
ところが実際は「褒め上手」だ。
「優秀なおまえが、こんな簡単なことを出来ないはずがないだろう。それはおまえにサボりたい気持ちがあるからだ。おれは、おまえが出来ることを知っている。騙されないぞ」

おれの演技力で夢は現実化する!!

「キミは何になりたいの?」
なりたい職業、なりたい人間、なりたいモノに「今、この瞬間」からなってください。椅子に座ってリラックスしましょう。そうして眼を瞑り、自分の夢が実現している姿を想像してください。具体的に、より細かく、解像度をあげて……声に出しても良いでしょう。笑ったほうが良いでしょう。自分が望む世界で、自分が望む人々に囲まれて──そんな姿を空想してください。

その思考は現実化します!

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