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私的マカロニウエスタン主題歌16選 Pt.2

 好きなマカロニ主題歌のご紹介、後半です。
 パート1はこちら

9.続・荒野の1ドル銀貨 (1965)

Il ritorno di Ringo

 ドゥッチオ・テッサリ監督、ジュリアーノ・ジェンマ主演。ハードでシリアスな復讐劇を色男ジェンマが熱演する傑作です。私が個人的に姐さんと呼ぶニエヴェス・ナヴァロのクールな美貌もステキ。主題歌の作曲はエンニオ・モリコーネ、歌うのはマウリツィオ・グラフ。人声を楽器の1つとして用いるのが得意なモリコーネのこの時期の曲にしては珍しい、明確なボーカル曲です。もっとも、制作者によって勝手にボーカルを後付けされたっぽい気もしますが。

10.新・夕陽のガンマン/復讐の旅 (1967)

Da uomo a uomo

 ジュリオ・ペトロ―ニ監督、リー・ヴァン・クリーフ主演の復讐劇。主題歌の作曲はエンニオ・モリコーネで、クワイアによるコーラス・バージョンとラオールが歌うボーカル・バージョンがあります。単純な反復の民俗調ですが、そのぶんパワフルですよね。「奴は山を登る/奴は山を下る/奴は憎悪に燃えている/奴の憎悪はあふれかえっている/真実の瞬間がくる」という歌詞は両バージョンで同じだと思いますが、「Death Rides a Horse」というタイトルとともにめっちゃ不穏でかっこいいです。

11.復讐無頼・狼たちの荒野 (1969)

Tepepa

 ジュリオ・ペトローニ監督、トーマス・ミリアン主演のメキシコ革命もの。悪役としてオーソン・ウェルズが出演しています。主題歌の作曲はエンニオ・モリコーネ、メキシコへの熱い思いを歌いあげる情熱的でパワフルなボーカルはクリスティ(マリア・クリスティーナ・ブランクッチ)。セルジオ・ソリーマ監督の「復讐のガンマン」も、モリコーネ/クリスティのコンビによるめっちゃパワフルでかっこいい主題歌でした。

12.ガンマン大連合 (1970)

Vamos A Matar Compañeros

 セルジオ・コルブッチ監督、フランコ・ネロとトーマス・ミリアンのダブル主演のメキシコ革命もの。「豹/ジャガー」のリメイク/リブート作です。主題歌の作曲はエンニオ・モリコーネ。「殺っちまおう、殺っちまおうぜ、同志たちよ」とリフレインするおっかない歌詞を書いたのはコルブッチ監督と弟のブルーノ。この曲を聴く度にレインボーマンの「死ね死ね団のテーマ」を思い出します。

13.キングと呼ばれた男 (1971)

Lo chiamavano King

 ドン・レイノルズことジャンカルロ・ロミテッリ監督、リチャード・ハリソン主演作品。主人公の親友をクラウス・キンスキーが演じており、最後に黒幕とわかるのですが、こちらとしては「知っとるわ!」という感じ。主題歌を歌うのは米国人女性シンガーのアン・コリンで、作曲はルイス・エンリケス・バカロフ。洗練されたソウル調がかっこいいですね。

14.増える賞金、死体の山 (1973)

Campa carogna... la taglia cresce

 ジュゼッペ・ロサティ監督、ジャンニ・ガルコ主演作品。内容については以前の記事をどうぞ。ニコ・フィデンコ作曲の軽快なリズムの主題歌を歌うのはチャドウェルを演じたスティーブン・ボイド。「ドゥルルン、ドゥン」っていうキメがかっこいいです。歌詞を探すのに少し苦労したので、貼っておきますね。

Riding with the wind in my face / searching for the human race
out on the road again / fighting fort the right of men

(chorus)
Woman you're not a friend
everytime I come to you I find that you're changing your mind
Always when the chips are down I find I come to trust your kind

Making my way through the dust / certain people say I must
asking only just to know / and begging for the wind to blow

Come out your mountain proud / shout it to the world aloud
with someone here to share my hand / I never ever leave this land

15.ケオマ・ザ・リベンジャー (1976)

Keoma

 エンツォ・G・カステラーリ監督、フランコ・ネロ主演の復讐もの。ネロの上半身裸にロングコートという出で立ちが超かっこいいです。ねじがはずれたような女性ボーカルと、デス声じゃないんだけど変に潰した男性ボーカルが哀切のメロディに乗る主題歌を作曲したのは、グイドとマウリツィオのデ・アンジェリス兄弟。不気味でシャーマニックな曲調はプログレと言われることもありますが、男女のツインボーカルはひと頃のゴシックメタルを思い出したりします。

16.ハチェット無頼 (1977)

Mannaja

 セルジオ・マルティノ監督、マウリツィオ・メルリ主演のヴァイオレントな復讐もの。こちらの主題歌もデ・アンジェリス兄弟の作曲で、歌っているのも「ケオマ・ザ・リベンジャー」の男性ボーカル、チェーザレ・デ・ナターレ。哀切のメロディにヴァースはやはりデス声ライクな作った声、中間のクライマックスは普通の声で歌いあげています。

 以上、2回に分けて16曲をご紹介しました。「これを忘れるとは!」というマニア諸兄からのお叱り、お待ちしております!

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