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増える賞金、死体の山

Campa carogna... la taglia cresce /  Those Dirty Dogs (1973)

ジュゼッペ・ロサティ監督、ジャンニ・ガルコ主演のマカロニウエスタン。
賞金稼ぎガルコと、3人の軍人が盗賊一味を追い詰め、壊滅させるストーリー。さほど陰惨・暴力的でない、アクション西部劇です。

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「サルタナ」シリーズのスタイリッシュなルックスでお馴染みのガルコですが、本作では髭面で小汚いマカロニ・スタイル。榴弾ライフル(そんなのあったの?)や、マカロニ・ファンには必殺GUNブレラとしてお馴染みのマシンガンを仕込んだ傘を使います。常にコーランを携えアラーの言葉を引くイスラム教徒で、その名もコーランというへんてこな役どころ。

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軍人チームのリーダーは「ベン・ハー」のスティーブン・ボイド。北アイルランドの出身ですが、いかにも米国人な雰囲気ですね。
敵の本拠地を聞き出そうと手荒く扱った豊満女性に激しく惚れられてしまうシーンは何度見ても笑えます。(ガルコも爆笑してます)
なお今回は英語音声・日本語字幕で見ましたが、階級が「Captain」なのに字幕では「大佐」となっていました。米陸軍ではCaptain=大尉なので、誤訳ですね。(Captain=大佐なのは海軍です)
ボイドは主題歌「The Wind in My Face」も歌っています。

黒人の伍長(ハリー・ベアード)は、銃はもちろんブーメランやパチンコも得意な戦闘のプロ。ちょっととぼけた中尉(ハワード・ロス)は影が薄いですね。

対する盗賊チーム。実働部隊を率いるアンジェロ(サイモン・アンドリュー)は粗暴・強欲・冷酷な典型的悪党であまり魅力がありませんが、ナポレオンを崇拝し自らを皇帝(El Supremo)と呼ばせるボス格の将軍(アルフレード・メイヨ)がかなりオカシイ。尊大ぶった大仰な仕草やセリフ回し、いま言ったことをソッコー忘れて「んで何だっけ」とか、あんたモンティ・パイソンかよ。
その側近をドイツ人女優のヘルガ・リーネが演じますが、「情無用のコルト」の悪女役に比べるとキャラが薄いです。賊に誘拐される軍医の娘(テレサ・ギンペラ)も薄キャラなんだよなあ。

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