私的マカロニウエスタン主題歌16選 Pt.1
私の好きなマカロニウエスタンの主題歌をご紹介します。インストのテーマ曲ではなく、明確な歌詞のあるボーカル曲に限っています。順序には何の意味もございません。有名な曲ばかりですので、マニア諸兄からの「これを忘れるとは!」というお叱りをぜひとも頂戴いたしたく。
1.皆殺し無頼 (1966)
ロモロ・グエッリエリ監督、マーク・ダモン主演。悪女役のロサルバ・ネリの印象が強いです。「一発目は○○の分! もう一発は●●の分!」という台詞は、たしかこの映画がオリジナルだった気が。超かっこいい主題歌の作曲はノラ・オルランディという女性で、「二匹の流れ星」や「オーウェル・ロックの血戦」「デボラの甘い肉体」といった映画の音楽も担当しました。歌うはザ・ワイルダー・ブラザーズ。ワンコーラス後の『ピィッ!(指笛) ハァーッ!』が死ぬほどかっこいいです。
2.真昼の用心棒 (1966)
Le colt cantarono la morte e fu... tempo di massacro
ルチオ・フルチ監督、フェルナンド・ディ・レオ脚本、フランコ・ネロ主演。ネロの兄貴役のジョージ・ヒルトンも、勝るとも劣らないかっこよさでした。「コルトが死を歌う時……それは皆殺しのとき」というオリジナルタイトルもかっこいいですね。メリハリのきいたこれまたかっこいい主題歌は、セルジオ・バルドッティとセルジオ・エンドリゴ作曲、歌うのはエンドリゴ。フルチ監督自ら歌詞を書いています。
3.続・荒野の用心棒 (1966)
セルジオ・コルブッチ監督、フランコ・ネロ主演、説明不要の傑作。以前書いたこちらの記事もよろしければどうぞ。作曲はエンニオ・モリコーネと並ぶマカロニ音楽の重要人物ルイス・エンリケス・バカロフ、歌うのはアメリカ出身でイタリアにリズム&ブルースを広めたロッキー・ロバーツ。ロベルト・フィアが歌うイタリア語バージョンもありますが、ロバーツの渋くも熱っぽい声のほうが好きですね。
4.続・復讐のガンマン ~走れ、男、走れ~ (1968)
セルジオ・ソリーマ監督、トーマス・ミリアン主演のメキシコ革命もの。ミリアンとリー・ヴァン・クリーフが共演した「復讐のガンマン」の続編です。主題歌はエンニオ・モリコーネとブルーノ・ニコライ、ジュリアーノ・ティレシですが、イントロのクワイアが入る部分をモリコーネが、メインはニコライが書いたんじゃないかと思います。メインを歌っているのはミリアン自身。あまり上手くないぶん味がありますね。昔の日本の特撮ヒーロー番組の主題歌みたい。
5.情無用のコルト (1965)
ジョヴァンニ・グリマルディ監督、スティーヴン・フォーサイス主演の師弟もの。悪女ヘルガ・リーネの存在感が強烈でした。哀愁漂う主題歌の作曲はニコ・フィデンコ。歌ではなく、渋い語りが入ります。キメの「Ma non posso, perchè devo uccidere」を真似したいのですが、口がついていきません。
6.さすらいの一匹狼 (1966)
トニーノ・ヴァレリ監督、クレイグ・ヒル主演。作品としては熱もニヒルさもなくてあんまりマカロニらしくない半面、ヒル演じる主人公の賞金稼ぎが割と嫌なやつなので、私はあまり好きではないのですが、ザ・ワイルダー・ブラザーズが歌う素朴な主題歌は好きです。作曲はニコ・フィデンコ。
7.荒野の10万ドル (1965)
アルベルト・デ・マルティーノ監督、リチャード・ハリソン主演。これもマカロニ作品としては少々薄味なんですが、ブルーノ・ニコライ作曲、ボビー・ソロが歌う哀愁あふれる主題歌は大好きです。
8.ガンマン無頼 (1966)
フェルディナンド・バルディ監督、フランコ・ネロ主演。ネロのキレまくりのガンプレイが随所で光ります。主題歌の作曲・歌唱は米国人のドン・パウエル。儚げなボーカルで旅立ちの決意と哀愁を感じさせるいい曲ですね。私は行きたくない出張のBGMに使っています。(笑)
パート2に続く……
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