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【マンガメモ】スティーブ・ジョブズ/ヤマザキマリ、ウォルター・アイザックソン原作

スマートフォンはiPhone、タブレットはiPad、パソコンはMacBook Air、時計はApple Watch、更にはワイヤレスイヤホンはAirPods Proと、
側からみれば私はアップル製品のヘビーユーザーですが、
そのアップル社を語るうえで外せないのはスティーブ・ジョブズ氏の存在だと思います。

アップルユーザーでありながら、スティーブ・ジョブズのことをあまりよく知らなかったので、今回こうして漫画で読んでみました。

1.スティーブ・ジョブズの人となり

スティーブ・ジョブズの人となりを簡単に言うと、「最悪」。
本作を読んでいて、絶対に一緒に仕事をしたくない人物だと思いました。

まず、自分より下とみなした人に対しては罵倒する。
加えて、若い頃は、自分は菜食主義だから臭くならないということで風呂に入らず。
なのでアップル社を立ち上げる前にアタリ社で働いていた時は、他の社員がジョブズとは一緒になりたくない、ということでジョブズは専ら夜勤だった。

また、他人のアイデアに対してもとりあえずはけちょんけちょんに貶す。
そして、それが良いアイデアだと思ったら、
あとでそれをあたかも自分が思いついたかのようにそのアイデアを挙げ始める。

その他、ジョブズの人柄の悪い面を挙げ始めればキリがない。
その一方で、仕事に必要だと思った人物を自分側に口説き落とす技術に長け、
本物とは何かを分かっていた人物のように思われる。
本物を作りあげるためには妥協を許さない姿勢を崩さなかった。

偉大な業績をあげた一方で性格が悪いのを人間くさくて良いとみるか。
確かに「憎まれっ子世に憚る」とは言うが。
世界の偉人には変人が多いが、
偉大な業績をあげれば他は何でも良い、という考え方には賛同できない。

はっきり言って、スティーブ・ジョブズという人物は大嫌いだが、
彼の抱くコンセプトや彼が生み出したもの、アップルの製品には惹かれるものがあり、大好きです。
アップル製品は単なる工業製品ではなく、
アップル社の人達による美術品の一面もあると思います。

2.世の中を変えたアップル製品

アップル社は様々な製品を世に送り込んで世の中を変えてきましたが、
その中でも特に個人的にインパクトが大きいと思ったものを挙げたいと思います。

2.1 iPod、iTunes

「AV Watch」より

まず、ここではiPodとiTunesがセットなのがミソ。
iPodが出始めた頃は音楽媒体としてのMP3への移行が進んでいた時期。
iPod &iTunesのタッグがその流れを加速させた。

それだけでなく、ネット上での音楽の販売により、従来の音楽業界のビジネス構造を変えるきっかけを作った。

その後、Spotifyを始めとしたサブスクによる音楽の普及もあり、CD文化が廃れていく。
また、少し話しは逸れるかもだが、映像についてもNetflix等によりDVD文化が廃れていく。
かつては私も家の近くの TSUTAYAに通ったものだが、私の知る限り、私の近所では TSUTAYAは検見川浜、稲毛海岸、稲毛の3店舗が無くなってしまった。
時代は変わるものだな、と。

とにかく、私はiPodのホイールでクルクル操作するあの感じが大好きでした。

2.2 iPhone

「IT media」より

これについては説明不要かと。

iPhone発売以前はフィーチャーフォン、いわゆるガラケーの最盛期。
しかし、それらに対してはジョブズの美的センス的には納得できず、アップルでもっと良い携帯電話が作れると考えた。

また、iPhone発売以前もBlackBerryやWindows Mobile等のスマートフォンはあったが、
今みたいに誰もがそれらを持っているわけではなかった。

ポイントはマルチタッチスクリーンの技術にあるのかと。
アップル社では、iPhoneの前に実はiPadの開発を先に始めていた。
しかし、iPadよりもiPhoneを先に発売する方向へ方針を切り替える。
その際、iPadに使おうとしていたマルチタッチスクリーンの技術をiPhoneに採用する。
結果的にはそれらの判断は大正解だった。
先のiPadの開発がなければ今のiPhoneはなかった。

iPhone発売以後は、携帯電話端末の勢力が大きく変わってしまった。
iPhone発売の際、日本の各メーカーはスマートフォンは日本では流行らないと判断し、
スマートフォンに力を入れる時期が遅くなってしまった。
その判断が命取りとなり、結果、現在国内で残っている携帯電話端末を販売しているメーカーはごく僅か。

日本メーカーは技術は持っているはずなのに、
その辺の判断や戦略、世界的な時代の波に乗るのが下手くそだな、と改めて感じます。

また、最近、Apple Watchを始めとしたスマートウォッチの使用が広まっていますが、
これもiPhoneの成功があったからこそだと思います。

3.スティーブ・ジョブズが犯した大失敗

スティーブ・ジョブズの最大の失敗、
それは膵臓がんの発見・手術が遅れてしまったこと。

アップル社に復帰後、
ジョブズはアップルとピクサー2社で精力的に働いていた。
そんな中、身体に異変が生じるが、なかなか検査を受けようとせず、
やっと検査を受けたら膵臓がんの発見。
そこでも民間療法で治そうとしてなかなか手術を受けようとせず。

結局は手術を受けたが、その後は癌が別のところに転移して、手術・療養をして、を繰り返す。

もっと検査を早く受けて、もっと早く癌の手術をして、
ジョブズがより長く生きていたらどんな新しい製品が出ていたのかが気になる。

なお、本作を読んでいる限り、
ジョブズが真に作りたかった製品、
ジョブズの集大成の製品はiPadだったように推測される。
そのiPadを世に出した後、天に召された、という考え方もできるのか。

とにかく、どんな人であれ、
自分の身体は大事にしてほしいものです。

4.スティーブ・ジョブズの名言から色々と考えてみる

「文系と理系の交差点に立てる人こそ大きな価値がある」
「アートとテクノロジーの交差点」
「啓発と技術の融合」

この世の中の発展のためには、
専門性の高い人が求められるのは承知している。
その深い専門性を身につけるには並大抵ではない労力と多くの経験が必要なのも承知している。
しかし、それだけでは革新は起こらない。

学生時代に聴いた講演のなかで、
1つの専門に対して深いだけの人を「I型人間」といっていた。
私自身ここまで約30年以上生きていて、「I型人間」になるだけでも大変だと感じている。
その講演では、この先の世の中を生き抜くためには、自分の専門以外にも広い知見・視野を持った「T型人間」、
可能であればT型に加えてもう一つ深い専門を身につけた「π型人間」になろうということを言っていた。
とにかく、自分の専門と、その+αが必要である。

ジョブズはその+αとして、美的センスが必要だと考えていたと思われる。
それを養うためには一流のものに触れ、心から感動する経験が必要だと個人的には考える。

数年前、とある観光地の風景に心から感動し、
そのような経験を人生の中でもっと経験するのが自分の人生のミッションの1つだと思ったことがあった。

また、視野を広げるということで
ここ数年、自分自身、様々なジャンルの書籍に目を通すようにしていて、ある程度それらが積み重なってきたように思う。
それらを仕事・趣味等の人生の中でどう生かしていくか。

「直感的な理解や意識」
「直感はとてもパワフルなんだ」

「直感」。私がスピリチュアル業界で働いてきた時より、それは最重要項目の1つであると思っている。
ジョブズは自分の直感を理解し、それに従って行動し、その重要性を理解していたように思われる。

何か大成功をした人や、幸せに生きることを実践できている人は、もれなく直感を理解して
それに従って行動できているように思う。

なお、直感に従って行動することは、
ただその場の思いつきで行動することとは違う。
直感を正しく理解することは中々難しいと感じている。
果たして、自分は自分の直感を正しく感じとり、それを理解することをまずはできているのか。

「禅のコンセプト」→無駄なものを極力省く
「洗練を突き止めると簡潔になる」

まず、ジョブズは生前、「禅」を厚く信仰していた。
その「禅」のコンセプトがアップルの製品には込められているとのこと。

そして、私の座右の銘の1つである
「シンプル イズ ベスト」。
本物と感じるものには無駄がないと自分は感じる。
私も「シンプル イズ ベスト」な人生を実践し、
仕事でも簡潔な説明を心掛け、
note等の記事もシンプルなものにできるだけしたいと思っているが、なかなかそうもいかないと感じる今日この頃。

日本の携帯電話メーカーが失敗した理由にはその点もあるのかと。
サービス精神旺盛で、様々な機能が組み込まれているが、かえってそれが邪魔になってごちゃごちゃした印象。
パソコンにも同じことが言える。
組み込む機能やアプリは最小限で、必要なものは各個人で追加できるようにすればよい。

「人間っていうのは想像的な動物で、発明した人間が想像もしなかった使い方を見つけてくれる」

この台詞はまさしくiPhoneに当てはまると思います。
現在のこの世の中、新しいスマートフォンアプリやゲームが
様々な人により作られ、どんどん世に出ています。
スマートフォンで何でもできるといっても過言ではありません。
iPhoneを初めて世に送り出した時のジョブズをはじめとするアップル関係者は
スマートフォンの発展がここまでになるとは実は想像してなかったのでは、と思います。
当時の携帯電話業界・使用者等に対して、アップルだったらこんな携帯電話を作る、
というのをアピールしたい一心だったのでは、と思います。

さて、何かを作る人間がいれば、それを使う人間もいる。
私は何かを作る側になるのが長年の夢でした。
しかし、30年以上生きてきて感じたことは、
私は作る側の人間にはなれない、ということ。
しかし、この台詞より、使う側も作る人間になれる、ということに気付かされました。

現代のこの世の中、新しいモノがハイペースで作られている。
今後の私は、なにかをしたい時、あるいは何か課題に直面した時、
それらを上手く取捨選択して使いこなすことによって道を開いていければいい。
その中で、何か新しいものを生み出せれば幸い、と思います。

本記事序盤でスティーブ・ジョブズは大嫌いだ、と述べましたが、
気づけばスティーブ・ジョブズをきっかけに様々なことが書け、長文になってしまいました。
まだいくらでも話題を続けられそうですが、
キリがないので今回はこの辺で。

それでは。

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