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猫は2匹でお迎えしたほうがいいって本当?きょうだい猫のお迎えの話

「猫はきょうだいで飼うのがおすすめだよ」と言うと「1匹のほうがいいと思ってた」「2匹のお世話は大変そう……」という反応をもらうことが多々あります。

たしかに、ペットショップでは1匹で飼うことが前提の売り方をされています。また、ペットとして同じく挙げられる犬の場合は1匹で飼う文化があることも、この反応が返ってくる要因です。

一方で猫は“猫のQOL”の観点から、きょうだい同士や相性のいい猫同士でのお迎えのほうがメリットが大きい場合も。今回はそんな「きょうだい猫のお迎え」のメリットを紹介します。

猫はきょうだいでお迎えしたほうがいい理由

今回お伝えしたいのは「“猫のQOL”の観点から、猫をきょうだいで迎えるメリットのほうが大きい場合もある」ことです。

🐈QOLとは
「クオリティ・オブ・ライフ」つまり生活の質のことです。猫の場合は、安心して寝れる・食べられる環境に加えて、ストレスのない生活や飼い主と一緒に過ごすことなどが挙げられます。

1.猫がひとりぼっちになる時間が減る

きょうだいで迎えるメリット、それは「猫が“ひとり”でいる時間が減る」ことです。

実は、猫は甘えたいときや遊んでほしいときに、人間がいないことがストレスになってしまう場合があります。そのため、猫同士で遊べる環境を整えることで、猫のストレスを軽減できるのです。

とくに仔猫は遊びたい盛りなので、仔猫を1匹だけ迎えて退屈させるより、相性の良いきょうだいで迎えて遊んでもらうほうがメリットが大きいです。

ただし、他の猫と過ごすことやひとりの時間へのストレスの感じ方は猫によって違います。他の猫と一緒に暮らすことをストレスに感じないかは、迎える前に保護団体に確認してみてください。

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2.社会性が育まれる

仔猫の社会化期にきょうだいや他の猫と過ごすことで「社会性」を身につけられることもメリットのひとつです。

仔猫は生後3ヵ月くらいまでに、母猫やきょうだい猫と過ごすなかで、力加減を学んだり他の猫との接し方などを学びます。
参考:「子猫の社会化と遊び - ロイヤルカナン」

3ヵ月より前の保護猫を迎える場合はとくに、きょうだいでのお迎えが推奨されます。

3.新しい環境に馴れやすくなる

保護団体から新しく猫を迎えるとき、猫は環境の変化に大きなストレスを感じます。そんなときに一緒に過ごしたきょうだい猫がいると、猫が新しい環境に馴染みやすくなります。

ストレスからの問題行動を防げることもあり、猫にとっても人間にとってもメリットになります。

なぜ「猫の多頭飼いは大変」なのか

「猫はきょうだいでお迎えをしたほうがいい」と書いてきましたが、一方で多頭飼いにもデメリットがあります。

1.猫の生活空間を分けられる環境が必要

なかには猫が嫌いな猫もいるので、多頭飼いが大きなストレスになってしまう場合も。相性が合わない猫同士は生活空間を分けてあげられる環境は必須です。

2.猫同士の感染症のリスク

多頭飼いは感染症のリスクが高まります。1匹が感染症にかかると、他の猫にうつってしまい、一気にパンデミックを起こすことも。

治療や検査が必要になるので、猫へのストレスはもちろん、金銭的な負担にもつながります。

3.費用やかかる時間が増える

一生のお世話をするための責任、かかる費用や時間も猫の数だけ増えていきます。とくに、多頭飼育の場合は、1匹にかけられる時間が圧倒的に減ります。

シェルターでたくさんの猫のお世話では、1匹1匹に時間をかけられない苦悩も。そんな話を代表・黛のnoteにまとめています▼

それでも、猫をきょうだいでお迎えしてほしい理由

保護団体が「きょうだいでのお迎えを希望」と言っていたら、耳を傾けてみましょう。

保護団体のほとんどは、猫の幸せをいちばんに願って活動しています。だから、その猫たちにとってはきょうだいで暮らし続けられることが、幸せへの近道になっているはずです。

また、きょうだいで暮らすことで社会性を学べるため、問題行動をはじめとした人間への負担も減ります。環境が変わることへのストレスも軽減されるため、トライアルの失敗のようなミスマッチも防げます。

そうした適切なマッチングは、猫にとっても飼い主にとっても保護団体にとっても大切なことなんです。

「猫をきょうだいでお迎えする」保護猫のお迎えを考えている人の、選択肢のひとつになれば幸いです。


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