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人の心を惹きつける“シャー猫”。元ボス猫の「でかお」

2年前の年末、瀕死の状態で行き倒れていた、猫の「でかお」。

フラフラの状態で保護され、生死もさまよったでかお――その正体はなんと地域で有名な「ボス猫」でした。

「まさに“シャー猫”な、でかおの怒った顔も魅力的なんです(笑)」

そう語る、大阪の保護団体Reef Knot(リーフノット)の飛田さんは、でかお
の魅力にとり憑かれたひとり。

今回は、気高く強きボス猫・でかおの新たな一面に迫ります。

虫の息でも“ありのまま”だった「でかお」

―― まずは「でかお」を保護した経緯についておしえてください。

2021年の年末、大阪の池田市の方から「庭に猫が倒れている、でも対処の方法がわからない」と電話をもらって。

私たちが到着したとき、でかおはかなり衰弱した様子でした。抱きかかえようと伸ばした僕の手を、最後の力をふり絞りガブッとひと噛み……フラフラ~っと倒れたところを保護しました。

―― かなり衰弱した状態だったんですね。どのように対処されたのですか?

最初にお世話になったのが最寄りの不妊手術専門の病院で。でもその病院でできる処置では回復が見込めなくて、結局かかりつけの病院まで走りました。体が冷えすぎてしまって、どれだけ温めようとしても温まらないんですよ。

病院まで命が持つかわからず、搬送中に亡くなる可能性が高いと言われていたので、かかりつけの病院の獣医から「生き延びると思います」聞いたとき、すごくほっとしたのを覚えています。

―― その後はすぐに回復されたのでしょうか?

いえ、そのあと施設に連れて帰ってきて、ケージに入れて見守りました。ホットカーペットや湯たんぽを入れて温めたり、衰弱しているでかおに「がんばれ~」と言いながら撫でたり。

そのかいあって、次の日には自力で顔を起こせるほどに回復したんです。頑張って顔をおこして「ファー」と威嚇する姿には、さすがに笑っちゃいましたが(笑)。

―― でかおはツンデレなんですね(笑)。

最初は「背に腹は代えられない」といった感じで、ちゅーるも手からガツガツ食べてくれましたが、今は触ろうとすると烈火のごとく怒ります(笑)。

ツンデレなでかおの新しい一面

―― この間、僕が肉球を触ろうとしたときも怒りましたもんね。何か理由があるのでしょうか?

状況が落ち着いたころに、依頼者と連絡をとる機会があって。改めてお話を聞くと、でかおは地域で有名なボス猫だったことがわかりました

――たしかに、でかおの過去の写真を遡ってみると、顔つきがまったく違いますよね。当時は、生きるのに必死というか、もっとギラギラしていたというか……。

今は「ふくよか」というか、幸せそうな太り方をしていますね。この場所にも慣れてきてたようで、他の猫とじゃれて遊んだりもしています。

ただ、人間やオス猫より、メス猫が大好きです(笑)。「シキ」というメス猫を追っかけて、ラティスフェンスを登ったり……そのさまは、まるで「キングコング」です。

推定ですが体重7kgくらいある体で、高い所からドーンと降りてくる様は迫力すら感じます。

――その姿、想像できますね~!他にも推しポイントがあれば教えてください。

でかおは、怒った顔も魅力的だと思います。

「これぞシャー猫!」っていう絵に描いたような「シャー」と、イカ耳の組み合わせが最高にかわいいです。これであとはヒザに乗ってくれたら、もう言うことなしですね。

でかおには、でかおの距離感で。

背に腹はかえられぬ

――どんな方にでかおを迎えてもらいたいと思いますか?

実は先日、譲渡後に人を噛むようになって、保護された仔がいます。

でかおも噛んでしまうことがある仔なので、噛むことにも寛大で、でかおのペースに合わせて待ってくれるような方が理想ですね。

猫との距離の詰め方が上手い方、先住猫がいない方も嬉しいです。

もともとボス猫だったこともあり、オス猫よりメス猫のほうが仲良くできると思います。

また、でかおは猫エイズ(FIV)※持ちでもあります。エイズ持ちだとわかっていて選んでくれる方は、正直まだ少ないと感じています。

性格とか病気とか関係なしに、でかおの存在そのものを愛してくれる方に出会えたら嬉しいです。

※FIVは感染していても発症しないまま生涯を終える猫もいます。また、人間には感染しません。

🐈 🐾

元ボス猫の気高さを持ちつつも、ツンデレな一面で人を魅了する「でかお」。

まだまだ人馴れ中ではありますが、でかおのペースに合わせて歩み寄ってくれる家族を探しています。

neco-noteでは「保護猫のお迎え」以外でできる、新しい保護猫活動を応援しています。

「猫のためになにかしたい、でも"できない"」そんな方はぜひ、neco-noteへの門を叩いてみてください🌿

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