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70歳になった日に記す事

60歳になった日に始めた宮沢賢治さんの詩をもじった私の想い

今年で11回目になりました
少し変わる年もあるけれど毎年ほぼ同じです
年に一回は、心をクリアーにしようと続けています




雨にも負けず、雨が降れば部屋で縫い物をし、時には雷さえ鳴っていなければ雨ガッパを着て車を洗い…

風にも負けず、風が吹けば風ぐるまを作りカタカタ回るのをぼんやり眺め…

雪にも負けず、雪が降れば真っ白な雪の上にねっ転がって天使の羽を描き…

夏の暑さは苦手だけれど、蚊取り線香を片手に旬のブルーベリーを摘み…

だから丈夫な体と健全な心が必要で…

過度の欲に溺れず
長く生きたからとあぐらをかかず
いつも新しい発見に心をときめかせている

一日に飢えない程度の雑穀米入りのご飯に、
味噌と土手に生えている野生の野菜を美味しく食べ
あらゆる事をほどほど自分の勘定に入れ、
よく見聞きし分かり
そして流されず…

ブルーベリーや実のなる木の陰の
手間のかからないこじんまりとした小屋にいて
歳を取れば、そう簡単に遠方へは行けないだろうから

東からお腹を空かせた友が来れば
あり合わせの物でランチを作ってやり…

西から疲れた友が来れば
秋には銀杏を拾い、夫と共に薪割りを手伝わせ
夜が更けてきたら、ゆらゆら揺れる薪ストーブの火を見ながら
銀杏をつまみに友の持参したワインを頂いて、皆で笑い…

南に命の灯が消えそうな友あれば、何とか駆けつけて手を握り
「また来世でも会いましょう、私を探してね」と言い…

北に元気のない友あれば
コーヒーを飲みながらテレビ電話で、たわいもないお喋りに好きなだけの時間を費やし
お喋りをしながら、こっそりと私のパワーを送って元気づけてやり…

日照りの時は辛抱し
寒さの夏は、
少しホッとしてブルーベリーを摘み
そして、ブルーベリーの葉でお茶を作り

歳を取ったなりに人に依らず
出来る事は自分でやり
生きている限りは少しでも誰かの役に立ち

そして、いつの間にかコロッと逝きたい

もし運悪くコロッと逝かず動けなくなったら…
もし私の心が壊れかけていたら…

昔、世話になったからとか
友人だからとか
母のように思っていたからとか
血が繋がっているからとかではなく

「無性にあなたに会いたくなって…」と、
皆が会いに来てくれるような

そんな年寄りに私は育ちたい





#創作大賞2023 #エッセイ部門

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