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#ハイシー
【ショート小説】クラシックなブルー
遠くの方から犬の鳴く声が聞こえてきた。甲高い悲鳴のような声は、我が家の犬では無い事だけがはっきりとしていて、どこまでも広がる青空に木霊すら残さず、しきりにキャンキャンと響いていた。
僕は誰も行き交うことのない、田園の端の方に打ち捨てられたガードレールに寄りかかりながら、ジュースを口に含んでいた。ガードレールの柱部に置かれたHI-Cには溢れ出る水分を垂らしたオレンジが嘘のような生命力を醸し出し、秋口
遠くの方から犬の鳴く声が聞こえてきた。甲高い悲鳴のような声は、我が家の犬では無い事だけがはっきりとしていて、どこまでも広がる青空に木霊すら残さず、しきりにキャンキャンと響いていた。
僕は誰も行き交うことのない、田園の端の方に打ち捨てられたガードレールに寄りかかりながら、ジュースを口に含んでいた。ガードレールの柱部に置かれたHI-Cには溢れ出る水分を垂らしたオレンジが嘘のような生命力を醸し出し、秋口