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環境Thought Leadershipを通じて未来の共感を創る活動

国際社会経済研究所(IISE)は、世界の知の集積で未来の社会価値創りをリードするNECグループの独立シンクタンクです。社会課題と向き合い、「未来の共感」を創るために、実現への道筋を「Thought」として提示し、社会イノベーションを通じた新たな価値の創造と社会への実装を目指す活動を「Thought Leadership活動」として取り組んでいます。IISEが取り組んでいるThoughtのテーマの1つに「環境」があります。環境 Thought Leadership活動を担当する野口聡一理事に、私たちが直面する環境課題について聞きました。

前編はこちら

方針を実現するために行動を


政治経済はもとより我々の生活に大きな影響を与えうる環境課題に対しては、多くの企業が対応方針を定め、公表しています。しかし、大切なことは、定めた方針をただ掛け声だけで終わらせるのではなく、具体的な技術などによって実現し、社会に還元していくことです。それは企業としての社会的責任です。地球環境を保全し、持続可能な社会に寄与することは、企業の社会的責任を果たすためには必要不可欠なことです。しかも、企業の価値を高めるだけでなく、環境に配慮したイノベーションを促進し、地球環境を守ることにつながるのです。

環境に対し先進的な取り組みをする企業の姿勢や行動は、他の企業や社会に対して良い手本を示すことになります。そのような企業の行動が、多くの企業へと広がることで、その企業の属する業界全体が環境に配慮した商習慣を確立していきます。それがさらに広がっていくことで、社会の規範になっていくはずです。
企業も社会も、たくさんの個人の集合体です。つまり、個人の意識や行動が変われば企業も社会も変わっていきます。つまり、この記事を読んでくださっている皆様、1人1人の情熱が環境課題の解決に不可欠です。私たちの仕事や行動が世界を変える可能性を持っているのです。

環境課題に対応するための3つの視点と環境のThought


IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は第6次報告書で「人間活動が大気、海洋、陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と言い切っています。さらに、今後も世界の平均気温は上がり続けると予測しています。人類が悪化させた環境は、人類によって改善していかなければいけません。私は、人類の英知、そして、イノベーションによってIPCCの予測を覆せるのではないかと期待しています。

私たちは、直面している様々な環境課題に対してどのように対応していくべきなでしょうか。私は「見える化」、「分析」、「対処」の3つの視点が大切だと考えています。

IISE『GX-VISION誌』より

カーボンニュートラルを例にすると、二酸化炭素などの目に見えない温室効果ガス排出量の見える化を行い、その排出源となる企業や個人の活動を分析します。それがわかれば、排出量を減らすための対策をすることができます。「見える化」、「分析」、「対処」は、ICT(情報通信技術)をしっかり活用することで実現できることでしょう。そのようにしてデジタル化していくことはカーボンニュートラルを達成する際の考え方のみならず、生物多様性、食料・資源などの他の環境課題の解決にも通じるのではないかと考えています。この考え方は私も監修し、IISEからリリースしたGX-VISION誌の中にも入っています。

人類は古代より、夜空に瞬く星の連なりに星座を見出し、物語を紡いできました。これからは、私たちが人類の英知を結集し、星の連なりを見つめ直すことで新たな星座の物語を紡ぐときです。新たな星座とは、社会課題を解くためのソリューションであり、それらを社会実装する人々の物語です。人類が失った環境を取り戻すために、どうしても外せない要件が、「見える化」、「分析」、「対処」の視点を取り入れた社会の仕組づくりです。だからこそ私は、IISEのブランドストーリーに共感できたわけですし、環境分野のThought Leadershipを通じて未来の共感を創る活動に取り組んでいるわけです。厳しさを増す国際社会情勢のなかにあっても、諦めることなく共感の輪をひろげ、皆さまとともに新たな物語を創ることができれば、この上ない喜びです。

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