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キャリアコンサルタントの質の一定化あるいは市場の評価はこれからだと思う

 医師も弁護士も公認心理師も他の士業もそうだと思うのですが。たぶん最終的には市場の判断(あの先生はいいよ、みたいな)なんだと思うのです。医者や弁護士の資格があれば儲かるかと言えば、サラリーマンでは厳しいし、自営だとしてもやっぱりお客さんの声で新たなお客さんが来るのだろう、と。

 どこまでいっても「資格があるから大丈夫」「2級より1級が優れている」というのは難しいと思っています。一般的に専門医のほうが信頼できるけど、専門医じゃなくてもいいお医者さんは多いし、専門医が本当にいいかどうかは実際行ってみないと分からない。結局、受診してみないとわからないし、受診してないのにネットや友人の評判で選んでしまう。受診してもらえないお医者さんはいつまでたっても評価されない。まあもちろん目の病気では眼科に行くし、内科には行かないので「専門性」は全く意味がないわけじゃないですよ。その辺りキャリアコンサルタントやカウンセラーで専門性(専門分野)を明確にしていない人も少なくないような気がしますが。

 キャリアコンサルタントでもスーパービジョンが当たり前になれば、多少は質の向上もあると思います。でもここで難しいのは誰にスーパービジョンを受けるかということ。ここも結局「いいスーパーバイザーを選ぶ」のは評判で選ぶことになります。ワタシも受けようと思ってますが、誰がいいかわからない。大昔の大学院の指導教官はとっくに亡くなっているし、サイコセラピーに進んだ同級生はいるがキャリアに進んだのは僕くらい。僕より優秀な先輩も後輩もいるけど、流派が一緒とは限らない。普段付き合っていて「この人なら信頼できそうだなあ」という人に相談したりすることになります。

 統合的心理療法という立場もありますが、そもそもワタシは心理療法(サイコセラピー)を標ぼうしてないですし。違う流派のスーパービジョンを受けないとは言いませんが(実際違う流派の学会にも長いこといましたから)、別流派だとすごく立派な実践家の方のアドバイスでもピンとこないことも多いんです。それなりに大人になって(歳をとって)、誰の指導を受けるべきかはなかなか難しいんです(若い人に頼むと先方も遠慮がちになりますし)。指導を受ける気が全くないわけではないのですよ。困ったときは同僚や信頼できる人に相談はしています。ちょっと前に「この先生に頼もうか」と思ったら、いつの間にか定年を迎えられていました。それでもお願いする手はあるのだとは思いますが。

 ちょっと話がずれてますが、「実践家はベテランになっても継続して学ぶべきだろう」そして「実践家は市場によって淘汰されるであろう」という話でした。ワタシはナラティブアプローチによるキャリアカウンセリングを専門としていて、本人の興味・関心ややる気を掘り起こすのを主にやっていて、主な実践分野は大学生(中高、企業・社会人なども少し)、グループワークでコミュニケーションを喚起するなんていうのもやってます。キャリアカウンセリング(コンサルティング)というと自己分析と業界・企業研究のように捉えられがちですが、インターンシップのような具体的な啓発的体験に限らず「コミュニケーションする」「チャレンジする」のを奨励するのも(特に若い人相手では)重要だと思っています。



 

 

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