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キャリアカウンセリング(キャリアコンサルティング)のナラティブアプローチ

 昨日の続きでもあるのですが。キャリアコンサルティング資格試験関連のブログなど見ていると「キャリアカウンセリングのナラティブアプローチといえば、サビカス」と限定して書かれているものが多すぎるように思います。今は欧米のほとんどの研究者・実践家がナラティブアプローチの影響を受けています。NCDAの発表を聞いても、ほとんどみんなナラティブアプローチを使っているのじゃないかしらという感じです(もちろんホランドの職業興味検査など量的に標準化されたテストも使う「折衷派」も多いですけれども)。
 コクランのナラティブアプローチ(本人がそう書籍で言ってます)もサビカスのキャリアストーリーインタビューも、ピーヴィーのソシオダイナミック・カウンセリングだって、クランボルツの偶発的学習理論に基づくカウンセリングだって、ナラティブアプローチです。クライエントの過去・現在の経験や気持ち・思いを引き出し、理想の未来を語ってもらうのはナラティブアプローチです。標準化されたテストを使ってもいいのですが「それが結果」ではなく「その結果をどう思うか、どう受け取るか」を質問して語ってもらう、「結局将来どうすべきか」の答えをカウンセラーが提供するのではなくクライエント自身に考えて語ってもらう、そのお手伝いのために質問したりワークをしてもらったりするのがナラティブアプローチだろうと思っています。
 「そんなの前からやっていた」と言われれば、まあその通り。ただそういう「理想の仕事観・人生観」を引き出す各種の具体的な質問やワークが用意されてきたのが近年の(キャリアカウンセリングの)ナラティブアプローチということだろうと思います。
 心理療法・カウンセリングで使われる解決志向アプローチを応用して、「問題が(少)ない場面」などの例外探し、「もし何も制限がなければ」などのミラクルクエスチョン、「今10段階でどれくらい」などのスケーリングなどの技法を使うこともできるのですが、そういう一般的な質問じゃなくともいわゆる質的キャリアアセスメントの質問を使うことで【別記事参照】、クライエントの仕事観とか人生観とかにじみ出てくるのだと思うのです。本人の気づきが早くなるのだと思うのです。
 私もあなたもナラティブアプローチ、サビカスだけじゃないです。

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