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ロビンズの動機付け理論の統合について考える

 ステファン・ロビンズは陸上競技の奨学金で大学に入った変わり種の研究者です。
 ロビンズは統合モデルを以下のように説明します。
(1)「機会」が個人の努力に影響を与えることをしっかりと認識する必要がある。
(2)個人の努力を左右するもう1つの要因は、「直接的な行動のための目標」である。
(3)この「目標-努力」のループは、直接的行動のための目標を思い浮かべることを意味する。
(4)期待理論(ブルーム)は、「努力-業績」「業績-報酬」「報酬-満足」のそれぞれで、強い結びつきがあると感じるときに人は一生懸命努力をするであろうと予測する。
(5)よい業績をあげるための努力として、人は必要な能力を獲得しなければならないが、業績の評価は公平で客観的であると知覚されることが必要である。
(6)報酬を決めるは業績であると知覚するなら、業績と報酬の結びつきは強まる。認知評価理論は、実際の職場では十分な妥当性があり、業績に基づく報酬は内発的動機付けを弱めるであろうと予測する。
(7)期待理論における最後の結びつきは、「報酬―目標」の関係である。ERG理論(アルダーファー)はこの点に関わっている。個人的目標と一致した主要な欲求を満たす髙い業績によって受けた報酬の程度によって、動機付けは高まる。
(8)達成動機理論(マクレランド)も関係している。髙い達成動機をもつ人は、業績は報酬に対する組織の査定によっては動機付けられず、個人的な目標への努力から飛躍する。高い達成動機の人は「努力-業績」「業績-報酬」「報酬-目標」の結びつきに関心がない。
(9)組織の報酬は個人の業績を強化するという認識によって、強化理論は取り入れられる。もし報酬システムがよい業績に対する支払いとして雇用者にみなされるなら、報酬はよい業績を強化し奨励するであろう。
(10)報酬はまた、公平理論(アダムズ照)においても重要な役目を果たす。人は自分の受けた報酬を、自分が投じたものと比べ、結果と投じたものとの比率を他社のそれと比較し、不公平であれば費やす努力に影響を与えるであろう。

 この統合モデルをどこに導入するかですが、例えば人事部門の人材管理や期首期末面談、あるいは教育分野などで活用できるかもしれません。少なくとも「給料増やせば社員は幸せ」というのはちょっと安易だよ、ということは理解しておいて良いのかもしれません。


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