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「統合的ライフプランニング」のハンセンについて考える

 ハンセンは1929年にノルウェー系移民の貧しい家に生まれ、父親は6ブロック先の食肉加工場の社員で、1ブロック先に刑務所があったと言います。母親は血友病で本人9歳妹5歳の時に亡くなっています。街は移民や外国人が多く、角のメキシコ人兄弟とは遊び仲間であり、高校の親友は中国系アメリカ人だったと言います。
 ハンセンはジャーナリズムを学ぶためミネソタ州立大学に入りますが、当時のジャーナリズムでは女性の活躍機会が限られることから専攻を英語に変え、高校の英語教員になります。1957年に英語・カリキュラム・教育指導の修士号を、1962年にカウンセリング・ガイダンスの博士号を取得します。フルブライト留学生でノルウェーに滞在した経験があり、夫はノルウェーのクロスカントリーの選手で、子供が2人います。主に女性や少数民族の意識改革教育である「ボーンフリー運動」の旗手としても知られています。

 このように「移民」「女性」(あるいは「苦労人」?)の視点から、それまでの白人男性主体の「キャリア」とは違った視点が持てたのではないかと思っています。
 ハンセンの統合的ライフプランニングが
①変化するグローバルな文脈のなかでなすべき仕事を見つける
②人生を意味ある全体のなかに織り込む
③家族と仕事をつなぐ
④多元性と包含性に価値を置く
⑤スピリチュアリティ(精神性・魂・霊性)を人生の目的として探求する
⑥個人の転換(期)と組織の変化のマネジメント
を6つの重要課題として挙げており、また人生の4つの要素(仕事・学習・余暇・愛)を統合して個人や人生の全体性や統一性を重視していますが、それは彼女のこうした経歴の影響もあるのではないかと思っています。

 何を言いたいのかと言うと、「違う性別や文化や階層の人と会話するのって大切ですよね」というか、若者・余所者・馬鹿者がゲームチェンジャーというか理論の革新のきっかけになることもあるよね、ということを意識したいなあ、ということなのですが。
 女性研究者とか若手研究者の声(あるいは外国の研究についても)をしっかりと聞いていく必要があると思っています。

【実践家向け】サニー・ハンセン「統合的ライフプランニング」 - YouTube

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