駈込み訴え/太宰治
「鏡」
文豪の本を読むのはとても久々で少し気負いしていた。が、すぐ読めるよ!と勧められたこの話は本当に一瞬で読むことができたので、私のように「時代が違うし…文章も難しそうだし…」と思っている人は是非読んでみてほしい。騙されたと思って。(※自己責任でよろしくね!)
話は主人公の語りで進む。
途中まで主人公と「あの人」が男なのか女なのかわからない。読み進めていくうちに状況が色々と視えてくる。
加えて、私は読了してから主人公の名前をググって物語の舞台を理解した。話の内容的に舞台がわからなくても問題はないけれど、知った上で再び読むとまた面白いと思う。「これが、あれね!」となるはず。
主人公が一人で語っているのも相俟ってか、ページをめくる度に狂気を感じる。
「好き故に殺す」という思考。現代におけるメンヘラかと思った。そこも含めて今も昔も人間の思考は変わらないのだなぁとしみじみ。
表立って見返りを求めてはいないが、心の奥底では期待している。期待は何度も裏切られる。積み重なって爆発する。…なんだか心当たりがあるような気がする(笑)
ちなみに「あの人」のことは策士だなぁと思う。主人公の性格を知っていて上手く扱っていたに違いない。…これも心当たりがある…。
「良いように使われたな」と感じたこと何度かあるな。
そしてこの話の中で一番共感したのは
「世の中は金」という思考。
散々一人語りしておいてそう来たか…!でも私もそう思う!!!何だかんだ言ってもお金は大事なのだよ。お金の余裕は心の余裕だよ。お金ほしいな。沢山ほしいよ。
こうやって感想を綴ってみると意外と共感する部分があって驚いた。無意識に自分をみつめてしまった。ちょっと嫌かもしれない。
欲深い人間なんだなあ、私。
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