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おいしいは、さくっと焼けるらしい。

私の母の姉。

すなわち私の叔母(通称:おねえちゃん)は、
老若男女あらゆる人の胃袋を掴んできた
スーパーお料理上手ウーマン。

「焼き菓子はさくっと焼くから美味しいの」と
ありがたいお言葉をいただいた日の記録です。

あの「ふかふか」が食べたい

はじまりは、私が初の
シフォンケーキづくりで失敗したこと。

たまたまカフェで
米粉シフォンケーキを食べてから
どうしても作りたくなったので焼いてみたのだけど
なんか膨らまなかったのだ。

メレンゲちゃんとたてたと思うんだけどなあ
まあでもバナナ入れちゃあこうなるかなあ
最近よくみる「手外し」 したかったんだけどなあ…

自分の失敗シフォンを食べながら
ひとり残念会in脳内。

でも、あーだこーだ思ってたら、思い出した。

たしか小学生くらいの頃に母とおねちゃんが、
えらく手作りシフォンケーキにハマっていて、
ふかふかのそれをよく食べていたのだった。

でも、シフォンケーキってシンプルな味だし
軽くってすーぐなくなっちゃうじゃない!

つまり当時はチョコケーキとか、
そういうずっしり甘ったるいものにしか
スイーツらしさを見出せないガキんちょだった。

だからシフォンケーキは
多分あまり好みではなかったのに
ふたりしてよく焼くから正直飽きていた。

しかし今はわかる。
あのシンプルな味と理想的なふかふか感。

食べたいし作りたいし求めている。

これは習いに行かねば!と
おねえちゃんに連絡すると
もちろんすぐにOKしてくれた。

いざ、焼き菓子づくり見学

約束の日、朝の8時を
ちょっとすぎたぐらいにインターホンを鳴らす。

いつも通り健康的でおいしいごはんを
たらふくいただいていたら、
いつの間にかキッチンでは
お手製シフォン型が生まれていた。

「型は場所もとるし、キッチンペーパーで十分」
そう話しながらパッパと作る。

私が写真を撮るのが好きなのを知っているので、
向けられたカメラは気にも留めず色々説明してくれた。

メレンゲは目指せツノ泡。
あとは卵・砂糖・油はよく混ぜて、
メレンゲを加えたらさっくり混ぜて。

「本当は粉はふるった方がいいんだけどね〜」

と言いながら最低限の手順だけで
あっという間に生地が完成。

失敗したとLINEした時に
「シフォンケーキは、卵白の泡立てが大事で…
ハンドミキサーでかなりすると大丈夫。
目指せ!ツノ泡。」
と教わっていたのだけど、本当にそうだった。

質の良い型が必要なわけでもない。
粉をふるわなくなっていい。
ツノ泡がふかふかを作ってくれるから。

昔たべたのと、形は違えどふかふか。これでした、求めていたやつ。

にんじんケーキタイム


しかしあっという間に
焼き焼き上がったな〜と思ってたら、
にんじんケーキも焼いちゃう?と。

「えっ!いいの!?」
「でもにんじんは唯一きらいな野菜だよ?」
とか言ってるうちに…

まさに、あれよあれよと。

いつのまにか生地を作って
お手製型も作って
焼きはじめていた。

「あっという間だね!?」と言うと
そう、ここで飛び出した。

「焼き菓子はさくっと焼くから美味しいの」

ほんといつも何かさくっと焼いてるらしい。
事実、私もよくお裾分けしてもらうもん。おいしいもん。

その日から私もいろいろ焼いてみた。

シンプルシフォンに、
にんじん嫌いもおいしく食べれるにんじんケーキ。

大事なのは大事なことだけは守ることと
好きな時に好きなやつをさくっと焼くこと。

それと、私はまだ半人前だから
どういう「さくっと」をしたら
どんな「おいしい」が生まれたのか
ちゃんと覚えておくこと。

いつかおねえちゃんみたいに
気ままに歌っているみたいに
おいしい焼き菓子を振る舞えるになりたい。

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