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死の受容と生の受容

」は等しく僕たちに訪れます。
そこから逃れることは誰にもできません。



同様に、
」も等しく僕たちに訪れます。
そこから逃れることは誰にもできません。


▼ 死の宣告 

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たとえば僕たちが
医師から【死の病】を宣告されたとします。


余命は3ヶ月。
医師からはこう言われます。

「残された時間を悔いなく過ごしましょう。」

「家族にきちんとお別れを告げましょう。」

「そして安らかな気持ちで旅立ちましょう」

こんな風に言われたら
あなたは受け容れることができますか?

僕はたぶん、、、
即座に受け容れることはできないと思います。


▼ 死の受容

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死の受容には5段階のプロセスが
あると言われています。

1 .否認と孤立
2. 怒り
3. 取引き
4. 抑うつ
5. 受容


順番に説明していくと、

1. 「自分に死が訪れる」という事実を受け取めることができず否定する。その結果、周囲から孤立する。

2. 『なぜ自分が死ななければならないのか』というやり場の無い怒りが際限なく生まれる。

3.「死の先延ばし」を得るために、医療、神仏、奇跡にすがり、非現実的な取引きを試みる。

4.「死が不可避」であることを理解するが、受け容れることができず、悲しみ、嘆き、絶望する。

5.「死とは等しく誰にでも訪れるもの」として受容する。それにより、これまでの価値観や世界観とはまったく異なる次元で、心静かな時間を過ごすようになる。


▼ 人生って素晴らしいの??

いきなりネガティブな話になりますが、

「人生は素晴らしい」
「人は誰でも価値がある」
「みんな前向きに生きるべきだ」

などとは、僕は思っていません


僕は小さい頃から友達がいなかったし、
才能のあるクラスメイトが羨ましかったし、
テレビの中のヒーローになりたかったけど、なれないことも分かっていた。

そんな自分が好きではなかったし、失望もしていました。


人生は、楽しいことよりも苦痛や苦悩の方が圧倒的に多くて、『生き続けることはコスパが悪い』と、ずっと思ってます。



それでも僕たちはがんばって生きている。

人生に何かしらの「意味」を付与して。
激流に押し流されそうになりながら。
自分を必要としてくれる誰かのために。
今日も必死で泳ぎ続けている。



「死を受容」するのと同様に
「生を受容」することもまた困難です。


▼ 生の受容

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「生」を受け容れるためには、
死の受容と同じプロセスを踏む必要があると、僕は思っています。


1. 否認と孤立
2. 怒り
3. 取引き
4. 抑うつ
5. 受容

「生」=「自分」と置き換えると分かりやすいので、そのように説明してみようと思います。


1.「自分」を受け取めることができず否定する。その結果、周囲から孤立する。

.︎『とても辛いのに、自分はどうして生き続けなければならないのか』というやり場の無い怒りが際限なく生まれる。

3.「自分」から逃れるため、医療、神仏、奇跡にすがり、非現実的な取引きを試みる。

4.「自分以外の人間になることはできない」ことを理解するが、受け容れることができず、悲しみ、嘆き、絶望する。

5.「自分をありのまま」受容する。それにより、これまでの価値観や世界観とはまったく異なる次元で、心静かな時間を過ごすようになる。


▼ 生を受容した瞬間に、はじめて人はこの世に生まれ落ちる

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話が少し飛びますが、
僕には1歳になる娘がいます。

名前は流花ちゃん。
2020年の2月に生まれた可愛い女の子です。

でも僕は、彼女が「生まれた瞬間から自分の人生を生きている」とは思っていません。
彼女が本当の意味で「生きるのを始める」のは、彼女が自分自身をありのまま受け容れた瞬間からです。


自分自身を受け容れることなく、生きることは不可能です。

自分自身の存在を否定している状態は
自分の周りにある世界のすべてを否定している状態と同じだから。

だから僕は、彼女がこの世に生まれ落ちるお手伝いを全力でしたいと思っています。

そこから先の人生は彼女が決めればいい。

別に頑張らなくていい。
堕落したって全然いい。

自分がこの世に在る時間を目一杯に使い切ってくれればそれでいいと思っています。


▼ エピローグ

たとえば僕たちが
医師から【生の病】を宣告されたとします。

余命は分かりません。
10年かもしれないし
50年かもしれないし
100年以上あるかもしれません。


そして、医師からはこう言われます。

「残された時間を悔いなく過ごしましょう。」
「家族にきちんとお別れを告げましょう。」
「そして安らかな気持ちで旅立ちましょう」

こんな風に言われたら
あなたならどう答えますか?



僕はきっとこう答えます。


「僕にできるのは、自分の『生』を最後まできちんと使い切ることだけです。あとは定めに従って死んでいきます。」

と。


おしまい。

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