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「誰?」という言葉のミステリー感がパナいって話

最小限の言葉数で最大限に何かを伝えられたら良いなと日々思っているので、旨味の詰まった言葉について考える時間は多い。
今日ご紹介するのは、そんな言葉群の中でも私、寝袋男の大のお気に入り、

「誰?」

たった一文字と記号。その短さに秘められたこのミステリー感。
ホラー成分も含まれていて、栄養価が非常に高い。
見映えも良い。「見てくださいこの照り!」と自慢したくなる美しさだ。
そして音。言葉を見た時に再生される音声。この再生には個人差があることと思うが、再生されたアクセントに発声者の不安が垣間見える方も少なくないはずだ。
そんな一文字見ただけでドラマティックだと感じられる至高の逸品である。

この「誰」という漢字、成り立ちを調べてみると、

上の様な具合である。
以下OK辞典(https://okjiten.jp/index.html)を基に解説していく。
部位ごとに説明していくと、

①取っ手付きの刃物
②口
③尾の短いずんぐりとした小鳥

となる。以上の組み合わせから「鳥が言う」を意味し、「だれ」「問う」を意味する「誰」が成り立ったと言われているらしい。

ここでミステリー狂か勘の良い変態なら気付いた人もいるかもしれない。
クックロビンを思い出しはしないだろうか?
クックロビンとは、英語圏の童謡「マザー・グース」の一遍である。
日本では「駒鳥の葬式」と呼ばれるこの歌。
最初の一節を以下に記す。

誰が駒鳥 殺したの
それは私 とスズメが言った
私の弓で 私の矢羽で
私が殺した 駒鳥を


上記の一節に続いて、各生き物たちが「駒鳥を殺したのは私だ」と名乗り出ていき、最後に駒鳥を葬送していくというあらすじだ。
起源、作詞者がはっきりしていない為、その考察には諸説挙げられている。
まさにミステリーな歌であり、実際ミステリーの題材にされることも多い。

成り立ちから、想起される歌までミステリー。
そんな漢字、

「誰?」

の旨味をこの全然最小限ではない文で伝えられたなら幸いである。

寝袋男

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