映画「月」を見て

最近公開された「月」という映画を見に行ってきました。

津久井やまゆり園の事件をもとに作った映画ということを知り、これは今、見ておいた方がいいだろうと思い早速行ってきました。

この映画は「社会は優生思想が深く染み渡っていて、この価値観は誰もが持っている。あなたも持っているでしょう?どうです、否定できますか?」と問いかけてきます。

原作がある以上仕方ない面もあるのでしょうが、施設現場の大変な面にフォーカスした描写が多く、終始重苦しい雰囲気。まるで救いのない地獄を見せられているようです。

しかし、何か想像力が欠如している世界観に感じました。
「綺麗事じゃない現実」を見せつけられたというところですが、
映画そのものの『障がい者』の扱いが“さとくん“の価値観の側に偏っていて、
見ていて気分の良いものではありませんでした。

“さとくん”がとった「表現」やその理由はやはり自分には共感できないものです。
誰でも優生思想をうちに秘めているからと言って、それを素直に承認し、表現していいとは思わない。

自分の中にそういった感覚を確認できたとして、それを受け止めたうえでどのように行動や表現していくかが大事なのだと思います。

人と人とがつながる充実感、お互いを許し合えることも私たちは知っているし、相手に心があるかないかなど判断できる力なんてないでしょう。

わからないことをわかったように決めつけてはいけない。理解するために仮説を立てて検証することには意味があるんだろうと思うけど。

相手を排除するのではなく、相手の気持ちに立って考えることに力を注いでいきたい。

そしてお互いに信頼し合える関係を追求していきたいと、この映画を見て改めて思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?