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なずな の おうた

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noteに載せた詩をまとめたものです。 ピヨピヨな言葉たちですが、一文字一文字丁寧に書きました。
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2022年1月の記事一覧

【詩】『アナタはきっとエキゾチカ』

【詩】『アナタはきっとエキゾチカ』

ボクの手足がとても細い頃

ボクの体が伸びきっていない頃

手足が太くて 背も高い アナタと出会った

アナタはきっとエキゾチカ

港にいたアナタは
ボクにパンをくれたよね

アナタはきっとエキゾチカ

友達のいないボクへ
アナタは見てきた世界を話してくれた

アナタはきっとエキゾチカ

いつかこの海 共に渡ろうと
アナタは笑みを浮かべてた

あれから時間は過ぎていき

世界はどこでも危険が多い

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【詩】『やせっぽちシィトゥルイユ』

【詩】『やせっぽちシィトゥルイユ』

やせっぽちシィトゥルイユ
畑で浮いてた

他のシィトゥルイユと違って
やせっぽちシィトゥルイユは
なんでか横に細長く
きたなく
みすぼらしかった

やせっぽちシィトゥルイユ
畑で浮いてた

浮いた存在になりすぎて
やせっぽちシィトゥルイユ

本当にお空へ飛んでった

お空へ飛んだ
やせっぽちシィトゥルイユ

最期は弾けて死んじゃった

畑で浮いてた やせっぽちシィトゥルイユ
お空へ飛んだ やせっぽ

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【詩】『はなれない、ごめんね』

【詩】『はなれない、ごめんね』

あたしは救われてない

あなたは救えてない

さかさまにしても同じ

あたしも救えてない

あなたも救われてない

それなのに ごめんね

はなれない、ごめんね

【詩】『飛び降りたかった誕生日、出来なかったの、16歳』

【詩】『飛び降りたかった誕生日、出来なかったの、16歳』

帰る場所が家しかないなんて、恐怖だ。

おとうさんはもうずっと居ないし
おかあさんは怒りながら帰ってくるんだろう
おにいちゃんは勝手に独り立ち
おねえちゃんは部屋の中で妄想だけを謳ってる

帰る場所が家しかないなんて、恐怖だ。

スクールカウンセラーに何が出来るの
わたしの今日を、どう救うの
わたしの今を、どう癒すの

親戚も遠くに住んでいるし
友達だって手一杯で生きてるし
先輩の正論はそれだけで

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【詩】『ずるい狐くん、すねてる虎くん』

【詩】『ずるい狐くん、すねてる虎くん』

虎の威を借る狐

なんて申しますが

そもそも
虎のお友達がいないんで

僕ァ 一生 威張れないんだろうな

***

虎の威を借る狐

なんて言うけれど

そもそも
狐の友人すらいないのだから

俺は 一生 ひとりなのかなあ

***

ずるい狐くんと
すねてる虎くん

これから このふたり

曲がった角で 出会うんですよ

これから このふたり

どんな一年をすごすんでしょうね?