かの学習誌「中一時代」で超革中の連載を読んだ記憶が蘇って来ました
最初に、この作品を読んだのは、私が中学1年生の時で、その時の学習誌と呼ばれる、毎月定期購読していた「中一時代」と呼ばれていた、旺文社の雑誌に毎月連載されていたのでした。
読者投稿のリレー小説と銘打っていましたが、実際は、平井和正先生自らが、そのスタイルで書き起こしたものだったのではないかと推察します。
当時は、1960年代に席巻していた学生運動が下火になり、連合赤軍などの血なまぐさい事件が起きている頃で、タイトルの、『超革命的中学生集団』の略称である、超革中というのは、当時の過激派学生運動の「革マル派=日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派」や「中核派」などをもじった命名で、なかなかインパクトのあるタイトルでした。
そして、内容も、性転換や大企業の発明家への弾圧など、およそ中学1年生では十分に理解できない内容も含まれていて、その連載当時には、時々読みはしましたが、毎回完読した訳ではなく、そのまま本棚の隅に収納されていました。
それが、後年、『ウルフガイシリーズ』などで、平井和正先生の作品群を愛読するようになり、そういえば、中学1年生の時に、「中一時代」に連載されていた『超革命的中学生集団』という連載小説があったなと、バックナンバーを引っ張り出してきて読み進め、改めてその面白さに惹き込まれた歴史があります。
今、電子書籍でこの小説を読み返してみて、こんな用語が既に使われていたんだという驚きに満ちていますね。
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B00E5SYKEU/ref=tmm_kin_swatch_0?ie=UTF8&qid=&sr=
元祖ライトノベル?!
謎の宇宙人により、超人能力を与えられた6人の中学生。人類の存亡は、彼ら“超革中”の面々に委ねられた!?
横田順弥、鏡明ら実在のSF関係者が実名で登場することでも話題を呼んだ、平井和正の抱腹絶倒ハチャハチャSF!!
[1971年刊行作品]
《あらすじ》
闇夜の神社境内で決闘する6人の中学生の頭上に、謎の円盤UFOが現れた!
緑色の怪光線を浴びた6人は、脳細胞の全能力を開放され、超人へと変貌する。
それは、地球人が宇宙に進出する資格を問う、宇宙人から人類への最終試験だったのだ。
彼ら6人は「超革命的中学生集団」を結成、地球人類の平和と福祉に寄与することを誓うが、その超人的能力におぼれ、次第に自らを見失っていく……。
おまけに、“超革中”の能力に目をつけた敵対勢力も現れ、ハチャハチャな内紛大混乱に陥っていくのだった。
奇絶! 怪絶また壮絶!!
※実在の登場人物、横田順彌、鏡明両氏による解説を再録!
※朝日ソノラマ版&角川文庫版著者あとがき収録。
《著者紹介》
平井和正(ひらい かずまさ)
1938年神奈川県横須賀市生まれ。1963年「8マン」(桑田二郎・絵)原作。
1969年「狼男だよ」(アダルトウルフガイ)、1971年「狼の紋章」(ウルフガイ)を発表し、空前のヒット。
1967年「幻魔大戦」(石ノ森章太郎・絵)原作。
1979年より発表の小説「幻魔大戦」シリーズは1000万部を超えるベストセラーを記録した。
※※※
そして、この作品の作者である平井和正先生をはじめ、登場人物の何人かが既に鬼籍に入られていることも、ある意味感慨深い気持ちになります。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E9%9D%A9%E5%91%BD%E7%9A%84%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E7%94%9F%E9%9B%86%E5%9B%A3
人類ハチャハチャSF小説、
いや、
当時の、平井和正先生が主テーマとしていた
“人類ダメ小説”
のパロディ=作者のガス抜き的小説でもありましたが、その一端を今でも味わうことができる、貴重な作品といえるでしょうね。
立ち読みもできますよ。
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