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2月の俳句 春 4

春は名のみの風の寒さの風呂屋かな

季語:春(三春)
立春(二月四日頃)から立夏(五月六日頃)の前日までの三ヶ月。「新日本大歳時記 春(講談社)」より引用

すぐお分かりになったと思いますが、「早春賦」の本歌取りです。蛇足ながら「本歌取り」というのは、どちらかというと和歌によく使われる技法の一つで、有名な詩を部分的に取り入れて詠うことです。これは全くパクリではありませんので念の為。元の歌があるからこそ、詩自体の背景に奥行きが出ると思います。ただ、本歌取りで元歌を上回る作品は、少なくとも私は知りません。多用するべきものではないと思います。

しかしながら、拙句は元歌のおかげさまで、まだまだ寒い今の時期が上手く表現できたのではないか、と思っています。今はお風呂屋さんというととてもおしゃれでサウナやジャグジーなど多機能な感じですが、私は、昭和やそれより少し前の時代をイメージしました。ちっちゃい男の子がお母さんと一緒にはいっていて、お風呂場を駆け回り、叱られている映像が頭に浮かびます。


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