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【名刺代わりの小説10選】

 こんにちは、名雪七湯です。

 今回はTwitterのタグでよく見掛ける【名刺代わりの小説10】

 を記事にしてみたいと思います。

 名詞代わりと言いつつ、割ところころ変わるのですが暫定ということで

1、『そういう生き物』春見朔子

 集英社 2017

 千景の家に居候を始めたまゆ子。二人には付き合っていた過去があって…。性と生のありようを詩的な言葉遣いで描き出す現代の純文学。


2、『水曜の朝、午前三時』蓮見圭一

 新潮社 2001

 四条直美が死の直前に吹き込んだテープ、という形式の作品。大阪万博を舞台にした重厚で切ないラブストーリー。人生とは宝探しである、という信念の元に力強い女性像と「忘れられない恋」がテーマの傑作長編。


3、『こちらあみ子』今村夏子

 筑摩書房 2011

 ちょっと風変わりな少女、あみ子。優しい父に子を授かった母、そして仲良しの兄。あみ子は正直者で純粋。けれど、その純粋さがだんだん周囲の人とズレを生み出してゆき…。静かで力強い、切なく愛おしい一作。


4、『マチネの終わりに』平野啓一郎

 毎日新聞出版 2016

 実写映画化もされたベストセラーの恋愛小説。天才ギタリストの蒔野と国際ジャーナリストの小峰。お互いに強烈に惹かれ合うがゆえに産まれてしまう、歯がゆい距離感。長く波乱万丈なストーリーが迎えるラストは鮮烈。


5、『ポラリスが降り注ぐ夜』李琴峰

 筑摩書房 2020

 セクシュアルのリアルを描いた性の短編集。性別は男と女だけではない。なら、彼ら彼女らをどう定義すればいい? 一人一人で性別は違うということ、新宿二丁目の空気感、性と心の葛藤が圧倒的な筆致で描かれる。


6、『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ

 早川書房 2020

 古典的なテーマを「今」の感性で描いたSF短編集。「愛」の様々なありようを韓国の新進気鋭の感性で語る。優しく心温まるラストたちが愛おしい。


7、『あなたの人生の物語』テッド・チャン

 早川書房 2003

 哲学的な議題をテーマにした知性のSF短編集。玲瓏な世界観の中で人生や命という問題を世界が誇る頭脳で描き出す。


8、『絶望センチメンタル』朽葉屋周太郎

 角川 2011

 空から女子高生が降って来た。今日自殺する予定の少年とそれに着いて回る変てこな女子高生。おかしくも物悲しい一日の旅。(絶版)


9、『生のみ生のままで』綿矢りさ

 集英社 2019

 女性同士の恋愛を繊細な言葉で描き出す。ホテルで偶然出会った、逢衣と芸能人の彩夏。たった数日で力強く惹かれる二人。ドラマチックな展開が胸を躍らせ、二人の距離感が愛おしい。


10、『夏物語』川上未映子

 文藝春秋 2019

 大阪生まれの夏子は38歳でパートナーはいないが子供が欲しいという願望が芽生え始める。関西弁の語りという独特の感性で描かれる傑作大長編。女性が抱く問題を鮮烈な言葉で紡ぐ。

 以上、10選でした。

 名刺代わりとして私の何かが伝われば嬉しいです。

 何か気になる作品があれば幸いです。

 最後までお付き合いありがとうございました。またお会いしましょう。

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