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経験すること~受験するということ。

長女は最近スーパーで目にする『にんにく背脂』が好物の1つなのだが。

これをとある日次女に猛烈にお勧めしていた。
確かにラーメンとか餃子とかにかけたら美味しいに違いない。が、
タイミングが悪い。それは、平日の朝。
女子が朝から食べるにはちょっと強烈過ぎるし、場合によっては口臭が残って周りに迷惑がかかるかもしれない。案の定次女は迷惑そうな顔をしていた。いらない!と素っ気なく返す。

でもさー、美味しいよ!食べてみてよ、ねーねー!

この日に限ってしつこい。
空気だけでなく表情を読むのも苦手な上、普段なら好きなものは独り占めする長女がやけにその日は強引だった。
ムッツリ黙っていた次女が口を開きかける。嗚呼、朝っぱらから喧嘩か。

「〇〇(次女)はいらないって言ってるよ。無理に押し付けることないんじゃない?」

とつい口をはさんだ。今度は長女がムッとする。
「せっかく美味しいって言ってるのに?!」

「でもさ、あなたもいらないって言っているのに無理やり食べろ、って言われたら嫌でしょう」

「え?」

今度はこちらが「え?」という番だった。

ただどこもそうだろうけれど、朝っぱらから話し合いをする余裕のある時間を過ごしている家庭はきっとあまりない。朝というのは慌ただしい。
不穏な空気のまま、長女も次女も登校していった。

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長女は、元来のんびりやで天然ちゃんなところがあり幼稚園時代には常に他の子より一歩遅れていた。おままごとをすればリーダー格の子に適当にあしらわれ一番日の当たらない役に配置されていた。もちろんお遊戯会も『その他大勢』。小学校に上がったらいじめの対象になるだろうなあ、と思っていた。が、以外にも競争心のない絹ごし豆腐のようななんでもふんわり受け止める性格がある意味『癒しキャラ』になり偶然穏やかな性格の子が多い少人数の学校には向いていて、目立つことはなかったものの人間関係で悩むことは本当に少なかった。本人から「学校に行くのがつらい」という言葉を聞いたことがない。

長女は誰からも無理に押し付けられた経験がない


自我が強くないから、友達から「これいいよ~」と言われるとホイホイと受け入れる。
そういえば、下校してきたときに「これ作ってみたんだけれど」と
いう不器用母のテキトーに作ったお菓子も嫌がらずに大概食べる。
(見た目重視の次女は好みに合わないと素っ気なく「いらない」という)

長女は「いらないって言っているのに無理に押し付けられる」経験がないのだった。そういうことか。経験がないから相手の立場(嫌がっている)がなかなか理解できなったらしい。

怪我、人間関係のトラブル、受験、その他諸々、失敗や経験って大事なんだな。

受験になると親子で
【合格がゴール】
【志望校に入らなければ、人生終わり】

になってしまう家庭もあると聞く。
以前ママ友ランチしたときメンバーの中にお兄ちゃんが中学受験したママがいたのだが、進学先の学校の入学前説明会でオイオイ泣いていた母親がいたそうだ。第1志望の学校が不合格でまさかのこの学校しか受からなかった、なんで自分はここにいるのかと思うと泣けてきたらしい。学校まで来てシツレイな話である。そのお母さんはご本人も超がつくエリートでおそらく人生の失敗経験は息子の不合格が初めてだったのだろうとそのママ友は話していた。

受験はみずものだ。
そして、塾の、あまりの課金ゲームにも精神的に負けず
「この学校に入らなければ」にならず
どんな学校になったとしても、次女の場合は最終的に長女の後輩になったとしても、それを私は受け止められるだろうか。
2年後、我が家の娘達の挑戦がどうなるかわからないけれど、
この今日の投稿を思い出してできるだけ冷静に受け止めていきたいと思う。


付け加えれば、その難関校に入れなかったエリートママのお子さんが入学後トップクラスかといえばそうでもなかったらしい。
世の中そんなもんかしらん。




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