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風が吹くまま行けばよい。-旅の心象風景-


日本ではバイクはおろか原付もほぼ乗ったことがないのだが、
東南アジアの国々を旅するようになって、
田舎道を原付で流すのが好きになった。

車がほとんど通らないところは気楽に、
ヘルメットもつけず、まあハンドル操作を誤ったところで死にはすまい、ぐらいの速度でのんびり走る。
だから視界は良好。森の小道に降る木漏れ日や、野原に開ける青い空、眩しいほどの白砂の道に、色鮮やかな南国の花。道端で昼寝する野良犬、鶏の親子など、大なり小なりの景色を面白がって、一々路肩に足を停めずにはいられない。

こんな道なら、いつまでも走っていたい。
疲れたら木陰にひととき宿ればよい。
気が向いたら腰を上げ、風が吹くまま行けばよい。

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