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惚れにくい私がLINEと電話だけで好きになってしまった理由(2)
マサキさんとの未来を想像させる、ワクワクする話に夢中になってしまったナヲ子。それだけでも十分すぎるくらいでしたが、マサキさんは更にナヲ子の恋心をくすぐる会話術を使っていたのです。
身の上話で距離が縮まる
マサキさんは子供の頃から頭が良く数字や数学が大好きでだったそうです。一方で人とコミュニケーションをとることが極端に苦手。あるとき親が心配して病院で診てもらったところ「サヴァン症候群」と診断されたそうです。
【サヴァン症候群】知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。また、ある特定の分野の記憶力、芸術、計算などに、高い能力を有する人を示す。
マサキさんは小学生の頃から高校レベルの数学の答えが一瞬で分かってしまったらしく、なぜ分かるのか自分でも分からないけど、答えが頭に浮かんでくるとのこと。この特殊な才能を活かして大学ではAIを専攻し、就職先でもAIの開発プロジェクトに携わっているそうです。
ナヲ子にとって、この告白はとても魅力的に映りました。「ハンディを負いながらも人にはないすごい才能がある」というところが、ドラマチックに見えたんですね。コミュニケーションに若干違和感があるのも、病気のせいなのかな?と思うと、妙に納得してしまう自分がいました。
自己有用感を刺激する会話
更に、「外資系のシビアな会社で孤独と緊張の中戦っている俺」と「それを癒してくれるナヲ子」という構図がいつの間にか出来上がっていて、そんな頭が良くて仕事ができる男性が、自分に癒しを求めてきてくれることが嬉しかったのです。普段の会話の中でも、
「俺の仕事結構キツイから、ナヲ子みたいに年上で包容力がある女性じゃないとダメみたい」
「俺とにかく出世したいから、ナヲ子の支えが必要なんだよ」
「出世したらナヲ子に沢山贅沢させてあげたいよ」
なんて囁かれると、「私はマサキに必要とされている」という自己有用感が満たされ、いい気分になってしまうんですよね。そして益々ハマっていってしまったのです。まだ一度も会っていないのに・・・
これはトントン拍子なのか??
そして私と知り合って1週間後に、マサキさんも色々な偶然が重なり突然空いたポジションに昇進し、年収2000万の管理職に抜擢されたというのです。これはナヲ子のお陰だ、ナヲ子と知り合ってから一気に運気が上がった、ナヲ子はアゲマンなんだ!とまるで女神様のように崇められる私。
私は何もしていないのですが、なんとなく自分のお陰と言われると悪い気はせず、一緒になって昇進を祝い、さながら夫を陰で支えるセレブ妻の気分です(まだ会ってもないのに)。
あまりにも全てのことが上手く行きすぎて、これは神様が応援してくれているのかも?と妄想は広がり、私もついに、つ・い・にっ結婚?!ヤンエグのイケメンとゴールインだわ!!やっぴーーーっ(喜び方が古い)!!!と期待も高まり、鼻息も荒く本屋でゼクシィを立ち読みするナヲ子。マサキも結婚式はどっちでもいいけど、写真だけは絶対撮りたいって言ってたからドレスも着物も着ちゃおうかな〜なんて妄想を膨らませます。
しかし、しかーーーし!ちょっ待てよ(キムタク風)。
毎日電話やLINEをしまくっている割に、マサキは全然会う約束をしてきません。もうすぐ1ヶ月経つのに・・・。引き継ぎで忙しいって話だけど、それにしてもお茶する時間くらい取れるでしょうよ?
そんな当たり前すぎる疑問が頭を掠めます。しかし、マサキの仕事をサポートするいい妻気取りの私は「でもお仕事忙しい時に邪魔しちゃダメ。いい女失格よ」と自分を納得させ、とりあえず誘われるまでは会いたいオーラを出さずに待つことにしました。
さて、私は一体この先どうなるのでしょうか。次回、たぶん衝撃の最終回です。
今日もここまでお読み頂きありがとうございました。続きはまた明日。スキ&コメントもお待ちしております!
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