見出し画像

Workato×Notion連携による業務自動化

Workatoの導入経緯

こんにちは!ナビタイムジャパンのごまちゃんとそらです。我々は開発サポート部門に所属し、Atlassian製品をはじめとした開発系ツールの導入や運用促進を担っております。

我々は今期、全社における工数削減、自動化実施のため
iPaaS(Integration Platform as a Service)導入を検討し、本日紹介する
Workatoの導入を実施しました。

Workatoは、SaaS間のアプリAPI連携を実現し、更には
Slack等のコミュニケーションツールを通じた業務遂行を可能にします。
下図はWorkatoの提唱するオートメーションレベルで、3段階に定義されております。

Level 1:SasSやアプリケーション間のデータ同期・統合の実現。
Level 2:全社規模に渡る業務フローのプロセス自動化。
Level 3:Slack等の単一コミュニケーションツールを起点とした業務完結。

Workato の オートメーションレベル(参照:リックソフトブログ

Level 3まで実現すると、会社全体で自動化の恩恵を受けることができます。是非Level 3まで実現したいところです。

実際に社内で利用している、レシピを紹介したいと思います。

2.Notionとの連携

弊社の一部法人系プロジェクトでは、CRMツールとしてNotionを導入しており、案件の進捗状況や営業活動等の一元管理を行っております。ただ、テレアポの外注化等で、一部の営業活動はスプレッドシート上で管理されており、都度Notionへの書き込み作業が発生していました。
この書き込み作業が、多い時では月100-200回程必要で、多くの工数を要していたため、Workatoを利用した自動化を検討しました。既にNotionでの運用が行われているため、まずは検証用のスプレッドシートとNotionの環境を準備し、問題なく連携できる事を確認してから本番環境に移行しました。
連携手順について全て記載すると長くなるので、主にHTTPリクエストを利用する際の設定部分を中心に記載します。

作成したレシピ
スプレッドシートに入力された内容を、APIを利用してNotionのテーブルに転記するレシピを作成しました。Notion側は、「営業活動、会社情報、案件、コンタクト情報」と4つのテーブルに分かれているため、テーブル間のリレーションを考慮しながら作成を行いました。会社情報については、二重にデータが登録されないように、簡易な文字列一致検索を行う分岐処理のフローを追加しました。

Notionへの連携フロー

連携手順

  • Notion接続用Connectorの作成
    コチラのページを参考にIntegration Tokenを発行し、HTTP用のConnectorを作成します。

HTTPコネクタの設定
  • Propertiesの登録
    検証環境から本番環境への移行をスムーズに進めるために、Notionの各テーブルに割り当てられているDatabase IDをPropertiesとして登録しました。登録したPropertiesはレシピの中で変数として利用できるため、検証から本番に移行する際のID変更箇所を最小限に抑える事が可能です。

Propertiesの登録例
  • Message Templageの作成
    HTTPコネクタのRequest Bodyで、JSONファイルと関数(Formura)を同時に利用しようとすると、JSONを1行で記述する必要があり、可読性が著しく低下したため、Message Templateを利用しました。

Message Templateの登録例
  • HTTPコネクタを利用したAPIリクエスト
    ここまでの準備ができれば、後はリクエスト部分のフローを作っていくだけです。Request Bodyには先ほど作成したMessage Templateを指定します(HTTPリクエスト設定画像の「Document|Step2」部分)。APIの結果を後続のフローで利用したい場合は、Response schemaも設定しておきます。

HTTPリクエスト設定
HTTPレスポンス設定

必要なテーブルへの連携フローを全て作成して完成です。

3.Workatoの導入効果

今回スプレッドシートとNotionの連携を実施しました。

これにより、1回に3分ほど要していた転記作業が大きく削減され、
毎月5-10時間の工数削減が実施できました。

また、自動化を実現することにより、転記ミスを防止したり、
業務フローを再検討できた、という副次的な効果も生まれました。

今回のレシピのオートメーションレベルは1であるため、今後slackから実行できるようにし、2.3へと進めていきたいところです。

4.Workatoの今後の展望

今後も、多くの自動化レシピ作成を予定しております。
現在の予定をいくつか公開します。

Workbot for slackを利用した、社内提出用のbot
全社員が個別にバックオフィス向けに提出しているドキュメントを、Slack bot経由で受け付けます。拡張子等の内容を見て、最適なGoogle共有ドライブへ自動配置します。

提出者から見ると、単一のSlackbotがドキュメント回収を受け付けてくれ、
回収者から見ると、Slackbotが自動的に所定フォルダに配置してくれます。

これにより、Slackを起点とした業務自動化が実現できます。

ファイル提出のWorkbot

これ以外にも、入退社に合わせたアカウント作成/削除処理や
ワークフローシステムに連携したSlack起点の申請/承認処理など、
試してみたいアイデアが多くあります。

Workatoはこの度日本法人が設立され、投資やWebサイトの日本語化が
積極的に行われることが発表されましたので、より使いやすい環境が実現できそうです。

開発業務や営業活動に限らない日常業務など、あらゆる業務をWorkatoに集約することで、本質的な業務に集中してもらえる環境を用意していきたいと思います。